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(遅筆堂ネタふり亭 じべ since 1999.12)

■9月の結果と10月の予定■

芝居は20本とほぼ今年の平均ペースなことに加えて映画も勢いを盛り返して今年の3位タイの19本だったが、その分、LIVEは今年最少の3本

 【じべ 2006.10.6】

(9月の結果)

【芝居】

1日(金)M 『プレイヤー』イキウメ@サンモールスタジオ
失踪者から伝わる奇妙なメッセージを発端に、死とはなにか?などというところまで行き着く物語は“心の奥底にある不安”を揺さぶるようで黒沢清や園子温の映画を連想

1日(金)S 『オムニバス of OiOi vol.2』Oi−SCALE@駅前劇場
エレベーターを題材とした4人の作家による競作だが、奇しくもシュールな不条理系というテイストが共通してしまい、似たもの同士のようになってしまったのは残念

2日(土)M・S 『魔王降臨 Evil SIDE・Live SIDE』R:MIX@新宿FACE
抗争の二面性を表現すべく、両軍の視点から2バージョンで描く骨太で壮大な架空の歴史ドラマ。前作『魔界の都』の直後から始まるEvil SIDEが先だったのもラッキー!

3日(日)M 『百鬼夜行抄2』花組芝居@博品館劇場
3年前の正編と比べて笑える場面の配し方もほど良くなって、よりバランスがとれてきた感じ。木の枠を蝶番で繋ぎ臨機応変に場面を表現するという舞台装置も面白い

9日(土)S 『魔界転生』松竹@新橋演舞場
平山監督の映画版に比べて、魔界衆との闘いのみならず事の発端からキチンと描いており物語として面白く、休憩40分込み3時間25分がアッと言う間に過ぎ去る

10日(日)M 『スウィート・チャリティ』フジテレビジョン@ル テアトル銀座
いかにもブロードウェイ・ミュージカルな第1幕、凡庸なラブコメと思いきや意外なオチになる第2幕それぞれに楽しく、初ミュージカルにして主演の玉置成実も良くて満足

12日(火)S 『泥棒役者』劇団たいしゅう小説家@東京芸術劇場 小ホール2
多少のムチャやドタバタもあったが、さり気なく配した伏線の活かしかたが上手く、主要4人(きたろう、片桐仁、ムロツヨシ、上野なつひ)の演技合戦も見所

16日(土)M 『第八回 全国安産大会』Last Brand@アイピット目白
タイトル先行型らしいナンセンス・コメディだが、散りばめられた各種小ネタからラストの力技のオチまで意表を突かれっ放しな上にチラリと母性愛なども描かれていて満足度は高い

16日(土)S 『いとしのエミー』PLAYMATE@THEATER/TOPS
初演時同様連作短編のように感じつつ、かつての同級生たちの共同生活も面白そうだなと思ったり、エミーの真意はどこにあったのか?と考えたりしているうちに2時間近くが過ぎ去る

17日(日)M・S 『ワルツ 〜隣の男〜』『立待月 〜隣の女〜』東京タンバリン@三鷹市芸術文化センター 星のホール
思ったほどには背中合わせの装置で2作同時上演の効果が発揮されていない上に『ワルツ』は実験的な手法が裏目に出たようだったが、『立待月』は女性のコワさが表現されていて面白かった

18日(月)M 『カルネアデスの青』魔女の巣@SHINJUKUMURA−LIVE
客席の真ん中に柱が3本もあるという構造を逆用してマストに見立てた装置とたたき上げの教官(『愛と青春の旅立ち』を連想)を演じた山本哲也の演技が特に印象的

22日(金)S 『Cat in the Red Boots』新感線☆NEXUS@東京グローブ座
「長靴をはいた猫」をベースに新旧のお伽噺をあれこれ取り入れ、休憩込み3時間弱の娯楽作品に仕立てたのはやはり上手いと思うが、若干マンネリ気味の感もアリ

24日(日)M 『ちんどん 〜アカンときこそ、笑わんまいけ♪〜』新宿芸能プロデュース@THEATER BRATS
前回公演と同工異曲なのはまだしも、ストーリーの流れが2つあって虻蜂取らずになってしまったのは残念。とはいえ、この芝居のために一から稽古したというちんどん屋の生演奏は見事

