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(遅筆堂ネタふり亭 じべ since 1999.12)
■4月の結果と5月の予定■
芝居は延べ25本という空前(そしておそらく絶後)の本数を記録、映画も3月と同数の16本(歴代3位タイ)という大忙しの1ヶ月
【じべ 2005.5.4】
(4月の結果)
【芝居】
2日(土)M 『ピンクの豚を追っかけろ!!』イエロー・ドロップス@OFF・OFFシアター 劇中で「実際にあった出来事です」と強調している割には現実感が薄いと思いながら観ていたら、実在の事件を連想させる場面が出てきてゾクッ!
2日(土)S 『風雲!!さすがの鬼丸』Z団@シアターモリエール ギャグとシリアスの配分を旗揚げ公演とは反転させた“おポンチ系忍者活劇”。キャラ、テンポ、アクション、ギャグのどれも良くて非常に満足
3日(日)M 『蜃気楼、売ります。』Tomotakaプロデュース@シアター風姿花伝 「ウルトラQ dark fantasy」も手がけた脚本家だけに、終盤で明かされる事実が衝撃的だが、そこに至るまでの部分との違和感がなきにしもあらず
3日(日)S 『風雲!しんでれ羅城〜血の徒花の義母娘子(ママハハ)ブギウギ〜』劇団阿佐ヶ谷南南京小僧@萬スタジオ 「シンデレラ」をベースに現代の日本に翻案した作品だが、後半の血生臭い場面はむしろ「白雪姫」、いや「修羅雪姫」という感じ
7日(木)S 『三人・三色』劇団楽天舞隊@タイニイ・アリス 3人の劇団員の原作による3編で構成されたオムニバス。元は別々の話を同じアパートの隣同士に設定してさらにそれぞれをリンクさせた脚本が巧い
9日(土)M 『キャンディーズ』G2プロデュース@本多劇場 G2にしては珍しくも超自然的なものがほとんど出てこない正統派ドラマ。石鹸工場の親方を演じた久保酎吉の味のある演技に惹かれる
9日(土)S 『○ choice ×』AchiTION!@しもきた空間リバティ いつもながらテンポの良さと映像の使い方が見事だが、主人公は助かっても事件そのものが解決した訳ではないという結末はイマイチ
10日(日)M 『忍風絵巻 風魔ノ小太郎「雪血花」〜八犬伝外伝〜』MK−BOX@三百人劇場 総勢40人にも及ぶ登場人物の多さゆえに、その相関関係がつかみにくいのが難点。当日パンフに相関図でもあれば良かったのに…
12日(火)S・16日(土)S 『夜明けまで(Bチーム・Wチーム)』劇団BOOGIE★WOOGIE@麻布die platze ストレートかつオーソドックスなコメディ。次から次へと繰り出される多様多彩なギャグに「あは、あは」と笑っているうちに95分の上演時間が過ぎ去る
14日(木)S 『ELECTRIC GARDEN』楽園王@ムーブ町屋 文学に喩えれば純文学といったところで、“大衆文学系”中心に観ている身としてはハードルが高かったが、独特の雰囲気は心に残る
15日(金)M 『アトランティス』少年社中@ウエストエンドスタジオ 過去の作品を若手と客演で上演するシリーズ第一弾。近未来の学園ものとして展開しながらも終盤で壮大なスケールになるのがスゴい
15日(金)S 『鑑定士・財部真一』劇団まめや別館@シアターサンモール 基本的にはパロディ系のコメディだが、終盤にはライト・ホラーありちょっぴり感動までありと、非常にゼイタクな内容に満足
16日(土)M 『乱暴と待機』劇団、本谷有希子@シアターモリエール 作家と主演者の“相思相愛”によって生み出された作品だけに、馬渕英里何が最大限に活かされていて、ファンとしてはかなり満足
17日(日)M 『Shuffle』PARCOプロデュース@PARCO劇場 “入れ替わりモノ”のバリエーション。他の役になりきって見せるという面白みはあるが、値段分楽しめたかと問われると返答に迷ったり…
22日(金)S 『爆発物処理班 朝比奈(ばくしょ あさひな)』TEAM「JAPAN Spec.」@ブディストホール 緻密に組まれた硬派のドラマ。場を細かく割った、映画やドラマを連想させるようなツクリや、爆弾処理中の心情のダンサーによる表現がユニーク
23日(土)M 『ORANGE 68%』回転OZORA@「劇」小劇場 前作のSFとはガラリと変わって今回はコメディ。大いに笑わせた後に主人公の心情吐露によってホロリとさせるという終盤の切り返しが巧い
23日(土)S 『閉ざされて』劇団離風霊船@ザ・スズナリ 実在の事件からイマジネーションを広げる大橋戯曲の真骨頂。少女誘拐監禁事件に浦島太郎を絡ませ、さらに笑いも盛り込むとはさすが
24日(日)M 『judas マザーグースが怖クナルトキ…』劇団浪漫的探偵事務所@麻布die platze 手法は面白かったが、装置を使わないと残響が多くなる会場だったためにセリフが聞き取りにくく1時間20分程度が長く感じられる
