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(遅筆堂ネタふり亭 じべ since 1999.12)

■11月の結果と12月の予定■

芝居は1年2ヶ月ぶりに月間鑑賞延べ本数記録更新の41本、映画も前月と同数の14本に加えてLIVE、コンサートも5本と活発だった分、読書は2冊と低迷

 【じべ 2008.12.8】

(11月の結果)■■■■■■■■■■■■■■■■■■

【芝居】

1日(土)M 『Believe』進戯団夢命クラシックス@アトリエフォンテーヌ
アーサー王と円卓の騎士たちをベースにした中世の戦(いくさ)物語に聖盃ネタも絡めての2時間余、「守りたい者のために戦う」というストーリーもさることながら、舞うように華麗で体操演技のように美しい擬闘が毎度ながら見事

1日(土)S 『TEN COUNT 〜秋の章〜』カートプロモーション@俳優座劇場
ド真ん中の直球どころか「棒球」か「バッティングピッチャーの球」ほどにひねりも何もない展開なので「映画レベルの予算と技術をそそぎ込んだ」というボクシングシーンに一縷の望みをかけていたら、その大半が別撮りした映像の「上映」なので脱力

2日(日)M 『魔王転生 〜maoutensyou〜』R:MIX@シアターサンモール
魔王軍対レジスタンスのミクロな部分と国民を政治力で統治するマクロな部分、歴史の流れに翻弄される人々など見どころたっぷり、重厚で格調高くさえ感じてしまうのは毎度ながら、今回は笑いのパートも多かったのは3時間半の大作であるがゆえか?

2日(日)S 『図書館的人生 Vol.2 盾と矛 〜攻めるものと守るもの、武器についての短篇集〜』イキウメ@三鷹市芸術文化センター 星のホール
短編オムニバス第2弾。ちょっとフシギ、あるいはちょっとヘンな状況から次第に発展させてゆく、というベースラインはいつもと共通ながら、不安要素、不気味要素はほとんどなく、むしろコミカルなところが大きく異なり、これもまた面白い

3日(月)S 『市電うどん −ハマのメリー伝説− 特盛版』@横浜みなとみらいテント劇場
テント小屋とその後方に広がる空間を使い描いた「ハマのメリー、魂の旅路」。生演奏にダンス・パフォーマンスからエアリアルまでとほとんどお祭り騒ぎ状態。最初こそ座り心地が気になったが終わってみれば「本当に2時間超?」と感じるほど

4日(火)M 『プラスチックレモン』ひょっとこ乱舞@吉祥寺シアター
前月に続きリピート。今回は終盤での父と姉の会話に妹が戻る1万年後まで待つことができない喪失感や家族愛がにじみ出ていてホロリ。また、舞台を実際より奥深く見せる照明も宇宙の広がりや1万年の時の長さが表現されているようでステキ

6日(木)M 『熱風ジャワ五郎』ひげ太夫@シアター風姿花伝
基本的には毎度おなじみのパターンではありながら、今回は前半での「お土産のうた」(?)のちょっとだけケチャっぽいところと、これまた定番化しつつある「この場面を上から見ると」の場面で前転によって落石を表現したことにウケる

6日(木)S 『ベッドマン・スリーパー 〜ホラー作家の望むこと〜』劇団カリフォルニアバカンス@アイピット目白
まさに「悪意の連鎖」状態で、誰もが持っている(そして普通は抑えることができている)「悪意」がいろんなファクターによって増幅されてしまう心理的・社会的なコワさたっぷりな上にマスコミ、ネット、DVなどもも取り込んできわめて現代的・現実的

7日(金)M 『キャンパスライフカップ』QUEENS’ LEAGUE@LIVE−BAR The DOORS
演劇畑をはじめ、ダンス系、アスリート出身、ミュージシャンなど多彩な出演者による学校行事をネタにした歌、コント、ダンス、チアリーディングから組み体操にエアリアルまでありのバラエティショウ、意表を突くアイデアも沢山盛り込まれて楽しい