24日(日)S 『5 −FIVE−』OFFICE BLUE@「劇」小劇場
かつて観た作品の若手公演だが、同じホテルの別の部屋でのストーリーがリンクしているツクリとか、夢野久作の「ドグラ・マグラ」などを想起させる構造とか、やはり面白い

28日(木)S 『ピースケ祭り』劇団やったるDAY!@ウエストエンドスタジオ
「秘密基地」や「お祭りの夜」などノスタルジックなネタもありつつ、「友だちってイイな」なテーマが前面に押し出された佳作。少年を演じた女優たちの演技も○(9月の特選芝居)

29日(金)S 『D.ミリガンの客』オイルサーティーズ@ザ・ポケット
探偵のいない(どころか事件も起こらない)推理もののような感覚で、前半はコメディ色が濃いが、かすかな糸口からミッシングリンクが見え始め、次第に全貌が明らかになってゆく後半はゾクゾク

30日(土)M 『ブルーバーズ・ブリーダーズ』ヨーロッパ企画@ザ・スズナリ
よく言えば非常に実験的な舞台、しかしてその実態はまとまりがなく節度もないゴチャゴチャガヤガヤのタレ流しで、70分にまとたのではなく、まとまらないので70分で切りあげたという印象

30日(土)S 『幽幻夢想 臥龍頂上伝2』カプセル兵団@笹塚ファクトリー
従来のアクションに加えて「復讐・報復の応酬は無意味であり、憎しみの連鎖は絶たねばならない」という主張やロミジュリ的なロマンスなども取り入れて、よりドラマ性が増した感じ

【LIVE】

3日(日) 土屋アンナ@CLUB QUATTRO
MCがほとんどないばかりでなく、2回もある衣装換えの時の繋ぎかたやアレンジなど、ライブパフォーマンスとしては今後の課題山積み?

15日(金) 久松史奈@初台DOORS
新アルバム中心の選曲かと思いきや、逆に初期のシングル曲が増えていたりしたのは嬉しい誤算。しかし、昨年11月以降、回を増すごとに往年の曲が増えるって、普通と逆行では?(笑)

23日(土) 高橋瞳@SHIBUYA BOXX
ほぼマンスリーという頻繁なLIVEなのにマンネリにならないよう毎回趣向を凝らしているのには感心するが、今回は咽喉の調子が良くないようだったのが残念

※ 「9月の特選LIVE」は該当なし

【CD】

アルバム
「奥田美和子/君を想う」「熊木杏里/風の中の行進」「ハレンチ☆パンチ/Doki Doki!ファースト☆パンチ!」「久松史奈/EGG ON TOAST」「久松史奈/MUSHROOM」

「空感/創」(9月の特選アルバム)
インディーズでのデビューアルバムながら、ライブ経験に裏打ちされているので完成度は高い。ミニ・アルバムで5曲のみというのが残念

シングル
「ELLEGARDEN/Space Sonic」「奥田美和子/BORN」「GAM/Thanks!」「長澤奈央/ラブボディIII」「HIGH and MIGHTY COLOR/DIVE into YOURSELF」「YUKI/ふがいないや」

「山田優/REAL YOU」(9月の特選シングル)
沖縄アクターズスクール出身でダンス・ポップ・ユニットのメインヴォーカルとしてデビューした過去も持つだけに伸びやかな歌声がノリのイイ楽曲によくマッチしていて○

【映画】

1日(金) 『轟轟戦隊ボウケンジャー THE MOVIE 最強のプレシャス』/『劇場版 仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE』@ユナイテッド・シネマとしまえん シネマ9
『轟轟』:TV版をちょっとグレードアップして「いつもより火薬を多く使っております」状態なのに加えて映画版ならではのゲストも迎えて手堅い
『仮面』:軌道エレベーターなどSFゴコロをそそるモノを出していながら、広げた風呂敷をクシャクシャにして箪笥に押し込んだような結末は何?

