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(遅筆堂ネタふり亭 じべ since 1999.12)
■2月の結果と3月の予定■
芝居17本、映画20本(ともに延べ本数)、LIVE6本と勢い衰えず。しかもただ数が多いだけでなく質も高くて、今年は当たり年?
【じべ 2006.3.11】
(2月の結果)
【芝居】
2日(木)M 『DRAGON BOWL』TOON BULLETS!@シアターグリーン メインホール 出だしにいささか強引な部分があるが、そこに片目をつぶれば誤解が誤解を呼ぶ王道コメディにさまざまなアイデアを付加しており愉快愉快
2日(木)S 『南獣トウゲ』ひげ太夫@麻布die platze 背景や装置も“演じる”手法は他でも見たことがあるが、予想外なものまで演じたことに驚嘆かつ感心。また、劇中で組体操を効果的に使うのは見事さらに、エンディングで映画のようにNG集・メイキングを見せるというアイデアには脱帽!
4日(土)S 『あしたのニュース』ラッパ屋@THEATER/TOPS 1月に続き2度目の鑑賞。一言で言えば「横綱相撲」、非常に安定感のある芝居に大変満足。また、映画のそれを想起させるエンディングの見せ方も○
5日(日)M・S 『ラブハンドル』PARCO+サードステージ@PARCO劇場 中谷まゆみ脚本の前作『お父さんの恋』は今ひとつ好みに合わなかったが、今回はずばりド真ん中。笑えて泣けて休憩込み3時間弱がアッと言う間
10日(金)S 『あなたはロボット』TOMOTAKAプロデュース@ザムザ阿佐ヶ谷 手塚治虫トリビュート風の物語に笑いと涙、スリルとサスペンスを盛り込みながらも100分余にまとめ、さらに生歌も使うなど、非常に見事
12日(日)M 『赤月夜』演劇ユニット金の蜥蜴@アドリブ小劇場 能の題材と小劇場系の手法の邂逅、というスタイルが独特で面白かったが、能をもっと知っていればより楽しめたのではないかと思うとちょっと悔しい
12日(日)S 『WEL−COME to パラダイス』劇団たいしゅう小説家@東京芸術劇場 小ホール2 キャラメルボックスとキャラメル客演経験者が2名ずついるためか、時折キャラメル臭を感じる。終盤の生演奏は良かったが、一体化しているという意味では『あなたはロボット』に軍配か?
14日(火)S 『デビルマン 〜不動を待ちながら〜』HOTROAD@アイピット目白 徐々に昂まる緊迫感の中で「生きる意味」「人とは?悪魔とは?」などが問いかけられるのでヘヴィーではあったが、観終わって心地良い疲労感が残る
16日(木)S 『博物館のホネ』山本正之プレゼンツ@SPACE107 やりたいことは判らないでもないが、いろいろ盛り込みすぎて雑然としたというか焦点が定まらないというか、ダラダラと長いだけのような印象
17日(金)S 『選ばれなかった男』ZIPANGU Stage@シアターシャイン 若干(芝居の嘘としても)無理な部分はあったものの、コンパクト(80分程度)にまとめてあり程よく、タイトルに仕掛けられた罠にまんまと騙される
18日(土)M 『泥花』劇団桟敷童子@ザ・スズナリ ケレン味を排して描く桟敷童子流“昭和庶民伝”。非常にリアリティがあるためにかなり感情移入してしまい、終盤では涙を抑えきれず…(2月の特選芝居)