7日(金)S 『波しぶき』バッカスカッパ@スタジオあくとれ
いろいろな要素を盛り込み過ぎて若干未整理な感なきにしも非ずながらコンパクトにまとめてあり、前作同様リアルでテンポの良い会話は魅力。ただ、無精子症や子宮摘出に関して若干配慮不足な部分があったのはちょっと気になる

8日(土)M 『ファミリア 客席四方囲みアリーナスタイルバージョン』30−DELUX@新国立劇場 小劇場
舞台上にリアルな道場の装置があった前月のバージョンに対し、今回は四方が客席のため素の舞台だったが、観る側の想像力を刺激するし、舞台の周辺まで演技エリアに使うし…と、これもこれで面白い、と言うかむしろこちらの方が動的で好み

9日(日)M 『幸せ最高ありがとうマジで!』PARCOプロデュース@PARCO劇場
説明不要の永作博美、本谷作品常連の吉本菜穂子など鉄壁の布陣による本谷ワールド。今まで観た本谷作品(映画も含めると6本)の中では一番笑いが多かったかも? そこはPARCO劇場の客層を配慮したのか?(笑)

9日(日)S 『愛の4部作 〜笑ってはいけない。どれも真剣な愛の形〜』u−you.company@小劇場GEKIBA
タイトル通り「愛」をテーマ(というよりはキーワード的?)にした4編の短編オムニバス。「恋愛」系でどちらかと言えばコミカルな3編と、「恋愛」以外の「愛」を描いたシリアス系の1編という取り合わせが良くそれぞれ面白かったが、やはり4編目が白眉

12日(水)M 『歌の翼にキミを乗せ』新宿芸能社@赤坂RED/THEATER(11月の特選芝居)
シラノ・ド・ベルジュラックの設定を太平洋戦争中のテニアン島の日本軍に置き換えたのが巧みな上に冒頭(とラスト)のヒロインの台詞を筆頭に反戦メッセージもたっぷり盛り込んだ名作。機会ある毎に演を重ねて欲しい

12日(水)S 『ブラックM』《RELAX》@六行会ホール
映画『ゲット・ショーティー』を想起させる映画界内幕。あるアイテムを手にしたことでスターダムにのし上がった、あるいは秘密を漏らしたことで不幸に陥った例としてハリウッド俳優が沢山挙げられて、映画も好きな身としてその大半がわかったりして愉快

13日(木)M 『まんまるレールウェイ』演劇ユニット春の日ボタン@劇場MOMO
ローカル鉄道にまつわる4編の短編、4編目で新たなストーリーを紡ぐ一方、それまでの3編の「その後」も見せて全体を締めくくる構造が巧みな上に、そのオチにはスタンダップコメディアンがスパーンとパンチラインをキめたような快感アリ

13日(木)S 『ヌンチャクトカレフ鉈鉄球』デス電所@青山円形劇場
事前情報にもあった通り、また物騒なタイトルにも顕れているように多分に暴力的。そんな中、「死と再生」「姉妹の絆」「神(?)の慈悲の限界」などが示されるというのは初めて観た『輪廻は斬りつける(再)』でも感じた如く柿喰う客と近いテイスト?

14日(金)S 『炎の三銃士』ノーコンタクツ@ウエストエンドスタジオ
初見であった前回公演『もののけの姫』に登場したキャラクターの前日譚。単に宮崎アニメを真似るのではなく自分のものとして咀嚼・吸収して昇華させ、世界観、空気感を引き継いだ作品に創り上げているのはお見事

15日(土)M 『夜叉狩斬十郎 〜鬼哭逢魔ヶ淵ノ章〜』梵天ギルド <FU−TEN GUILD>@アドリブ小劇場
前年夏に0 BEAMSによって上演された作品の「エピソード0」。夜叉狩や夜叉もチラチラ顔を出しつつ、宿場での権力を奪おうとするヤクザ者の話が中心な前半から次第に斬十郎と夜叉狩たちのストーリーにシフトして行くというツクリが上手い