7日(木) 『M:i:III』@T・ジョイ大泉 シネマ2
「鼻から脳へ爆弾挿入」「不自然な飛ばされ方」などツッコミどころも少なからずあり、しかも舞台が世界各地に飛ぶために長いのは困ったモンだ

7日(木) 『マスター・オブ・サンダー 決戦!!封魔竜虎伝』@シネマート六本木 スクリーン2
冒頭の6分余の長回しアクションシーンとそれ以降のアイドル映画風のユルさの落差で評価は分かれると思うが、個人的には支持。クライマックスでもう少し若手をフィーチャーすれば、もっと良かったのに…

7日(木) 『おいしい殺し方』@シネマGAGA!
犯罪ドラマとしてはメインのトリックはともかく、副次的な事件処理が杜撰・大雑把・やっつけだが、いかにもケラらしいひたすらナンセンスな笑いに身を委ねる

8日(金) 『幻遊伝』@Q−AXシネマ1
冒頭のアクションと序盤の展開は面白かったが、中盤の逃避行的な部分で失速した感アリ。終盤で現れる悪役をもっと早くから登場させた方が良かったのでは?

8日(金) 『真夜中の少女たち』@渋谷シネ・ラ・セット
同じ高校・同じクラスの女生徒5人のそれぞれに忘れられなくなるであろう一夜を描いた4話オムニバス。第4話のラストでそれまでの3編も含めて締めくくるのが上手い

12日(火) 『グエムル 漢江の怪物』@ユナイテッド・シネマとしまえん シネマ5
部分部分は良くできているのだが、細かいところが杜撰で全体としてはチグハグ。とはいえ「廃棄物13号」似のクリーチャーデザインと映像技術は非常に見事

14日(木) 『東京フレンズ The Movie』@ユナイテッド・シネマとしまえん シネマ6
ドラマ版を観ていなくても経緯が分かる回想シーンのはさみ方と、ライブ場面の臨場感あふれる音響設計が秀逸なばかりでなく、芝居、LIVE、ドラマも好きな身にはネタの宝庫で、大いに楽しむ

14日(木) 『アキハバラ@DEEP』@ユナイテッド・シネマとしまえん シネマ6
序盤の大胆な省略には感心したが、デジキャピを悪者にすべく必要以上に暴力組織の如く描くのは芸がないし、中込を俗物にし過ぎていることにも失望

20日(水) 『パビリオン山椒魚』@シネセゾン渋谷
主な登場人物とその関連を前半でキチンと説明しないために、途中から次第に物語が意味不明になって行くのは惜しい。また、奇をてらった編集も効果があるかどうか疑問

20日(水) 『日本以外全部沈没』@シネセゾン渋谷
原作が短編なので大きく膨らませたのは上手いと思うが、外人妻ネタなどひっぱり過ぎて中だるみした感アリ。さらに半端に原作を生かしたために矛盾する部分などありイマイチ

21日(木) 『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』@T・ジョイ大泉 シネマ3
メインのターゲットをちゃんと意識して、しかし子供騙しではなく、その保護者たるオトナたちも十分に楽しめる内容にしているのはさすがに老舗、上手い!

21日(木) 『花田少年史 〜幽霊と秘密のトンネル〜』@T・ジョイ大泉 シネマ8
「陽気な『シックス・センス』ユーモア添え」な雰囲気の中、家族の絆・親子の情を中心に据えたストーリーに大いに笑い、予想以上に泣かされる。また、さり気なく豪華なキャストもそれぞれハマっていてイイ!(9月の特選日本映画)

23日(土) 『ヅラ刑事』@シネクイント
刑事ドラマのセオリーに則ったベタなツクリ・展開・演出に、しょーもないギャグやおバカネタ(ただしセンスは良い)を散りばめて、テンポ良く進むのが心地良い

27日(水) 『バックダンサーズ!』@ユナイテッド・シネマとしまえん シネマ1
ベタで定石通りの展開は気にならなかったが、ところどころが杜撰なのはいただけない。が、ホロリとする部分も少なからずあり「玉石混淆」…ってか、プラス要素の方が多いので「玉に瑕」というところか

27日(水) 『ラフ』@ユナイテッド・シネマとしまえん シネマ2
3年間にわたるストーリーを2時間に圧縮したために総集編のように飛び飛びの物語について行くのが精一杯で、登場人物に感情移入したり共感を持ったりする余裕など皆無…

30日(土) 『海と夕陽と彼女の涙 ストロベリーフィールズ』@シアター・イメージフォーラム シアター2
キャストが魅力的で、「急に逝った者が遺した想い」という基本的には好きなテーマの物語でもあったが、細かいところが杜撰で興をそがれてしまうのが玉に瑕

