とりあえず、またまた親バカな話からお付き合いいただきたい。次男の高校野球の秋季県大会の話。この、現在行われている秋季大会というのは、来春の甲子園の選抜大会の予選を兼ねているもので、この神奈川大会で優勝か準優勝をすると、東京以外の関東圏7県から15校が選ばれる関東大会に出場し、その中でベスト4に入れば、甲子園の春の選抜大会に出場出来る(県代表の2校ともベスト4に入らない場合は、どちらかが選ばれる)というわけなのだが、この時期は3年生が引退し、2年生と1年生だけの編成となるため、それまでの実績がそのまま通用するわけではないところが、なかなかおもしろいのだ。だから、といったらそれまで頑張っていた3年生には悪いが、次男のいる藤沢総合高校(藤総)野球部も、県大会初勝利どころか3回戦まで進むことが出来たのだが、逆に、3年生が抜けたことで、それまでは強いといわれていたのに、早くも敗退してしまった学校もあるわけだ。そんな中でベスト32が決まり、9月9日の土曜日、3回戦16試合が神奈川県内の8球場で行われた。
藤総の相手は、甲子園の夏の大会にも出場したことのある、私立の平塚学園。球場は藤沢八部(はっぺ)球場。小田急線の鵠沼海岸駅から歩いて10分ほどの鵠沼運動公園の中にある。この日、当然のことながら、試合に出る次男や、父母会で応援する妻は車で早く家を出たが、前の晩にちょっと飲み過ぎた上に疲れもあった私は、昼過ぎまで寝ていて、試合開始予定時間の1時半頃に家を出ることになった。家から球場までは小田急線で行って約1時間。まぁ1時間じゃ試合は終わってないだろうと思い、のんびり行ったのだが、球場に着いてみると、まだ3回。その前の試合、茅ヶ崎北陵高校と鎌倉学園の試合が、12対11の最終回逆転サヨナラ試合ともつれたため、次の試合開始時間が遅れたのだ。私は藤総の応援席ではなく、より近くで観たいと思い、バックネット裏の藤総側の席に座った。
次男の第1打席は観ることが出来なかったが(後で聞いたらピッチャーゴロだった)、3回で0対0、なかなかいい試合のようだ。両投手の投げ合いが続き、4回も終わって、まだ0対0。5回の表、1アウトで次男の2回目の打席が回って来た。2回戦の深沢高校戦では4打数ノーヒットで悔しがり、「次は絶対打つ!」といっていた次男。そのバッターボックスからはいつもとは違う気迫が確かに感じられた。1球目はカーブのボール、そして、2球目のストレート、うまく狙って打った球はセカンドの頭を越え、右中間を抜けた! そして、フェンスに向かって転がってゆく。次男は1塁を回り、2塁を蹴り、3塁へ! ようやくボールが帰って来たが、悠々セーフ! 3塁打! 藤総の応援席は盛り上がった! しかも、1アウト。何としてもここで1点は入れたいところだ。そして、次のバッターの初球、後で聞いたらバッターのサインミスということだったが、結果としてスクイズになり、ボールは1塁方向へ転がってゆく。3塁の次男はサインミスのため一瞬ためらい、スタートが遅れるが、それでも状況を判断してホームへ向かって走る! ボールが帰って来る! 次男は左足を突っ込み、ホーム上はクロスプレー! 審判の判定は……セーフ! やったぁ、先制点だ! 大いに盛り上がる応援席! 次男もガッツポーズで「よっしゃー!」と叫ぶ。いやぁ、平塚学園相手に先制点を入れ、しかもそれに、次男の3塁打と名走塁(確かに!)が貢献しているなんて、なんか信じられないようなうれしい気持ちで、その時、私は逆に「よしよし」と冷静になってしまったのだが、なんかそれが親の気持ちというやつなのかもしれない。応援席は盛り上がっているのだが。よくオリンピックなんかで、金メダルを取った選手の親が周りから祝福され、うれしいんだけど戸惑っているような表情を見せることがあるが、そんな感じ。いや、金メダルとは格が違うけど(笑)。
と、実は、良かったのはここまでで(笑)、その裏、1点先制されたことで発奮したのか、平塚学園が藤総の好投手・熊谷君を打ち崩し、3点を入れて逆転。その後、藤総も1、3塁とか満塁にまで持っていくのだが、決定打が出ず、逆に平塚学園は2点追加し、結局、1対5で藤沢総合高校は負けてしまった。3回戦敗退で、春の大会でシード権のあるベスト16には入れなかった。残念だったが、新編成でよくここまでやったと思うし(創部3年目の県立高校がベスト32まで進んだのだから御の字だ!)、足りない部分(やはり、長打を打てる、パワーのあるパッターがいない)もわかったので、これから期待出来ると思う! ピッチャーもいいし、守備もいいのだから(偶然なのか、私が観た3試合の対戦相手は、みんな守備のエラーが多かった)。それにしても、平塚学園との試合でわかったのは、体格の違いだ! 藤総の選手はみんな細身の選手が多く、身長も平均並だろう。それに比べて平塚学園の選手は、どこのオッサン? という感じの縦も横もデカイ身体の選手が多いのだ。まぁ、甲子園とか見ててもわかると思うが。とにかく、パワーの違いを感じてしまった。ホームランこそ出なかったが、センターオーバーが何本もあったし。やはり、私立はそういう選手をあっちこっちから集められるのかもしれない。
というわけで、次男の高校野球の公式戦は来春までなくなってしまったが、練習試合はどんどんこなしていくということなので、機会があったらまた観に行きたい!
