|
(遅筆堂ネタふり亭 じべ since 1999.12)
■3月の結果と4月の予定■
下旬にかなりのムチャをしたため、芝居は月間最多を更新する28本(うち半数以上が22日〜31日間に集中)という空前絶後の記録となる。ま、その分、映画が1ケタ本数にとどまっていますが…(爆)
【じべ 2007.4.8】
(3月の結果)
【芝居】
2日(金)S 『ヨロタミステリー オムニ間ス』劇団ヨロタミ@シアターグリーン BASE THEATER ペンションの4つの「間」の宿泊客たちが次第に関連しながらストーリーが進むというスタイルで、バッド・エンディングかと思わせておいて、実は…という2段構えのツクリが巧み
3日(土)M 『ないでこ』グワィニャオン@「劇」小劇場 05年6月の『生きてるうちが華なのよ Re-Living』の凝縮アナザーバージョン。父娘の愛情をゾンビもので描くというミスマッチな取り合わせがいかにも西村太佑作品
4日(日)M 『うなさかのうた 〜海境之謡〜』演劇ユニット金の蜥蜴@ブディストホール 古典作品の口語訳・現代語訳のような感覚が神話・伝説系の題材とうまくマッチしているのみならず、ユーモア、アクション、感動も盛り込むという、他に類を見ないユニークな公演
8日(木)M 『again』TEAM JAPAN SPEC.@シアターグリーン BIG TREE THEATER 事前情報から政治色が濃いかと思いきや、戦勝国主導の軍事裁判の是非に関する台詞などあるものの、裁判ものとしての面白さがメインとなり、スピーディーな演出と相俟って2時間半もの長さを感じさせない上に見応えも十分
10日(土)M 『橋を渡ったら泣け』Bunkamura@シアターコクーン 「重くなりそうな内容ながら、コメディリリーフ的な役割を演ずることの多い役者をメインに起用することでそれが緩和されるというのはキャスティングの妙」というコメントを予め用意していたら、まんまそれが使えて…(笑)
10日(土)S 『R+ UNPLUGGED Vol.1』RAKUENOH plus@ミュージアム東京 幻想譚、コミカルなもの、日常の断片を切り取ったようなものなどバラエティに富んだ「見本市」のような短篇6編で、家族モノに弱い身としては3編目のの母娘の会話と5編目の“モンブラン”に特にツボを突かれる
15日(木)S 『君は人のために死ねるか』野鳩@駅前劇場 リアリティとは程遠く、ベタと言っても過言ではない「演技していますよ」と言わんばかりの表現(動作および台詞回し)がえもいわれぬ雰囲気を醸し出していて、個人的にはクセになりそうなほどハマる
16日(金)S 『煙が目にしみる』ファルスシアター@シアター風姿花伝 今まで大きめの劇場で上演されてきたこの作品を、シアター風姿花伝という小規模な劇場で上演するためのアレンジがほどこされており、ラストシーンの見せ方を筆頭に苦心のあとを見ることができて感心
17日(土)M 『狂想のユニオン』イキウメ@吉祥寺シアター 不可解・不条理な状況の真相が次第に判明してゆき、いよいよ解決か…というところで振り出しに戻るかのようなドンデン返しがあって、最終的には観客の判断に委ねるリドルストーリー的結末がニクい
17日(土)S 『BLUE』30−DELUX@シアターサンモール 随所に得意のアクションがちりばめられているのはもちろん、IKKAN(オフィス★怪人社)を中心としたお笑いもほど良いアクセントになっていて、2時間弱の上演時間がアッと言う間
18日(日)M 『サボテンの花』演劇集団キャラメルボックス@シアターアプル 原作を読んだのは5年以上前でオチしか覚えていなかったので帰宅後ザッと目を通したら、やはりかなり膨らませており、観ていて「いかにもキャラメル」と思ったエピソード2つがオリジナルだったのにニヤリ
18日(日)S 『取調室』U−1グランプリ@THEATER/TOPS コントを単に羅列するのではなく、コント作家のエピソードをブリッジとして使ったり、一部のエピソードがリンクしていたり、アイデアが凝らされていて楽しい
19日(月)M 『There is・・・ そこにあるもの』SORAism company@ウッディシアター中目黒 寿命を取り引きする鬼がいて、鬼 vs 死神になるという発想がユニークで、そんな物語を通して「命の重さ」「本当に大切なもの」などを問いかけてくるのがヨイ
22日(木)S 『口だけの女』柿喰う客@王子小劇場 風俗関係、暴力団関係、それに警察関係の登場人物たちが地方都市で繰り広げる物語、猥雑なエネルギーがあふれるクライマックスや終盤で多用される言葉遊びが印象的
23日(金)M 『リュケイオン』Innocent Sphere@青山円形劇場 引きこもりの更生施設での静かな群像劇ということで、題材、手法とも苦手なタイプではありつつ、客席にもスピーカーを設置してのサラウンド音響や、“ある曲”の生演奏(アレンジも含む)などが良かった