15日(土)S 『機械と音楽』風琴工房@王子小劇場
民藝や俳優座が上演したとしても全く違和感のなさそうな脚本が、演出や舞台美術によりいかにも小劇場風に仕上がっているのが面白い。また、登場人物の会話や時折投影される史実から当時のソ連の状況がありありと浮かびあがってくるのも独特

16日(日)S 『賊』劇団6番シード@東京芸術劇場 小ホール1
40人にもおよぶ出演者と大がかりな装置、ダイナミックな演出による見応えたっぷりの痛快ピカレスク・ロマン。「身ぐるみ剥いでも命は奪わず」が信条の「賊」たちが力を合わせ、武力でなく策略によって大きな戦を終結に導くというストーリーがアッパレ

18日(火)S 『SAMURAI7』ネルケプランニング@新宿コマ劇場
『七人の侍』の設定を荒廃した未来に翻案した前半は、原典をそのまま舞台化したのではないことに加えて直接の原作であるアニメを観ていないことが良い方向に作用して頬が緩みっ放し。ほぼ完全オリジナルの後半もよくできており、満足度高し

19日(水)S 『七味まゆ味一人芝居 いきなりベッドシーン』柿喰う客@王子小劇場
冒頭からスピード感満載のマシンガントークのような「柿スタイル」が炸裂。以降演出による間やスローダウン気味のところもありつつ、いつもは大勢によって保たれているあのテンションを1人で小1時間持続させるというのがスゴい

19日(水)S 『玉置玲央一人芝居 いまさらラブシーン』柿喰う客@王子小劇場
『いきなり…』とリンクする女子高生もの。描かれている期間が長いのに上演時間は半分くらいなのでさらにスピード感があって、時の経過の大胆な表現も愉快。また、両作品のキャストが逆だったらとか、他の役者が演じたら、などとも考えて楽しむ

20日(木)S 『誘拐 家族のピース・犯人のゲーム』七色空間@シアター風姿花伝
ある誘拐事件を家族の側から描いた「家族のピース」と犯人の側から描いた「犯人のゲーム」の2バージョンもので、どちらか一方だけ観てもちゃんとハナシは成立しており、しかし両方観ると関連がわかってより楽しめるというシカケが巧み

21日(金)M 『ブレス』東京イボンヌ@新宿村LIVE
ともすれば昼メロのようにもなりかねない(笑)題材を、フランス映画のようなオモムキの、しっとりと落ち着いたコクのあるオトナのドラマに仕上げて見事。「クラシックと演劇の融合」と銘打っている如くクラシック音楽を多用していることも影響しているか?

22日(土)M 『黄金の猿』劇団桟敷童子@ベニサン・ピット
この小屋での公演は最後ということもあってか山本亘や松田賢二も迎えての大作、ダイナミックで土着的な力強さがある演出も従来比増量気味で、大量の本水の使用には度肝を抜かれる。一方、笑える部分も多く休憩込み2時間半超を長く感じさせず

22日(土)S 『夕暮れ放課後ひみつきち』ペテカン@赤坂RED/THEATER
高校生活回顧系ながら単なる「昔は良かった」「懐かしきあの頃」ではなくて「あの頃は二度と戻って来ないんだ…」なホロ苦さもあり、さらにその真っ只中にいる時はそれに気付きもしないなんてところまで描いているのがニクい

23日(日)M 『ArK.』SHAFT@シアターモリエール
VR的風味を加え、科学的に位置も特定できそうという設定の「臨死界」に「なりたかった自分」たる分身がいて、現世に戻るにあたり「それまでの自分」との選択を迫られるというのは面白い着想で、他に映画並みのオープニング映像もなかなか

23日(日)S 『MAKOTO』演劇ユニット SUPER COMPLEX@THEATER BRATS
おカマバーを舞台に性同一性障害もからめており、家族の理解を得ることができないおカマちゃんたちの気持ち・悩みに改めて気付かされ、その道に進もうと決めた青年に自分と同じ後悔をさせないよう気遣うママや先輩たちの姿勢に感動

