大江戸演芸捜査網
〜楽屋口と客席の間で〜

(4) 2000.9.4 落語をインターネットで(3)
 〜落語協会の場合(1)〜

「とにかく、インターネットなんてわかろうとしちゃあいけませんな。落語もおんなじ。」('00/1/31「インターネット落語会」での五街道雲助師匠の高座でのお言葉)

・・・そりゃまあそうなんですけども。

2000年1月22日に開設された落語協会インターネット公式ホームページも開設から半年あまり、アクセス数も10万を越えています。

(1)祝!新真打昇進披露興行生中継

2000年3月21日、午後5時14分。

私は、この日、会社を早退してデパートでお弁当とお菓子とお茶を買いこみ、鈴本演芸場に向かう・・・のではなく、自宅のパソコンの前でわくわくしながらインターネット中継の開始を待っていました。落語協会新真打の林家たい平・柳家喬太郎両師匠の真打披露興行の初日の生中継を、パソコンの画面から見てみたかったんです。

第一回の生中継「インターネット落語会」(1/31,鈴本演芸場)に比べると、中継は本当に直前に決まり、発表も落語協会HPでなされたのみで、宣伝・広報をほとんどする間のないまま、当日になってしまった感があったのは、ちょっと残念でした。

第一回は、インプレスを通してニュースリリースが流れたこともあり、一般紙の演芸欄のみならず、落語にさほど関係ない「日経産業新聞」なんて媒体にも紹介されたりして、「あ、落語に関心のない人,落語の存在を忘れてる人の目にも情報が届く!」などと嬉しかったりもしたのですが。

そんなわけで第一回に比べると、番組としては「真打披露興行(それも初日)の生中継+楽屋裏でのインタビュー」という落語好きにPRしうる目玉もあったのですが、総アクセス数は一回目に比べると少なかったそうです。

ただ、今回の真打披露といういいタイミングを逃すことなく、決定されてから即座に実行できた、というのは、放映・放送を考えた時点で、即座に実行できる、というインターネット中継のやりやすさ・機動力があったからでしょう。

寄席番組を作る側の(いや、興行は寄席のものですが)、落語協会が自ら放送する番組を作り、インプレス(ネット)・テクノネット(中継技術)というプロの手は借りているものの、時間と内容を自由に生中継で配信できる、という強み。これは放送局とスポンサーが主体だった、今までの「放送」ではありえなかったことです。

落語協会

(続く)



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