23日(金)S 『他人の不幸』柿喰う客@王子小劇場 ラスト近くで登場人物全員(劇中の死亡者も含む)を舞台にあげてそこまでの物語を公開バラエティ風に総括するという手法に度肝を抜かれる。また、前日の『口だけの女』とは真逆のハッピーエンドというのが意外と言えば意外
24日(土)M 『おたのしみ』ラックシステム@ザ・スズナリ 途中から悲劇のニオイを漂わせたりすることもできるのだけれど、敢えてそうせずにハッピーな流れにしたのはいかにもここの芝居。使い込まれた木製品のようなあたたかさ、やさしさ、やわらかさがあって好き
25日(日)M 『TOMMY』キョードー東京@日生劇場 かつてオリジナル・アルバムを聴き込み、映画版も観た身にとって、曲のごく一部を聴いただけで記憶の底からあれこれが瞬間解凍されたかのように鮮やかに蘇ってくるのがとても嬉しかった
25日(日)S 『千歳月』アップフロントワークス@シアターグリーン BIG TREE THEATER 時空超越&輪廻転生型めぐり逢い系ストーリーとして既視感があることは否めないが、好きな傾向の物語であった上に、目当ての邑野みあがヒロインで予想以上に出番が多かったので満足度高し
26日(月)M 『雲丈郭』ひげ太夫@麻布 die platze いつもながらの「装置や背景まで役者が表現する」手法+組体操に加えて、今回は終盤での照明効果も印象的。燃えさかる炎を役者の身体表現と照明による表現とのコラボで見せたのが特に見事
26日(月)S 『青春荘の人々』ペテカン@THEATER/TOPS 「今ひとつまとまりに欠けるのでは?」と思っていたら、終盤にちゃんと山場を持ってきて(ここの長峰稔枝が絶品)、キチンと落としどころに着地させていたのには感心
27日(火)M 『サバンナの掟』柿喰う客@王子小劇場 ホントに不道徳で乱暴な作品ながら、抑えきれないナニカがほとばしり出てしまいました、な感覚が不思議な魅力。また、毎回アフタートークがあって、作品の背景やら何やら裏話が聞けたり質問できたりというのもイイ
27日(火)S 『妻の家族』ラッパ屋@紀伊國屋ホール 実に巧みな語り口によってグイグイ引きこまれて、あは、あは、などと笑っているうちに2時間が過ぎてしまう。前回公演『あしたのニュース』も良かったけれど「ラッパ屋らしい」という点ではこちらの方に軍配か?
28日(水)M 『ラーメン物語』カートプロモーション@ブディストホール 基本はグルメ系ながら、生き別れた三姉妹の再会ネタなどもありつつ、比較的予定調和的に話が進み、もう一波乱くらいあっても良いのでは?と多少の「喰い足りない」感なきにしもあらず
28日(水)S 『なつのしま、はるのうた』椿組@「劇」小劇場 戦争を直接は描かず、がしかし戦争によって影響を受ける一家を描くことで間接的に反戦を訴える手法がジワジワと心に沁みる。また、終盤で歌われる「寿歌」がやさしくて、ちょっぴりホロリ
29日(木)M 『SOUL FLOWER』ASSH@ザ・ポケット 歌姫の失踪を発端に、やがて富裕層と下位層の確執が見えてきて…というストーリー、クライマックスでの911テロ肯定的な部分がちょっとひっかからないでもないけれど、「新創世記」的な感覚は好き
30日(金)S 『カバディ』劇団Peek−a−Boo@東京芸術劇場 小ホール2 終盤の試合シーンの見せ方とその結果の巧みさに感心していたら、その後のエピローグの優しさに大泣きさせられる。まさに武末戯曲の真骨頂で、満足度は非常に高い(3月の特選芝居)
31日(土)M 『はなと5つの願い』劇団やったるDAY!@ウエストエンドスタジオ 突然の弟の出現に戸惑いながらも次第に打ち解けてゆく主人公と、それを温かく見守る周囲の人々を丁寧に描いているのがジワジワ効いていて、クライマックスでは積もり積もった涙で堤防決壊
【LIVE】
8日(木) サディスティック・ミカ・バンド@NHKホール 「黒船」でのオープニングからしばらく懐かしいナンバーが続き、気分は一気に30年余をタイムスリップ。「旧SMB+木村カエラのハイブリッド」な新曲も面白く、2時間がアッと言う間に過ぎる
20日(火) 読売日本交響楽団@東京芸術劇場 大ホール 前半のベートーヴェン「運命」は妙にテンポが速くて今一つピンと来なかったが、後半のブラームス交響曲第1番では「ドイツ製の精密機械」のように緻密な音の構成を堪能
24日(土) 榊いずみ@下北沢440 基本的には本人とサポート1名のギター2本がバックで、ゲストにかつてサポートを務めていた中野督夫(g)を迎えて、というスタイル。うんと初期のナンバー(当時のLIVEでの定番曲も含む)も少なからずあって懐かしかった
