(5) 2000.9.9 落語をインターネットで(4) 〜落語協会の場合(2)〜
(2)インターネット中継での問題点?
この中継が決まったのは、披露興行直前、「ホームページ制作委員会」の話し合いの席でのことだったそうです。
ホームページ制作委員会のメンバーでもあり、生中継当日も、柳家喬太郎師匠の弟弟子として楽屋入りしていた柳家喬之助さんによると、当日、出演される各師匠には当然、インターネットで生中継されることへの了解はいただいたそうです。
話をもちかけた時の師匠方の反応が二通りあったんだそうです。
「いいですよ、どんどんやってください」
と好意的な反応を示される方と、
「それはちょっと・・・」
とあまり積極的でなかった方と。
年齢・芸歴・立場などに関係なく、それぞれそういう立場の方がいらっしゃったんだそうです。
そもそも、インターネット中継、というのは、どのような形での中継なのでしょうか。
インターネットによる生中継は、ホストコンピュータのサーバーに蓄積された音声&画像データを、利用者がパソコンで受け取るのと同時に、リアルプレイヤーというソフトで再生してゆく「ストリーミング再生」という形を取っています。
情報を発信する側にとっては、情報の受け手の側ではファイルは保存できないのでディスクには残らず、著作権保護の立場からも、複製ができないので安心、という利点があります。
とはいえ、著作権問題は、中継当日、実は別のところで発生していました。
番組(高座)の中で歌を歌ったりすると、そこでその楽曲の作者への著作権が発生して、二次使用の際などに少々面倒なことになります。そこで、高座で歌謡曲などは歌わないように、と、当日、楽屋裏では、出演者の皆さんには注意とお願いをしていました。
しかし、舞台裏の慌ただしさの中で、注意をし忘れてしまい、番組の中で歌謡曲が流れてしまいました。
「・・・『啼(な)くな小鳩よ』は切れないよなあ」(喬之助さん)
確かに、昭和のいる・こいる、あの日のお二方の漫才から「啼くな小鳩よ」をカットしてしまったら、高座が成り立たなくなってしまう(^^;)。聞いているこちらは楽しかったから良かったけれども、それだけじゃどうにもならない。
そういう事情で、現在、こちらの番組は残念ながらありませんので、他の方の高座でお楽しみください^^。
落語協会
(続く)
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