28日(木)M 『ボラボラ』パニック・シアター@OFF・OFFシアター “心優しき怪談”路線に戻ったのは良かったが、プロローグ&エピローグがパンフの役紹介(=本編のもの)と異なるのでちょっと戸惑う
28日(木)S 『池田屋チェックイン』Playing unit 4989@シアタートラム 池田屋騒動の珍解釈。山崎烝が薬売りに変装して内偵したり藤堂平助が額を割られたりという細部を踏まえながら、爆笑喜劇に仕立ててあって可笑しい
29日(金)M 『魔宮の薔薇 〜紅と蒼の薔薇〜』R:MIX@恵比寿エコー劇場 架空の国を舞台にした“大河歴史浪漫”シリーズの一編。骨太な歴史ドラマで見応え十分、休憩なし2時間30分という長さを感じさせない
29日(金)S 『魔宮の薔薇 〜野に咲く花〜』R:MIX@恵比寿エコー劇場 「紅と蒼の薔薇」と同じ時間軸の中、平民側から描く革命の顛末。全体の6割は共通で、残り4割ほどを差し替えるという構造がユニーク
30日(土)M 『BRAY KITCHEN 無頼キッチン』tsumazuki no ishi@ザ・スズナリ ちょうど1週間前に同じスズナリで観た『閉ざされて』でもとりあげられていた誘拐監禁を描く部分があり、その偶然にビックリ
30日(土)S 『コトブキ!』劇団たいしゅう小説家@東京芸術劇場 小ホール2 ストーリー自体は類型的な気がしないでもないが、回想シーンへのスイッチの仕方とか開演前のアナウンスなど随所にアイデアが盛り込まれ楽しく鑑賞
【映画】
5日(火) 『ローレライ』@T・ジョイ大泉 シアター8 CGが予想以上に情けなく、時として“動く書割”状態だったので、その度に醒めてしまい、そこそこ良さげなストーリーにあと一歩没入できず
5日(火) 『ナショナル・トレジャー』@T・ジョイ大泉 シアター3 特別に良いアイデアがあるでもなく、心に残るものがあるでもなく、“フツーの冒険アクション映画”以上でも以下でもない
6日(水) 『恋は五・七・五!』@シネ・アミューズWEST 物語の基本ラインはありがちなものだが、その題材が俳句というのが新鮮で、クライマックスの俳句バトルであんなに盛り上がるというのはアイデアの勝利
6日(水) 『EGG』@シネ・アミューズWEST ヒロインが眼をつぶると現れる“モンスター”の映像表現はさすがに上手いが、ストーリーのオチが何か物足りないというかスッキリしないというか…
13日(水) 『ZOO』@テアトル池袋 5編からなるオムニバス。原作は未読だが、“独特の味わいのある短編小説集”という雰囲気は非常によく出ていたと思う
13日(水) 『富江 BEGINNING』@テアトル池袋 辻褄の合わない部分もあるが、1作目の前日譚であり、1作目で水橋研二が眼帯をしていた理由なども明かされるのでそれなりに楽しむ
19日(火) 『フライト・オブ・フェニックス』@新宿グランドオデヲン座 砂漠で不時着・半壊した飛行機から新たに1機の飛行機を作り出すという“芝居の嘘”を容認すれば、程よくハラハラできてそれなりに楽しめる1作
20日(水) 『富江 REVENGE』@テアトル池袋 思わせぶりな場面が延々と続いて、そのうちクリアになるかと思っていたらそのまま終わってしまうというのはいかがなものか?
21日(木) 『真夜中の弥次さん喜多さん』@ユナイテッド・シネマとしまえん シネマ1 原作のシュールさに加えて、現代のものをかなり取り入れているブッ飛びぶりを楽しむ。ただ、前半の勢いが後半で息切れ気味になるのがちょっと残念
21日(木) 『阿修羅城の瞳』@ユナイテッド・シネマとしまえん シネマ7 2時間に収めるべくテーマを絞ったのは良いけれど、スペクタクルやアクションも入れるために肝心のストーリーを削りすぎた感アリで、イマイチ
24日(日) 『ハイド・アンド・シーク 暗闇のかくれんぼ』@ユナイテッド・シネマとしまえん シネマ7 キャッチフレーズが「<超感動スリラー>誕生!」だったので泣けるかと期待していたらそういった要素はなきに等しく完全に肩透かしを食らう
26日(火) 『クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶブリブリ3分ポッキリ大進撃』@T・ジョイ大泉 シアター7 タイトル直後の手法は巧かったが、以降は従来のように“オトナ受け”する要素がなかったり、テーマも付け足しのように突然語られたりと、期待ハズレ
26日(火) 『コンスタンティン』@T・ジョイ大泉 シアター4 キリスト教的な天使・悪魔や地獄の認識が薄いために今ひとつピンと来ない感はあるが、VFXやアクションなどでフツーに楽しむことはできた
26日(火) 『ハイド・アンド・シーク 暗闇のかくれんぼ(アナザー版)』@T・ジョイ大泉 シアター5 ラストシーンのみ異なる別バージョン。通常版の終わり方を踏まえた上でならともかく、いきなりアレではちょっと判りにくいかも?