29日(木) 高橋瞳@Shibuya O−West 以前のようにタメ口のMCではなくなったのがちょっと残念(オトナになったのか?)ながら、相変わらず歌唱・進行とも堂に入ったもの。アンコールに元JUDY AND MARYのTAKUYAが登場したのも嬉しい
31日(土) 玉置成実@中野サンプラザ ベストアルバムからの選曲が中心なので「最初から最後まで徹底してクライマックスだ!」というモモタロスのような内容に瞬く間に2時間が過ぎ去る。久々の生バンドによるバックや14人ものダンサーなどホールだと気合が違う?(笑)(3月の特選LIVE)
【CD】
アルバム 「CoCo/MYこれ!クション CoCo BEST」(3月の特選アルバム)「ZABADAK/回転劇場」「長澤奈央/愛体 −SEASON I−」「OLIVIA inspi’REIRA(TRAPNEST),ANNA TSUCHIYA inspi’NANA(BLACK STONES)/NANA BEST」「latimeria Chalumnae feat.Ryo Shiina/starbow」を購入
シングル 「上戸彩/way to heaven」(3月の特選シングル)「玉置成実/CROSS SEASON」を購入
【映画】
1日(木) 『エクステ』@シネマサンシャイン2番館 園子温監督作品というよりも東映のホラー映画という要素が強いのが面白い。また、大杉漣のヤバい人ぶりを筆頭に、光石研、山本浩司、つぐみ、田中哲司など、バイプレーヤーたちが印象的
1日(木) 『素敵な夜、ボクにください』@シネマート新宿 スクリーン2 『シムソンズ』の二番煎じとの感は免れ得ないが、カーリング自体の面白さに恋愛ドラマの要素も加えて差別化を図って成功。最後の試合の後の展開が特に良い
2日(金) 『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』@ユナイテッド・シネマとしまえん スクリーン2 17年前にすでに「アレ」があったの? なクライマックスに目をつぶれば、ホイチョイ流のバック・トゥ・ザ・フューチャー、いかにもホイチョイな楽天的かつノーテンキなハッピーエンドも含めてなかなか楽しい
4日(日) 『聴かれた女』@ポレポレ東中野 物語の組み立てとその語り口が非常に巧みな上に主要人物の演技・セリフ回しなどがとても自然で、「そう来ましたかぁ」と納得させる結末までダレることなく一気に観ることができて満足度高し(3月の特選日本映画)
8日(木) 『僕の彼女とその彼氏(ゆうれい) Drop in Ghost』@渋谷シネ・ラ・セット 描きたい物語は分かるし、それどころかキライではないけれど、どうも全体としてはテンポが悪かったりメリハリがなかったりで今一つキリリとしないという感が拭い去れず
9日(金) 『エンマ enma』@Q−AXシネマ1 部分部分は分かるがよく考えるとツジツマが合わず、全体としてはヘンじゃね?との疑問を(やや強引ながら)納得させて終わるのはイイが、ズルいというか消化不良というか「イマイチ感」があるのは否めない
16日(金) 『約束の地に咲く花』@渋谷シネ・ラ・セット 語り口が不親切で提示されるシーンの断片を有機的に結び付けにくい上に、同録の台詞がバックのノイズに埋まって聞き取りにくい部分もあって、結局何が言いたいのか?何を表現したかったのか?な状態
16日(金) 『虹色★ロケット』@下北沢トリウッド 監督や出演者・スタッフの大半が撮影当時(2006年3月)高校生だった(!)ということで、非常にリアルな上にヴィヴィッド、それでいてツッコミどころはあれど、全体的な完成度は高い
19日(月) 『ケータイ刑事 THE MOVIE2 石川五右衛門一族の陰謀〜決闘!ゴルゴダの森』@新宿トーア しょーもない、ツッコミどころ満載の作品ではであるが、個人的にはかなり好き。1作目がテレビシリーズのスペシャル版的内容だったのに対して、本作ではオリジナルの長編ストーリーに挑んだのも○
【展覧会】
(な し)
【読書】
「黄色い目の魚」佐藤多佳子@新潮文庫 絵を通じて次第に距離を縮めて行く主人公2人の歴史を「冷静と情熱のあいだ」のようにそれぞれの視点で綴る連作短篇で綴る手法が巧みで、かなりひきこまれる(3月の特選小説)
「水の繭」大島真寿美@角川文庫 二章構成で全体的に女流作家らしい優しさが漂う中、超自然的な部分も経て自然の猛威をクライマックスに置く構成が見事。奇しくも解説が「黄色い目の魚」と同じく角田光代だったり…
「檸檬のころ」豊島ミホ@幻冬舎文庫 複数の主人公を持ちリンクしあう連作短篇集。高校生活での出来事をいろいろな角度・立場から描いていて読みやすい。一部のエピソードを抜粋して脚色した映画版にも期待
【その他】
CD台本(芝居物販) PCにセットしてブラウザで読む台本。「Ctrl+F」により検索ができる利点があるのみならず、オープニングテーマも収録するというスグレモノ。今後のトレンドになるか?