24日(月)M 『軍艦島 〜負けないみんなの鎮魂歌〜』村松みさきプロデュース@ザムザ阿佐ヶ谷
テレビ番組の取材でかつて暮らしていた軍艦島を再訪することになった旧島民たちとTVクルーを描いて終盤まではそれなりに良くできている人間ドラマだったが、詰めを誤ったというか終盤が安易かつ非現実的なため全体がブチ壊しになったのは惜しい

26日(水)S 『ナリスマス』劇団K助@ウッディシアター中目黒
セオリー通りとはいえ苦し紛れの嘘や勘違いによって事態がこじれたり、奇跡的にピンチをすり抜けたりするのに大笑いすると共に、序盤で巧みに仕込んでおいた伏線が、いざ作用し始めると連鎖反応のように次々と嘘と組み合わさって行くのに感心

27日(木)M 『猫目倶楽部』空間ゼリー@シアターグリーン BIG TREE THEATER
序盤で基本パターンを見せて後半はより大きな悪と対決する構成、欲を言えば基本パターンをもう少し手際よく見せ、後半に重点を置いた方がよりバランスが良いような気もしつつ、テンポ良の良さとコンパクトなサイズによって楽しく観る

27日(木)S・29日(土)M 『風待雑歌 (ノワールキャスト・ルージュキャスト)』O−MATSURI企画merrymaker@シアター風姿花伝
様々なゲームによる「大学内ギャンブル王決定戦」の様相。ゲームの理論・必勝法なども語られ「それってホントか?」とか「自分がその登場人物だったら次の手は…」などと思わせて引き込むのが上手い。後半のブラックなムードも結末により納得

28日(金)M 『マクベスがいっぱい!』CAPTAIN CHIMPANZEE@ザ・ポケット
バックステージ系、親子もの、程度をわきまえた楽屋落ち、と好きなもの3点盛りでほぼ絶賛状態。「演劇ワールドカップ」予選での「マクベス」バリエーションに大笑い、先輩・ライバルの応援や生前わが子を抱くことができなかった守護霊の気持ちにホロリ

28日(金)S 『約三十の嘘』演劇ユニット ぶるどっぐ☆けちゃっぷ@阿佐ヶ谷アルシェ
舞台がオリジナルだけに映画版よりも数段面白く感じる。縦に長い演技エリアを挟んで対面式の客席が2列あるというスタイル、走っている列車をイメージさせる天井に張られたテープ、列車の発車時の電子音により開幕ベルなどにより臨場感もアリ

29日(土)S 『SOLITUDE』SPIRAL MOON@「劇」小劇場
いきなり夫殺害という幕開けと20年近い歳月を経て死者の声が届く設定は意外だったが、時空を超えて肉親の声や想いが届くという肉親愛・親子の絆系なのがやはりここの作品。ラストシーンの照明の色合いのあたたかさも象徴的

30日(日)M 『フライパンと拳銃』フジテレビジョン@東京グローブ座
何でそう安易に登場人物の命を奪うのか? それ相応の悪事を重ねた人物に対してであっても「死」は軽々しく与えるべきではない、と思っている身にとって、ほとんど罪のない人物を殺す必然誠意が感じられず違和感どころか腹立たしさまで憶えてしまう

30日(日)S 『玉青の行方』地球割project@Gallery LE DECO 5
役者が手にした明かり類を消すと真の闇となる空間での立体リーディング。鐘と鈴を句読点のように使いながら、闇のあちこちから声が聞こえ、演技も伴う独自のスタイル。最後に上手奥のドアが開かれた時に射し込む光に浮かび上がる構図が美しい

【LIVE】

8日(土) 東京交響楽団@東京芸術劇場 大ホール
目当てであったエルガーの「威風堂々 第3番 ハ短調」に加えて、バグパイプのソロを伴ったP.マクスウェル・デイヴィスの「オークニー諸島の婚礼と日の出」と、ダイナミックで力強い黛敏郎「饗宴」も面白く、総じて満足

11日(火) CHERRYBLOSSOM@Shibuya O−West(11月の特選LIVE)
3枚のシングル、2枚(インディーズ時代を含む)のアルバムを聴きこんで臨んだが、やはりナマで聴くのは格別で、終盤での「YOUR SMILE」「夕歩道」などが特に胸に沁みる。欲を言えば異なったアレンジなども欲しかったが、それは次回以降に期待か?