18日(土)S 『賢治島探検記』演劇集団キャラメルボックス@シアターモリエール エピソードを差し替えていたり、日替りゲストコーナーなどがあったり、さらには劇場サイズに合わせて演出も変えていたりで初演とはまた違った印象
19日(日)M 『桜飛沫』阿佐ヶ谷スパイダース@世田谷パブリックシアター 過去に観た長塚圭史作品(2作)は、暴力・グロなどで今ひとつピンと来なかったが、今回は時代劇なのでそれも緩和され、さらに様式美も加わり見事
23日(木)S 『ぎょもんが4』tsumazuki no ishi Bootleg@サンモールスタジオ オムニバス形式だが、中心となる4本をもう1本がつなぐというスタイルで、装置の転換やらなにやらも芝居仕立てで見せてしまうのが面白い
25日(土)M 『ヨロタムニバス』劇団ヨロタミ@ウッディーシアター中目黒 3編のオムニバス。女優の作・演出によるしっとり・しみじみした2編でメイン作家のバックステージコメディを挟むという構成が巧く、満足度高し
26日(日)M 『John and Jane Doe Company』エレファント・ムーン@タイニイ・アリス 仕事柄死体に慣れている面々が殺人を犯すコワさと、その後の“取り返しのつかないことをしてしまった感”とで、観終わってかなり重い感覚が残る
【映画】
1日(水) 『ミラーマン REFLEX』@渋谷シネ・ラ・セット いかにも小中兄弟(千昭脚本、和哉監督)な作品で、古文書なども絡めたその世界観が独特で面白い。なお、往年のTVシリーズは未見
1日(水) 『BLACK KISS』@Q−AXシネマ2 「多重人格探偵サイコ」を想起させるドギツい猟奇連続殺人ものながら、クライマックスに意外にもホロリとさせる部分があって評価アップ
1日(水) 『ピーナッツ』@Q−AXシネマ1 「CGなどに頼らずすべて実写で」という内村監督の意気込みを聞いたりして、かなり高まっていた期待をも十分に上回る上出来作品
1日(水) 『TAKI183』@Q−AXシネマ1 4人の旬な男優(塚本・村田・忍成・窪塚)と1人の美少女(加藤)というメインキャストが魅力的なのに加えて、無音の使い方と回想シーンの挿入の仕方が実に巧い
3日(金) 『疾走』@ユナイテッド・シネマとしまえん シアター1 原作モノであるためか、従来のSABU監督作品とは色合いを異にするような感じ。内容も“暗い方の重松清”なので、どちらかと言えば苦手な部類
8日(水) 『博士の愛した数式』@テアトル池袋 先に原作を読んでいたにもかかわらず、さほど違和感はなく、むしろ寺尾聰などイメージ通りな感じ。ただ、結末が原作に比べて妙に甘いのは抵抗がある
8日(水) 『MAMAN』@テアトル池袋 ハッキリ言って“やおい映画”で企画意図その他疑問だらけではあるが、松平健を筆頭に豪華なキャストが“そんな映画”に出演したことに意義がある!
14日(火) 『ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密 〜銭形姉妹への挑戦状』@池袋シネマサンシャイン 3番館 一言で言ってしまえばTVシリーズの“お祭り映画”なので観客を選ぶとは思うが、個人的にはワキのコアな役者たちや小ワザで十分に楽しむ
15日(水) 『春の居場所』@テアトル池袋 角田光代原作の『真昼の花』と同じ監督ということで、大いに納得。欲を言えば主人公の“居場所の無さ”感がもう少し強調されれば良かったか?