27日(水) 『殺人蜂 キラー・ビー』@渋谷シネ・ラ・セット 加賀美早紀・上野未来・鈴木葉月を見るという目的は十分に達成できたが、相手が蜂だけに殺人鬼や亡霊・ゾンビなどよりも始末が悪く、緊張しっ放し
28日(木) 『隣人13号』@シネクイント 十三と13号を“共演”させたり、終盤から結末にかけて時空を超えた形にしたりと、アイデアを駆使した脚本が上手い
【LIVE】
1日(金) ZONE@日本武道館 1週間前と内容はほぼ同一ながら、10年振り5回目のアリーナ席だったので“参加することに意義がある”的な楽しみ方をする
8日(金) 宇宿允人の世界@東京芸術劇場 大ホール 選曲はもちろん、アンコール前のユーモアのある挨拶、ちょっとゼイタクをして取った観やすい2階席など何から何まで満足!
25日(月) 千住明個展コンサート with Orchestra@東京オペラシティ コンサートホール 目当てであったピアノ協奏曲「宿命」がやはり素晴らしく、また「これもこの人の作品だったの!」なCM曲もあって楽しかった
【CD】
アルバム 「ZONE/E 〜Complete A side Singles〜」
シングル 「高橋瞳/僕たちの行方」「玉置成実/Heroine」「HIGH and MIGHTY COLOR/OVER」
【展覧会】
(な し)
【読書】
「ジョッキー」松樹剛史@集英社文庫 騎手の日常とレースを描いており、にわかに競馬関連用語に詳しくなったりする。(笑) ただ、短編連作風なので、物足りない部分もあるように感ずる
「素晴らしい一日」平安寿子@文春文庫 6編から成る短編集。基本的に男が悪役というか、ダメ男として描かれているので男としてはちょっと居心地の悪さを憶えながら読む
「遠い約束」光原百合@創元推理文庫 大学のミステリー研究会を舞台にしたユーモア・ミステリー連作。読みやすくて楽しいが、「ひどく」の変な使い方がちょっとひっかかる
「四日間の奇蹟」朝倉卓弥@宝島社文庫 波乱万丈ということもなく比較的淡々としていながら500ページを長く感じさせない筆力はさすがだが、物語としての結末にはやや不満
【その他】
「タイガー&ドラゴン」(TVドラマ) 毎回1編の古典落語をベースにしつつ、終盤でそれを現代にアレンジして見せるという趣向が面白い
「雨と夢のあとに」(TVドラマ) 演劇集団キャラメルボックスの成井豊・真柴あずきが脚本なのに加えて、主題歌が奥田美和子なので大いに期待
「瑠璃の島」(TVドラマ) 派手さはないが実力派を揃えたさり気なく贅沢なキャスティングにより、今期のダークホース的存在か?
(5月の予定)
【芝居】
1日M 『魁!!女塾』オフィス★怪人社@ザ・ポケット
2日M 『THE LINE 〜GOOD BYE HUMAN BEINGS〜』印度華麗@萬スタジオ
5日M 『砂の上の植物群』KERA・MAP@シアターアプル
7日M 『陽の訪れのように』東京ジェットアッパー@萬スタジオ
13日M 『連想ゲーム』THE SCAR−FACE@東京芸術劇場 小ホール1
14日M 『夢を見る。まどろむために』エレファントムーン@ウエストエンドスタジオ
15日M 『un_titled』bird’s−eye view@こまばアゴラ劇場
21日M 『グレートエスケープ』鬼海浩巳事務所@銀座小劇場
22日M 『シンデレラストーリー』日本テレビ・パルコ・東宝芸能@ル テアトル銀座
24日S 『キミの瞳に花束を 〜病院物語〜』森川正太プロデュース@武蔵野芸能劇場
25日S 『しゅーまつの過ごし方 〜温泉旅館騒動記〜』演劇集団池田塾@萬スタジオ
26日S・27日M 『Yell 〜たとえ君に届かなくても〜』劇団Peek−a−Boo@東京芸術劇場 小ホール2
28日M 『クレイジー・フライデー』魔女の巣@しもきた空間リバティ
30日S 『マイン '05』ストレンジガーデン@アイピット目白
31日S 『見つかりにくい温室』Orange PunPKing@ウエストエンドスタジオ
【映画】
『オッパイ星人』『female』『交渉人 真下正義』『メールで届いた物語』『ヘアスタイル』『タナカヒロシのすべて』『ザ・インタープリター』など
【LIVE】
6日 PERCUSSIVE MOVEMENT@青山円形劇場
7日 ZABADAK@CLUB CITTA’
8日 チック・コリア・エレクトリック・バンド@日比谷野外音楽堂
17日 フランクフルト国立管弦楽団@東京芸術劇場 大ホール
20日 中島美嘉@府中の森芸術劇場 どりーむホール
27日・28日・29日 上々颱風@世田谷パブリックシアター
【展覧会】
厳島神社国宝展@東京藝術大学大学美術館
【読書】
「彼等」長野まゆみ、「最悪」奥田英朗、「四月ばーか」松久淳+田中渉 など
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