16日(日) 読売日本交響楽団@東京芸術劇場 大ホール
スメタナの連作交響詩「わが祖国」全曲演奏会。全6曲のうち「ヴルタヴァ(モルダウ)」以外を聴くのは初めてだったが、それぞれ雄大、勇壮、叙情的とそれぞれ個性があって面白く、特に終盤2曲はダイナミックでもありそこそこ満足

21日(金) 読売日本交響楽団@サントリーホール 大ホール
交響曲2曲に序曲2曲のオール・ベートーヴェン・プログラム、どれもベートーヴェン丸出しでつい頬が緩んでしまう。特に交響曲第8番は中学生時代から聴き込んでいただけに「やっとナマで聴くことができた!」という感慨も附加されて…

25日(火) 瞬間的弦楽四重奏団@鈴ん小屋
「ブランデンブルグ協奏曲第3番 第1楽章」での幕開けに暗示されていたようにクラシックが多く、クラシックも好きな身としてこれも楽しい。第2ステージでのサポートメンバーも交えてデュオからセクステットまでいろんな編成で聞かせる新趣向も◎

【CD】

アルバム
「熊木杏里/ひとヒナタ」「中島美嘉/VOICE」(11月の特選アルバム)を購入

シングル
「アイドリング!!!/「職業:アイドル。」」を購入 ※「11月の特選シングル」は該当なし

【映画】

4日(火) 『容疑者Xの献身』@ユナイテッド・シネマとしまえん スクリーン3
事前情報通り、大学の同期でもある天才2人の頭脳合戦、それぞれの境遇や性格などもそこには練り込まれていて人間ドラマとしての面もしっかりしている上に、逆転の発想と言うか…(ネタバレ自粛)…な真相もよくできていて2時間超の長さは感じず

5日(水) 『その日のまえに』@アミューズCQN シアター2
原作のラスト3編(連作)のかなり忠実な映像化だが、端的に言えば「小説の映画化」ではなく、「小説をベースにした大林ファンタジー」。特にラストに関しては懐石料理をエスニック料理のコックが仕上げたような違和感があり、原作のイメージがブチ壊し

5日(水) 『ホームレス中学生』@アミューズCQN シアター1
不安材料であった設定年齢よりもかなり高い年齢のキャスティングも「芝居のウソ」の範囲内にとどまり、宇崎竜童、田中裕子演ずる夫婦の「なにわ人情譚」的な部分で泣かされ、西野亮廣の予想外の(失礼!)好演もあり、結果的に満足度かなり高し

5日(水) 『ハンサム★スーツ』@ユナイテッド・シネマとしまえん スクリーン5
ある人物の正体も含めてほぼ予想の範囲内の展開ながら、見目麗しい側にもそれなりの悩みがあるとは意外(笑)。ただ、「ブサイク」のみならず「こんな顔は痴漢に決まっている」など、“言葉の暴力”が頻繁に出てくるのはいかがなものか?

17日(月) 『ハッピーフライト』@ユナイテッド・シネマとしまえん スクリーン8
航空関係(空港関係?)の仕事を中心にコメディタッチで描いた前半と軽いパニック・サスペンス風味の後半の対比が良く、予告で観た程度の事前情報しかなかった身として多彩な出演陣にも「あ、この人も出ているんだ」的なサプライズがあって楽しい

17日(月)・20日(木) 『櫻の園 【さくらのその】』@ユナイテッド・シネマとしまえん スクリーン1(11月の特選日本映画)
90年の同名映画の空気感・精神をまんま踏襲した後日譚だが、単なる続編ではなく単体で観てもちゃんと成立する独立した作品である上に、90年版および吉田秋生の原作を知っていれば共通点などを見出すことができて より楽しめるというのが見事