16日(木) 『あおげば尊し』@K’sシネマ 映画化された3本のうちでは一番重松清らしい感じ。意外にも映画初出演という麻生美代子のベテランの味とテリー伊藤(主演)の意外な(失礼?)好演がイイ
20日(月)・28日(火) 『シムソンズ』@シネマミラノ スポーツ青春系の典型のような物語ではあるが、たとえば何度も聴いてよく知っている人情噺でも泣けてしまうのと同様に、やはり感動してしまう(2月の特選日本映画)
21日(火) 『ギミー・ヘブン』@ユーロスペース1 事前に批判的な評を多数目にしていたので覚悟して(笑)観たためか、思ったよりは悪くない…どころかキャスティングも含めて“画的”にはむしろ良いと思う
21日(火) 『カミュなんて知らない』@ユーロスペース2 実在の事件を映画化する学生たちの物語で、会話に多数の映画ネタが出てくるのみならず、本編自体にも映画の引用があり、原典を全部知っていればなぁ…とちょっと残念
22日(水) 『最終兵器彼女』@シネ・アミューズWEST 状況こそ特異ではあるが、ラブストーリーとして1本筋が通っていて好感。特にラストシーン(映画オリジナル)は巧いなぁ…(原作は未読)
22日(水)・28日(火) 『転がれ!たま子』@シネ・アミューズEAST 「甘食大好き!」な不思議ちゃん役(主役)山田麻衣子の表情が絶品! また、CGで独特な効果をあげているところは『アメリ』を想起させて面白い
24日(金) 『三年身篭る』@新宿武蔵野館3 特に劇的な展開はなく淡々と進むのだが、キャスティングの妙と不思議な魅力によって飽きさせないとは、唯野未歩子、監督としても力量発揮!
27日(月) 『ミュンヘン』@T・ジョイ大泉 シアター4 「人を呪わば墓2つ」的なメッセージはストレートに伝わって来るが、題材が題材だけに、真の和平などというものは幻想か?などと暗澹たる気分にもなる
28日(火) 『県庁の星』@池袋シネマサンシャイン 5番館 いわゆる「お役所仕事」への皮肉のみならず、地方のスーパーの内部事情までチクリと刺す前半、痛快な後半、「理想論になりすぎでは?」と思わせておき皮肉に落とす結末、という構成がヨイ
※「2月の特選外国映画」は該当作なし
【LIVE】
9日(木) 室内オーケストラ「アマデウス」@亀戸文化センター カメリアホール 名称とは裏腹(?)にオール・バッハ・プログラムで、特にブランデンブルグ協奏曲第3番・第5番を聴くことができて満足
11日(土) 一青窈@中野サンプラザ 2〜3曲しか知らないかと思っていたらけっこう知っていたことに我ながら驚く。しかし、客席が暖まっていない2・3曲目にノリノリの曲を配するのはいかがなものか?
21日(火)・22日(水) 国本武春@PARCO劇場 「武春の日」と称した古典浪曲DAY。後段では通常ある屏風を外して曲師を見せるという演出が良く、また、前段後半の「かけ声講座」には大笑い(2月の特選LIVE)
オリジナル曲の「国本の日」。得意の話術で観客をノせるのはもはや名人芸?何年振りかで変身ヒーロー(?)「シャミーマン」も演じてくれて、大サービス?
24日(金) 新日本フィルハーモニー交響楽団@東京芸術劇場 大ホール 内容は良かったのだが、時節柄か演奏中に(しかもよりによってピアニッシモのあたりで)平気で咳をする無神経な客が多かったのには閉口
25日(土) 相馬裕子@月見ル君想フ 先月のゲストとのトークコーナーの代わりに、アルバムジャケット撮影で訪れたアイルランドでの事故現場映像(!)の披露などあり、構成に工夫が見られる
【CD】
アルバム 「大竹佑季/眠る孔雀」、「奥華子/やさしい花の咲く場所」、「SINGERSONGER/ばらいろポップ」、「星井七瀬/ななせは僕の宝物 〜シングル+DVDベスト・アルバム〜」、「チック・コリア&リターン・トゥ・フォーエヴァー/第7銀河への帰還〜リターン・トゥ・フォーエヴァー・アンソロジー」(2月の特選アルバム)、「チャック・マンジョーネ/フィール・ソー・グッド」、「チャック・マンジョーネ/イブニング・マジック」、「マイルス・デイビス/ミュンヘン・コンサート」、「ムソルグスキー/はげ山の一夜(原典版)ほか」、「秦修、石原龍一郎/あなたはロボット O.S.T.」 を購入