30日(土) 『夏音 −Caonne』@下北沢トリウッド
わかることはわかるけれど、いかにも自主映画的な感覚で、どこか痒いところに手が届かない、みたいなもどかしさがあるのはもったいない。部分部分イイところもあるだけに惜しい

※ 「9月の特選外国映画」は該当なし

【展覧会】

29日(金) ペルシャ文明展 煌く7000年の至宝@東京都美術館企画展示室
動物の形をした土器のデザインの面白さ(&見事さ)に感心したり、金や銀の装飾品のシブい輝きに見とれたりしているうちに90分が過ぎ去る

【読書】

「ぶらんこ乗り」いしいしんじ@新潮文庫
前月最後に読んだ「小春日和」と設定に似たところがあり、読みながら記憶が混乱してしまう…(爆)

「まぼろし曲馬団 新宿少年探偵団」太田忠司@講談社文庫
感動や感銘とは全く無縁(笑)ではあるが、江戸川乱歩を現代風に焼き直して陰陽師風味も加えた感覚で非常に読みやすく、2日間で読了

「アキハバラ@DEEP」石田衣良@文春文庫
先に観ていたTVドラマの1・2話は意外にもかなり原作に忠実であったことを知り、また主要人物の配役も的確であったことに驚く

「夜のピクニック」恩田陸@新潮文庫
主要な2人を交互に描くスタイルと読みやすい語り口が巧みな上に、「おまじない」の終盤でのタネ明かしがよくできていて非常に満足(9月の特選小説)

【その他】

「逃走中」(深夜番組:単発)
今回は舞台を渋谷から見晴らしのいいお台場に変えて。毎度ながら、観ているだけなのに参加者に感情移入してハラハラドキドキできて楽しい

「先生道」(深夜ドラマ:単発)
「スパイ道」と同趣向の短編オムニバス。基本的にはナンセンスで、「スパイ道」からの続編(!)もあったりするのにバカウケ!

(10月の予定)

【芝居】

5日M 『ああ、まつむら』帰ってきたゑびす@「劇」小劇場
5日S 『双魚』七里ガ浜オールスターズ@OFF・OFFシアター
7日M 『キズ絆 KIZU−BAN Special Edition』劇団ノーティーボーイズ@ザ・ポケット
7日S・9日M 『剣狼 −KENROH−』X−QUEST@東京芸術劇場 小ホール1
8日M 『九回表、晴れ。』TEAM「JAPAN Spec.」@ブディストホール
8日S 『じゅわっと』円谷劇団@博品館劇場
13日M 『ヒマラヤ頭巾団』ひげ太夫@ザムザ阿佐ヶ谷
14日M 『マジヨ』TEAM 発砲・B・ZIN@SPACE ZERO
15日M 『遭遇、』劇団、本谷有希子@青山円形劇場
21日M 『イヌノハナシ』RIGOLO@千本桜ホール
21日S 『33(さんじゅうさん)』劇団芝居屋@ウッディシアター中目黒
22日M 『UNIVERSE IS MINE』0 BEAMS@ウエストエンドシアター
22日S 『本能G』やぶさめハンサムボーイズ@麻布 die platze
27日S 『さらば、愛しのプレミア・ホテル』Premier☆Million☆Carats@シアターグリーン BOX in BOX THEATER

【LIVE】

14日 東京交響楽団@東京オペラシティ コンサートホール
20日 相馬裕子@Shibuya DUO
29日 篠原美也子@Shibuya O−West

【CD】

(購入予定なし)

【映画】

『フラガール』
『夜のピクニック』
『マイアミ・バイス』
『UDON』
『スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ』
『シュガー&スパイス 風味絶佳』
『涙そうそう』
『オトシモノ』
『紀子の食卓』
『ザ・センチネル −陰謀の星条旗−』
『16ブロック』
『親指さがし』
『ストロベリーショートケイクス』
『ロフト』
『ベルナのしっぽ』
『いちばんきれいな水』
『9/10 ジュウブンノキュウ』
『地下鉄に乗って』 など

【展覧会】

特別展「仏像」@東京国立博物館 平成館

【読書】

「1985年の奇跡」五十嵐貴久、「天然理科少年」長野まゆみ、「プールサイド」佐倉真呼、「バッテリーV」あさのあつこ など