19日(水) 『小森生活向上クラブ』@シネ・アミューズEAST
和製『狼よさらば』だが、どことなくユーモラスなのはお国柄か?しかしユーモラスとは言えかなりブラックで、共感しないことはないがいささかやり過ぎ気味。フィクションとはいえ私人が勝手に処刑するということで『ウォンテッド』と同種のザラつきを憶える

19日(水) 『Happyダーツ』@アミューズCQN シアター3
ひたすらベタなラブコメ系。奇をてらったところなど皆無、オーソドックスで予想通りの展開ではあるもののマンガチックな表現が楽しく、その一方でクライマックスのダーツ大会の場面なぞ意外とスリリングで気軽に観るには最適

20日(木) 『ICHI』@ユナイテッド・シネマとしまえん スクリーン2
主人公が女性であることを除けば黒澤作品などにも通ずるほどの極めてオーソドックスな時代劇で『ピンポン』の曽利監督にしてはずいぶんと正攻法。綾瀬はるか演ずる市に全く違和感がなく、作品世界に見事にハマっているのでそんな風に感じるのか

24日(月) 『俺たちに明日はないッス』@ユーロスペース1
男子高校生3人3様の「性春」体験記(未遂を含む)、時にユーモラス、時に甘酸っぱく、時にイロっぽく、それなりに満足。また、相手役の女優3人もそれぞれ良く、さらに劇団ロリータ男爵の草野イニが30近いのにちゃんと高校生に見えるのがフシギ

24日(月) 『真木栗ノ穴』@ユーロスペース1
「笑ゥせぇるすまん」の如く主人公がどこかで「踏み外しそう」な独特の危うさ・スリルあり。深川監督の前作『狼少女』と同様、劇中設定に加えて、画調と言おうか画面の色合いと言おうか、画面から匂い立つ「モノ」がどこかノスタルジックなのも好み

26日(水) 『ボディ・ジャック』@キネカ大森1
かつて学生運動を「中退」した過去を持ち、今は妻子と無難に暮らしている広告代理店勤務の主人公に武士の霊が憑依するという物語、ツッコミどころは多々あれど、原作ものだけにベースラインが安定していて引き込まれる

26日(水) 『天国はまだ遠く』@シネセゾン渋谷
創作部分によって若干語り過ぎの感あるも、陽の降り注ぐ「たむら荘」周辺の様子が原作を読んで抱いたイメージそのままだったり、終盤のめがね橋のシーンの内容およびカメラワークが良かったり、ユーモラスな味付けも悪くなかったりで結果は満足

【展覧会】

(な し)


【読書】

「その日のまえに」重松清@文春文庫(11月の特選小説)
独立した短編4編とそれらの「その後」エピソードも含んだ連作短編3編という構成が巧みな上に各編ともよくできているが、中でも特に「ヒア・カムズ・ザ・サン」と「文庫版のためのあとがき」に泣かされる

「ジャンピング☆ベイビー」野中柊@新潮文庫
全体的には共感するでもなくしないでもなくフツーだったが結末は悪くなく、また、日米の感覚の違いやペット霊園に関する部分については興味深く読む

【その他】

某劇団スタッフ(遭遇)
ある芝居の公演終演後、アンケートを渡したスタッフから声をかけられ、話をしたら高校時代の同級生のお譲さんとわかって仰天。文字通り腰が抜けそうなほど驚く

「オー!マイ・ガール!!」(TVドラマ)
ベースになっているのが肉親愛なこともあり、毎回泣かされつつ観る。たたでさえそんな内容なのにED曲がコブクロというのはもうトドメ…と言うよりむしろ反則気味?(笑)

「ブラッディ・マンデイ」(TVドラマ)
ベタな表現ながら「毎回手に汗を握るスリルとサスペンス」。それに加えて主要登場人物が多いだけにオールスターキャスト的な出演陣も魅力で、毎週眼が画面に釘付け