シングル (購入せず)
【展覧会】
(な し)
【読書】
「螺子式少年 レプリカ・キット」長野まゆみ@河出文庫 たとえばかつて手塚治虫が描いたような未来を舞台にしたレトロなSF。前に読んだ「少年アリス」と同様にどこか宮沢賢治と共通する雰囲気も好み
「ルート225」藤野千夜@新潮文庫 角田光代、森絵都などを起用した理論社のYAシリーズの中の1編の文庫化。中学生の頃に読んだ小説の雰囲気があって懐かしい
「ウランバーナの森」奥田英朗@講談社文庫 某有名ミュージシャンを髣髴とさせる主人公のみならず、「イン・ザ・プール」「空中ブランコ」の伊良部一郎の原点のような精神科医も登場して面白い
「NHKにようこそ!」瀧本竜彦@角川文庫 作者自身の経験が反映されている(らしい)“ひきこもり小説”。軽妙でユーモアのある語り口でによって楽しく読むことができ、比較的短期間で読了
【その他】
Q−AXシネマ(映画館) 1月28日に新規オープン。2つのスクリーンとも余計な反射を排したマットブラックの内装、前の客が邪魔にならない程良い勾配の座席など、映画を観ることに集中できるツクリが嬉しい
(3月の予定)
【芝居】
2日S 『不死病2006』演劇実験室∴紅王国@ザ・ポケット
3日M 『Atman』BamBooChop@シアターグリーン エリア171
3日S 『ランナーズディライト −走者の証明−』TEAM「JAPAN Spec.」@築地本願寺ブディストホール
4日M 『愛さずにはいられない』鈴置洋孝プロデュース@シアターサンモール
9日S 『らるく 〜走ることに疲れたら バスにのって旅に出よう〜』劇団やったるDAY!@ウエストエンドシアター
16日M 『Windows5000』ヨーロッパ企画@THEATER/TOPS
18日M 『クロス』ストレンジガーデン@シアターグリーン 小劇場
18日S 『絵の海、図書の丘』楽園王@東京芸術劇場 小ホール1
19日M 『ハゲレット』Me&Herコーポレーション@紀伊國屋ホール
19日S 『ゴジラ』劇団離風霊船@シアターアプル
21日M 『BELL CANT ベルカント さいてんのじかん』楽園王@東京芸術劇場 小ホール1
23日S 『キスと半島と残酷』ASSH@シアターグリーン エリア171
26日M 『光之帝國 −The empire of shine−』少年社中@青山円形劇場
26日S 『SIMPLY BECAUSE IMITATION』劇団ノーティーボーイズ@ウッディシアター中目黒
【映画】
『サイレン』
『ホテル・ルワンダ』
『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』
『コアラ課長』
『ベロニカは死ぬことにした』
『東京大学物語』
『好きだ、』
『機動戦士ZガンダムIII −星の鼓動は愛−』
『イヌゴエ』
『ルート225』
『ウォーターズ』
『放郷物語』
『ナイチンゲーロ』 など
【LIVE】
5日 久松史奈@FAB 表参道
10日 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団@東京芸術劇場 大ホール
12日 大阪シンフォニカー交響楽団@すみだトリフォニーホール
14日 東京交響楽団@サントリーホール 大ホール
24日 読売日本交響楽団@東京芸術劇場 大ホール
25日 東京都交響楽団@東京芸術劇場 大ホール
25日 相馬裕子@月見ル君想フ
【CD】
アルバム 「上戸 彩/License」「高橋瞳/sympathy」
シングル 「玉置成実/Sunrize」
【展覧会】
奥の院本尊御開帳記念 京都 清水寺展@そごう美術館
【読書】
「陽気なギャングが地球を回す」伊坂幸太郎、「ベロニカは死ぬことにした」パウロ・コエーリョ(江口研一・訳)、「1980 アイコ十六歳」堀田あけみ、「野ばら」長野まゆみ など
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