兼松「今日の稽古は何人かは分かりませんが、それでも結構多いと思うんですが、稽古場に一同が会したとき、一人一人名前と顔を覚えるの大変だと思うんですが?」
小熊「稽古をやる時は名前を貼るように(布ガムに名前が貼ってあるのを見せながら)。まあ、だんだん名前は覚えていきますけど、やっぱり100人単位の名前と顔をいっぺんに覚えるのはなかなか難しいものがあります。」
兼松「実際は何人くらいが」
小熊「172人です。」
兼松「役者さんだけで?」
小熊「ええ」
兼松「ホームページで小道具班とかいろんな役割を募集してましたが、そちらのほうは?」
小熊「反応はありましたね。映像とか、事務局やってみたいとか、反応はありました。それなりの規模になると、衣装でも一人1着でも170着いるわけで、小道具一人一個持ったとしても170個。僕の手が足らないんですね。もちろん参加していただいている方には衣装の手伝いとか、小道具の手伝いとか、それなりのスタッフワークをしてもらっているんですけど、やっぱり出演しながらだと限界があるんですよ。スタッフだけで参加してくれる人・・・・実際事務局っていうところがあって、制作面とか運営とかやって、僕は今助かるんですが、こちらは出来た当時からこえをかけて、出演者程多くはないですが、ボランティアスタッフとしてやってたんですよ。その時に集まって来たメンバーが働いてるんですね。」
兼松「そちらの方でだいたい何人くらい?」
小熊「ボランティアスタッフは10人くらい。」
兼松「それプラスそうじゃないスタッフ。」
小熊「そうじゃないスタッフは10人くらい。映像でもボランティアスタッフ5、6人入ってるし、舞台セットでも3、4人。知らないうちに、本当は100人で始めたのが172人になって、スタッフもどんどん増えていって、知らないところで勝手に企画が増殖していってる(笑)全員集めると今250人くらいいますよ。」
兼松「チラシに出演者募集のおしらせが。オーディションを行ったんですか?」
小熊「オーディションっていうか、面接です。全員の方とオーディションというのはあまり考えてなかったです。面接してお話を伺って、という形です。」
兼松「どのくらい集まったんですか?」
小熊「応募者は200弱ですね。190数人。だからほとんど採用です。断る理由がなかったんですよ。演出の天野天街も、別に経験とかは関係ないって言う姿勢で、人が多ければ多い程いいと。だから、ほぼみなさん採用でした。さっきの190ってのはあれですよ、全体でですから、今回一般公募で参加したのが110人なんですよ。だから実際に面接をやったのは120人か130人。」
兼松「映像表現についてうかがいます。芝居中にどのように映像を使っているんですか?」
小熊「芝居と映像はものすごく絡んでいる。スクリーンは使わず、舞台にそのまま映像を出す。元々天野天街は映像作家でもありますから、あの、特撮映画でメルボルンかなんかでグランプリ取って来たりして、、、そういうところがあるものですから、映像に対する思い入れは強いと思うんですよね。実際に映像と生の演劇を一緒にやる時に、それが有機的に結合していないと、やる意味がないと思ってるんですよ。だから、映像があって演劇があって映像があって演劇があって、というやり方はしないです。こういう映像の使い方をしているところは、たぶんあんまりないじゃないかなっていうくらいに、普通の音響とか照明みたいにそういったスタッフワークと同じレベルで。」
兼松「映像が絡んでくると尺も決まってくるみたいな?」
小熊「尺が決まるということはないんですけども、やっぱり役者はそれに会わせた動きはいるんですけども、きっかけが厳しいですね。きっかけはかなりシビアです。少年王者館はご覧になったことは?」
兼松「何年か前に七ツ(七ツ寺共同スタジオ)で北村想さんと天野天街さんが一緒にやったのは見たことあります。最後のさびしい猫。冒頭でプロジェクタでノイズを出したシーンは印象的でした。」
小熊「同ポジってよく呼んでるんですけど、舞台セット全部たてて、その舞台で実際に役者が動いている様子を映像で撮るんです。それを本番中に投影するんです。そうすると、舞台セットはそのままですから、人がいないところに人が動いているようにもみえるし、同じ人間がいるようにも見えるという手法を使います。きっと最初見ると驚きますよ。映像スタッフの浜島と言うのがいるんですけど、いろんなことを考えて。かなり映像と演劇が解け合ってると言うか。」
兼松「天野さんの『必殺するめ固め』撮影の予定は?」
小熊「まだ撮ってないです。脚本の段階です。来年撮影予定です。」
兼松「映画の弥次喜多はご覧に?」
小熊「見ました。」
兼松「感想は?」
小熊「感じ原作ですから同じようなシーンが出てくるんですね。僕は喜多八の役をやってるんですけど、妙な気分になりますね。(もちろん)面白かったですよ。」
兼松「妙な気分を具体的に言うと」
小熊「自分がやってることを映像の中で別の人間がやってるわけですから、その辺がなんか妙な感じと言うか、なんというのかな、幽体離脱とでもいえばいいのかな。」
兼松「割と近いイメージがスクリーンの中にあったと?」
小熊「えっとね、喜多八の作り自体はずいぶん違いますね。だから、キャラクタの出来あがりとか、作品の出来上がり自体はだいぶ感触が違いますね。ただ同じようなシーンがあるので、なので、シーンが似たようなところ意外ではそんなに、そんな気分にもならなかったですけども。腕がつながってるシーンとかは舞台でもやってますから、妙な気になりますね。」
兼松「くだんプロジェクトさんの今後の予定は」
小熊「来年東南アジアツアーに二人芝居で出かけます。それでその後に新作の二人芝居をやります。弥次喜多が2本目で、これで3本目になるんですけども。3本は二人芝居で作ってみたいなと思ってたんで。」
兼松「二人芝居自体にこだわりが?」
小熊「(くだんプロジェクトは)元々僕が二人芝居をやりたくて作ったユニットなんです。なので、一本だけって言うつもりだったんですけど、いいメンバーに巡り会ったもんですから、別の作品もやってみたいと思うようになりまして、で、弥次喜多をやったんですよ。で、これで、もう一本やれるなぁって。で、もう一本やってみようと。」
兼松「最近気になる劇団や公演は?」
小熊「たくさん会ってあげられないです。」
兼松「気になるニュースや事件は?」
小熊「何がある?(と回りに聞く)」
周り「テロとか、ハイジャックとか」等の声
小熊「気になる事件は百人芝居!」
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