(12月の予定)■■■■■■■■■■■■■■■■■■

【芝居】

1日M 『何処かのオムニバスのための四重奏』ニットイット@千本桜ホール
4日S 『アキストゼネコ』チェリーブロッサムハイスクール@ウエストエンドスタジオ
5日M 『レモンスター』散歩道楽@シアタートラム
5日S・9日M 『鈴木家 の はなし #00』and Me@SPACE雑遊
6日M 『鬨、唾棄すべき』劇団海賊ハイジャック@ザムザ阿佐ヶ谷
7日M 『SOLITUDE』SPIRAL MOON@「劇」小劇場
7日S 『スーザンナ・マルガレータ・ブラント』劇団再生@阿佐ヶ谷ロフトA
8日S 『冬の朗読まつり』代読屋@遊庵ねこじゃらし
10日S 『今日も、ふつう。』アロッタファジャイナ@シアターモリエール
11日M 『飴をあげる』こゆび侍@Gallery LE DECO 4
11日S 『八つ墓村』ヘロヘロQカムパニー@前進座劇場
12日M 『軋み』ブラジル@THEATER/TOPS
12日S 『蒼の残光 −BLUE AFTERGLOW−』ACファクトリー@シアターサンモール
13日M 『臥龍頂上伝』カプセル兵団@笹塚ファクトリー
14日M 『幽幻夢想』カプセル兵団@笹塚ファクトリー
14日S 『龍宮物語 〜Ryu−Kyu Story〜』劇団BOOGIE★WOOGIE@d−倉庫
15日S 『プリンで乾杯』劇団競泳水着@王子小劇場
17日M 『夏の夜の夢』劇団たいしゅう小説家@東京芸術劇場 小ホール2
17日S 『チョコと可笑しな宇宙人』YANKEE STADIUM 20XX@アイピット目白
18日S 『Speak of Devil DJANGO III』劇団S.W.A.T!@「劇」小劇場
19日S・21日M 『AchiTION!WS』AchiTION!@しもきた空間リバティ
20日S 『君の心臓の鼓動が聞こえる場所』演劇集団キャラメルボックス@サンシャイン劇場
21日M 『そのどちらかは笑わない』電動夏子安置システム@シアターグリーン BASE THEATER
21日S 『火男の火』TUFF STUFF@シアターアプル
23日M 『あれから』KERA・MAP@世田谷パブリックシアター
23日S 『日本語がなくなる日』北京蝶々@OFF・OFFシアター
25日M 『中野ブロンディーズ』ネルケプランニング@新国立劇場 小劇場
26日M 『黄昏の笑顔』Hotch Potch Theater@小劇場「楽園」
28日M 『proof』コロブチカ@王子小劇場
28日S 『双龍英雄伝』カプセル兵団@笹塚ファクトリー
1月10日M 『風が強く吹いている』アトリエ・ダンカンプロデュース@ル テアトル銀座
1月10日S 『番外 池田屋・裏』グワィニャオン@東京芸術劇場 小ホール1
1月11日M 『動員挿話』三田村組@サンモールスタジオ
1月11日S 『遥かなる時空の中で 朧草子』朧草子舞台製作委員会@サンシャイン劇場

【LIVE】

2日 夢∞現(inchworm、HeKiRaKu、Verriet、beatica、空感)@morph−tokyo
13日 flower voice scene.42(Quinoco、SHUUBI ほか)@FAB 表参道
20日 読売日本交響楽団@東京芸術劇場 大ホール
25日 元ちとせ@中野サンプラザ

【CD】

アルバム「岡本玲/That's Girls Life」
シングル(購入予定なし)

【映画】

『ピョコタン・プロファイル』
『NEW TYPE ただ、愛のために』
『イエスタデイズ』
『トロピック・サンダー 史上最低の作戦』
『デス・レース』
『ラブファイト』
『制服サバイガールI・II』
『青い鳥』
『GSワンダーランド』
『アリア』
『うん、何?』
『猫ラーメン大将』』
『252 生存者あり』
『空へ −救いの翼−』 など

【展覧会】

「ふるさと心景 佐藤弘行展」@清澄画廊

【読書】

「よろづ春夏冬中」長野まゆみ、「東京バンドワゴン」小路幸也 など