(27) 2002.03.31 ■漢方ときかん坊(5)
漢方ときかん坊 〜その5〜
「ホームページ作成 」
桂 歌助
平成8年5月、長男誕生と同時にホームページ配信を始めました。これは偶然でなく、女房が出産の為、実家へ帰っている間にSo-netのSさんやマスターネットのマックファームの知り合いが我が家に集合して夜遅くまで接続〜作成のノウハウを伝授してくれました。合宿さながら、酒を飲みながらわいわいやれたのでページ作成、情報発信に対する自信が付きました。
ブラウザーソフト、メールソフトやFTP、接続設定の仕方の他に、ホームページを作るにあたっての心がまえも教わりました。
- 凝ったページを技術で上回る努力をするより、まめに更新する方がお客様は見に来てくれる。
- 個人情報より落語業界全体の情報発信の方がより広範囲にアピールが出来る。
- 他のページのレイアウトは真似しても良い。
- 出来るだけビジュアルに訴えるようなページ作りを心がける。
1についてですが、雲助師匠の音声や絵が動く技術も素晴らしいが、やはり、何度も見に来てもらうためには定期的な更新を心がける事が大事だと教わりました。全部完成してから載せるより、今日作ったデータはその日に載せ、ページを一枚づつ増やすようにして行った方が良い。確かに全部できてから載せようと思うと気持ちの負担が大きいのです。不完全でも出来た所から徐々に載せていきました。落語会が多い時に当然その案内を載せるわけで、仕事が忙しい時に流したい情報量は増えます。これをこなすのは普段からパソコンに向かうのが習慣づいてないと、きついです。
そうでなくても落語家、ネタおろしの会が控えていると頭に重しが乗っかった様に他の事が手につかなくなります。何度もやる事がたまって投げ出したくなりましたが、その都度、定期的な更新日を決めていたのが役立ちました。今は芸協のページの更新が中心で自分のページは更新日の間隔が空きますが、出番案内だけはこまめに更新し続けています。
2、雲助師匠のページで感心したのは落語の演目の解説と落語協会の弟子入りや昇進等の情報を流していた事です。私も芸協の名簿と各師匠のプロフィルと落語の解説を始めました。芸協会員の名簿に関しては現在、協会のページで生きています。落語の解説は、途中で断念しました。演目と登場人物とキーワード等で検索できる様に作ったのですが、文章の量が膨大で、他の方がそれぞれ独自に落語検索サイトを作っていましたのでそちらに任せる事にしました。その他は自分のニュースと芸協のニュースと私の出番案内、リンク集で、後から東海道宿場寄席、水戸黄門出演裏話等のページをその都度、追加しました。中でもリンクサイトはカウント数が多く、お客様には便利と喜んでもらえたようです。今は私の物よりもっと大規模な落語のリンクサイトがありますが、最初の頃は相互リンクをお願いし、一つづつ増やしていったリンク集は役に立った様です。
3、私はホームページ作成用のソフトを使ってません。これは最初からそうで、タグを覚える事から始めましたが、一つ一つ覚えいていくより、レイアウトがいいページのソースを引っ張り出して、文章を書き換えて載せていった方が簡単だと分かりました。レイアウトは盗んでも著作権に引っ掛からないので安心してもらってきます。中にはHサイトのレイアウトを真似した時もありました。まじめな落語紹介のページが元は色っぽいページだとは誰も気がつきません。
時々複雑なレイアウトのページを引っ張り込んで、タグを知らないで、どうなっているのかさっぱり分からない時がありました。それはひとつづつタグを消したり戻したりして勉強しました。根気がいる様ですが、やり始めますとそれ程でもありませんでした。その分、私が作ったのは文章が多くて、ビジュアルに欠ける傾向があります。
4、ホームページはチラシ広告の電導版であり、目を引く作品の方がより効果がある事は間違いないでしょう。しかし、デジカメとスキャンとホームページ作成用のソフトを持っていない私のページはおのずから文章が多くなりました。So-netのSさんがスキャンしてくれたデータ等で作っていきましたが、それでもレイアウトは目にうったえるものが弱いです。心がけてはいますが、ここが私の弱点かもしれません。専用のサーバーと常時接続が可能な環境であれば、ジフアニメからCGI、JAVA、Flash、そしてストリーミングとどんどん広げてゆけたでしょうが、その道のプロでもなく、電話回線とFTPのソフトでSo-netのサーバーを間借りしている身としては、ちょうど良いところでしょう。落語家が自分で更新しているのを売りにしてましたので、せいぜいカウンター程度の物でも十分かなと考えました。
BBSは専用のページにリンクを張ってやれますが、メールでのお客様とのやりとりだけにしました。BBSはパソコン通信のボードと同じ感覚で、話題を盛り上げたり、間違った方向へ行く時に修正する管理者が必要だと言う事が分かってました。自分が管理者をやると労力が大変なのと話題がまとまらなくなった場合、お客様をしくじる可能性があるので、メールのみにしました。これは色々な考えの方がいらっしゃるでしょう。いちがいに私が正しいわけではありません。BBSをうまく使ってお客様との親交を深めていく落語家さんもいるでしょう。メール、BBS、メーリングリスト、どれを選択しても一長一短があると思います。私はBBS、メーリングリストを主宰しない分、ホームページの更新回数で補うようにしました。
よく先輩の芸人やお客様から質問を受けるのが
「インターネットをやっていて仕事が増えたか?」
お金になる仕事は増えないかもしれません。こちらとしても一度も会った事がない方から仕事の依頼をいきなりメールで来ても、信じるわけにはいきません。仕事の内容、出演料の交渉も含めて全て初めての場合は会って行います。一度親しくなった後、裏を返す、なじみになる時はメールだけでも良いでしょうが、初めての方からの場合はよほどの事がないかぎり会って話をしてから決めます。インター ネットを使っている噺家さんと言う触れ込みでもいざ落語会をやると普通に古典落語をやる私はそのギャップで一度落語会に来たお客様がけげんに思うようです。やはり直にコミュニケーションを取らないと本当に親しくなれず、お互いの事が分からないものです。それはオフミーティングを行うのと同じ理屈です。
話は長くなりましたが「インターネットをやっていて仕事が増えたか?」の質問には「すぐには増えませんが、時間とともに仲間が増えました。それが仕事につながりますので、ホームページとメールはこれからの噺家には必需品です」と答えます。
つづく
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