アパッチナイトフジ(深夜番組) 往年の「オールナイトフジ」のニオイがプンプンするのみならず、拙者ムニエルや猫のホテルが寸劇を披露するコーナーまであって楽しかった。レギュラー化を切望
(4月の予定)
【芝居】
1日M 『帝の音、夜に華やぐ怒り…』グワィニャオン@シアターモリエール
1日S 『Aくんメモ』グワィニャオン@シアターモリエール
4日S 『R+ Meeting』RAKUENOH plus@東京芸術劇場 小ホール1
5日M 『Doctor 〜神の描いた設計図・アインシュタイン〜』One on One@王子小劇場
5日S 『アリスの愛はどこにある』G−up presents@新宿FACE
7日M 『HOME or AWAY?』0 BEAMS@スタジオ・シアター「スパーク1」
8日M 『君がくれたオレンジ色の嘘』物語ユニット・K助@銀座小劇場
13日S 『メイド喫茶の神様』楽屋プロジェクト@シアターVアカサカ
14日M 『まつさをな』演劇集団キャラメルボックス@サンシャイン劇場
14日S 『悪の唄 もしくは 正義の唄』Neo Mask@萬スタジオ
15日M 『ジューゴ』TEAM 発砲・B・ZIN@本多劇場
15日S 『あいあい傘』東京セレソンDX@シアターサンモール
20日M 『メトロノウム』DMF@ザ・ポケット
20日S 『ATT LIVE4』ATT@国立オリンピック記念青少年総合センター・カルチャー棟小ホール
21日M 『0:44の終電車』劇団6番シード@東京芸術劇場 小ホール1
22日M 『龍宮物語 〜Ryu−Kyu Story〜』劇団BOOGIE★WOOGIE@麻布 die platze
24日S 『ドリル魂 〜ガ・ガ・ガ・ガ・ガ〜』扉座@紀伊國屋ホール
26日S 『世にも不思議な死神裁判』MK−Box@シアターグリーン BOX in BOX THEATER
27日S 『ファーストミッション』SORAism company@アートスペースプロット
28日M 『AM2:02』天然工房@シアターグリーン@BIG TREE THEATER
29日M 『春の発砲まんがまつり』TEAM 発砲・B・ZIN@本多劇場
30日M 『光あれ!』劇団離風霊船@ザ・スズナリ
【LIVE】
7日 東京交響楽団@ミューザ川崎シンフォニーホール
8日 ニュー・トロルス@CLUB CITTA’
21日 篠原美也子@Shibuya O−East
28日 HIGH and MIGHTY COLOR@Shibuya O−East
【CD】
アルバム「黒川芽以/10 sprout」「榊いずみ/Family Tree」「ラフマニノフ/交響曲&ピアノ協奏曲全集」 など
シングル「高橋瞳/キャンディ・ライン」 など
【映画】
『渋谷区円山町』
『クローズ・ユア・マインド 馬熊横丁』
『蟲師』
『檸檬のころ』
『世界はときどき美しい』
『大帝の剣』
『キトキト!』
『口裂け女』 など
【展覧会】
(予定なし)
【読書】
「きよしこ」重松清、「LAST」石田衣良、「楽園のつくりかた」笹生陽子など
|
|