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国会参院予算委、質疑


2005.3.18
国会予算委で小泉総理が芸術振興を語る

2005年3月4日(金)の午後、公明党の浮島とも子氏の質問に答える形で、小泉内閣総理大臣は芸術振興の重要性と施策の積極的な導入について語った。以下はその要約。質疑全文は下記に。

なお、質問者の浮島とも子氏は、フジテレビの人気番組「奇跡体験!アンビリーバボー」でも紹介された人。苦労に苦労を重ねてようやくアメリカのバレエ団でプリマドンナに上りつめたバレリーナであるが、1995年に起きた阪神・淡路大震災を前にして「何かしなければ」という使命感で帰国し、地元の子供たちと劇団を作り、仮設住宅の人々に勇気を与えるべく公演を実現させた。その過程では、ふさぎこむ仮設住宅の人たちに無視されたり、足りない制作費を調達すべく「飛び込み営業」状態で企業訪問を行ったりと、苦労の連続だったという。現在でも劇団『夢』サーカス主宰。

浮島とも子ウェブサイト
国会予算委全文

2005年3月4日(金)国会参院予算委にて【参照:国会会議録検索システム
■浮島とも子「芸術の愛好家でもある小泉総理に文化芸術の振興についてお伺いさせていただきます。私はプリマバレリーナとしてアメリカで活動していましたが、阪神・淡路大震災のときに何かお役に立ちたいと日本に帰り、被災した子供たちとともにミュージカルの劇団を立ち上げました。この活動の中で、子供たちはもちろん、この文化芸術の力は子供、そして大人、たくさんの方々に夢や勇気、希望を与え、そして一人一人の心をとても強くしたという体験をしました。その結果、どうすればもっと国民生活の中に身近に本物の文化芸術に触れる機会を増やしていくことができるか、また日本から本物の芸術家を数多く輩出していくことができるかということを常々考えております。」
■小泉総理「私は歌舞伎やオペラだけでなくて映画も好きです。子供のころ、あの嵐寛寿郎、アラカンの鞍馬天狗とか初代ターザンのジョニー・ワイズミューラー、あのころ、子供のころ、あれを見て血沸き肉躍る、もう本当に楽しかったですね。今でも映画もオペラも歌舞伎も好きなんですが、多くの方々が日常の生活の中で得られない感動を得ているのじゃないかと、芸術というのは心の糧だと思います。私は、歌舞伎とか映画とかオペラへ行きますと、女性が圧倒的ですね。男性がいかに少ないかと。これだけ仕事に夢中だと、時間がないんだと思いますけれども、定年になって、仕事だけに熱中して後することがないというと、これまた問題でありますので、これからは男性にもそういう芸術に触れていただきたいと思っているんです。」
■浮島とも子「ニューヨークでは、週末になると親子でミュージカルやバレエ、オペラを見に行く習慣がございます。また、フランスでは、三人に一人が演劇鑑賞を趣味としていると言われております。でも、今も言われたとおり、日本ではまだまだ生活の中に芸術が浸透しているとは言えません。私は、様々な工夫をして、年に一回子供たちが文化芸術に触れる機会をつくっていただきたい。また、親子で観劇や鑑賞などを楽しめる環境づくりの推進について、総理のお考えをお伺いし、そしてそのための取組をお願いしたいと思います。」
■小泉総理「机の上の学問も大事ですけれども、やっぱり参加してもらう。もう小学校、中学校のころからいろいろな芸術に、自ら演じてもらう。そして、演ずると、プロというのはやっぱり違うなというものも分かってきますし、また、自分の好きなものもいろいろ増えてきて、いろんな芸術に触れる機会も多くなってくるんじゃないか。学校教育の中からそのような機会をつくることによって、子供が夢中になれば親も関心を持つという、そういう機会を提供するような取組が必要だということについては全く同感でございます。」
■浮島とも子「芸術家の社会的地位向上について総理大臣にお伺いいたします。私は、文化芸術を担う人々を国の財産と思っております。そこで、芸術家の社会的地位の向上のための社会保障や権利の保護を制度化することが必要ではないかと思います。」
■小泉総理「どのような制度なり支援が必要かというのは、私、今具体的にはっきり分からないんですが、よく芸術家の方から、政府だけの支援じゃなくて一般の民間からの寄附もしやすいようにしてくれと、税制上の要望を受けますが、財務省等に、よく調べているんですけれども、実態はアメリカ等と今はもう遜色ない、変わらないんですね。ところが、企業なり個人なりの意識です。それを寄附する人が少ない。かつてはアニメ、漫画というのは、昔の人から見ると、何漫画見ているんだと子供をしかっていた。今はそうじゃない。もうアニメは立派な芸術ですよ。もうアメリカでもヨーロッパでも日本のアニメの水準の高さ、すごく認められていますね。外国からは日本人の芸術の水準の高さは非常に高く評価されています。そういう芸術が多くの人の心をいやし、潤しているということを考えますと、どういう支援があるか、これ、今はっきりは申し上げられませんが、芸術家に対する敬意といいますか、そういう点で、お互い何かいい提案があってれば提案をしていただきたいと思っております。」
■浮島とも子「今お話もありましたけれども税、税の優遇措置、私もそのシステムはよく知っているんですけれども、もっと簡素化していただければもっといろんな方々が税金、税金の方のをしていただけるんではないかと、寄附をしていただけるんではないかと思います。」
■谷垣財務大臣「今、小泉総理からおっしゃったように、制度そのものはかなり整えられてきたと思います。西欧と遜色のあるものにはなっていない。だから、総理のおっしゃったような意識の問題もあると思います。それで、要するに、民間の方々が寄附をして、そうして日本の、何というんでしょうか、いろんな水準を高めていくという仕事をしていただくためには、寄附税制をいろいろもっと便利なものに見直していく必要はあると思っております。」


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