ところで、この秋季大会、今年の甲子園の夏の大会にも出た、次男の親友の松本君もいる横浜高校も、なんと3回戦で桐光学園に1対5で負けてしまったのだ! つまり、来春の甲子園の選抜高校野球大会に横浜高校は出場出来なくなってしまったわけだ。詳しいことはまだ聞いていないが、やはり、前述したように、この時期はいろいろあるのだ。その代わりというわけではないが、この秋は県立高校がなかなか頑張っているようだ。強豪校も苦労しているようだし。もしかすると、来春の選抜大会、神奈川代表は、意外なところが出場することになるかもしれない。今度の16日の土曜日の試合でベスト8が決まる。高校野球にはまっている身としては、どこかの試合を観に行きたい気もするが、その日は、三男の中学の体育祭だ。去年は見れなかったし(いや、その前も、その前の前の年も)、こっちも楽しみ! 自分がやるわけじゃないが、スポーツの秋を楽しみたい! いや、自分でも何かやろうかな。ま、競馬ぐらいだろう。やる意味が違うけど(笑)。
そういえば、先週からJRA秋競馬の中山開催が始まり、10日の日曜日には、原稿や資料の整理などをしながら、久しぶりに即PATで競馬をやった。中山メインの第51回京成杯オータムハンデ、取りましたよ、3連複! GTはダメでもGVなら3着以内はありそうだと読んで軸にした、ステキシンスケクン(10番人気)が逃げ切って1着! 当然、2着のカンファーベスト(6番人気)も、3着になった2番人気のマイネルスケルツィにも流していたので、3連複的中! いや、もう少し余裕というか、予算があったら3連単も買っていたかもしれないが、21.950円の3連複で充分! ちなみに3連単は193.650円で、夢の10万円馬券だったが、高望みはしない方が無難。3連単はどうしても買う点数が多くなってしまうのではずれると大きく、この日から、3連複で万馬券を含めたソコソコの馬券を狙うことに方向転換したばかりだった。で、実は、メインレースの3つ前、8レースでも3連複16.960円を取ったのだ! いやぁ、好調な滑り出しの秋競馬、今週末の中山では菊花賞トライアルのGU、セントライト記念が、中京では秋華賞トライアルのGU、ローズステークスがある。こちらも楽しみ、楽しみ! 予想は……やはり、よそう、っと。
そうそう、藤総の試合を観た帰り、鵠沼海岸まで来たのだからと、ちょっと足を延ばして片瀬江ノ島まで行った。いつ以来だろうか? もしかすると、4年前の10月、韓国現代戯曲ドラマリーディングの後に、韓国の劇作家のパク・グニョン氏やチョウ・ガンファ氏、翻訳家の熊谷さんらと一緒に江ノ島から鎌倉まで行った時以来かもしれない。いや、その後、何かのついでに近くを通った気もするが。
駅のホームに下りると、さっそく潮の香りが漂ってくる。竜宮城を模した駅舎を出てまっすぐ行くと弁天橋があり、そこを渡った正面にあるビルがサマリアビルといい、かつて、その4階に天文館という劇場があった。そこで、今は封印中の“月光舎”は生まれたのだ(詳しくはプロフィール参照)。現在では江の島ビュータワーと名称が変わっている(住所のビル名も変わっているから、ビルの持ち主が変わったのだろう)その建物の中には入らなかったが、7階には虎丸座というライブの貸ホールがある。どうなっているのだろう。ちょっと興味がある。それから、天文館での稽古の後、よく飲みに行ったおでんセンターの辺りを見に行き(とっくにおでんセンターはなくなっている! それは知っていた)、天文館での公演の打ち上げの後、よく朝を迎えて遊んだ東浜海岸に下りた。先週、二宮の美しい海岸を見てしまったせいで、どうしてもきれいとは思えない江ノ島の海岸だが、遠浅で波も高くなくて安全だし、やはり手頃な海水浴場なのだろう。まだ、今はもう秋〜、と歌うには早いが、当然、泳いでいる人間は見当たらず、浜では海の家の取り壊しが始まっていた。
その後、どこからともなく漂ってくるいい香りに誘われて江ノ島大橋を渡り、江ノ島に向かった。さすがに神社までは行かなかったが、土曜日のまだ明るい夕方ということで賑やかな参道を通り、改めてここは観光地なのだということを確認した。江ノ島アイランドスパという新しいリゾート施設も出来ていた。そして、帰り道、やはりいい香りの誘惑に負け、さざえを食べることにした。といっても、野球観戦のついでにブラッと寄ったので、あまり手持ちの予算がなく、ちょっと高いつぼ焼きや生ビールは止め、さざえとつぶ貝の串焼きと缶ビールでリーズナブルに一杯やった。それでも、高校野球観戦ではさすがにアルコールは飲めないのと、あちこち歩き回って疲れたこともあり、そのビールの、そして、串焼きの美味かったこと! 特につぶ貝の串焼きは絶品! いやぁ、こんな美味しいものを近くで(でもないな、座間市に引っ越してからは)食べられるなんて! たまには海を見に行こう! とつくづく思った。待てよ、今は仕事先の関内でも、ちょっと歩けば海は見られるんだ! う〜ん、港と海岸(磯)じゃ違うな、やっぱり!
(2006.9.12)