そういえば、神奈川や東京の話ばかりで、すっかり忘れてたんですが、すでにStagePowerの6月3日付けのニュースで伝えられている通り、この乾坤一滴でも再三お知らせしているギンギラ太陽’sが、10月に渋谷のパルコ劇場で公演することになったんです! いやぁ、素晴らしか! うれしか! なんていわないかな、博多弁は……
私が初めてギンギラを観たのは去年の1月で、ギンギラファンとしての歴史は浅いんですが(福岡にいなかったから仕方ないんですぅ)、それ以来、番外公演等も含めて、毎回楽しく観させてもらっています。ギンギラと出会ったことは、去年の私の十大ニュースの第6位にも入ってますからね。まぁ、これまでにもいろいろ書いてますが、決して地元(福岡)ネタだけに留まらない、普遍的で感動的なストーリーが、エンターティメント性溢れる演出と、個性的な役者陣(かぶりものでも個性はあるんです!)によって、福岡の地元劇団の中で段違いなおもしろさを観せてくれてて、「(福岡ネタだからって)東京での公演もまったく心配ないですよ。その時は協力しますよ!」と主宰の大塚ムネト氏にもいってたんですが、パルコ劇場だったら、私ごときが協力するまでもありませんねぇ、ハッハッハッ。いやぁ、エンターティメント性と劇場のイメージと規模を考えると、ピッタシですね!
パルコ劇場といえば、昔の西武劇場時代から大好きな劇場で、何しろ柿落としの安部公房スタジオ公演『愛の眼鏡は色ガラス』から観てますからぁ! 今から32年前、私は安部公房大好きな高校2年生でした。“壁”というガリバン刷りの文芸同人誌も作ってました。それはともかく、『友達』も『ウェー(新・どれい狩り)』も西武劇場で観ました! 寺山さんの『中国の不思議な役人』(故・伊丹十三が主演)だって、女子高生の美加理や高橋ひとみが出てた『青ひげ公の城』だってそうだし、唐十郎・作/蜷川幸雄・演出の『黒いチューリップ』(手塚とおるのデビュー作というのは有名な話。今年の9月には新国立劇場で公演があるそうな)や『下谷万年町物語』(今や世界の渡辺謙が主演)もそうだし、私の生涯のベストプレイのひとつに入る平幹の『タンゴ・冬の終わりに』も西武劇場だった! 杉村春子さんの『欲望という名の電車』も観ましたね。他にも、井上ひさし作品や別役実作品もいくつか観た記憶があります。ただ、最近は御無沙汰ですね。三谷幸喜作品も観てません。チケットが取れないとか、チケット代が高くなったりとか。
そんな、私にとっても演劇的な思い入れの深い劇場で、ギンギラがやってくれちゃうなんて……ホント、うれしいなぁ! こりゃもう、なんとしてでも駆けつけますよ! 渋谷の街でギンギラのみんなと飲めるなんて……素晴らしい! みんなで下北も行きましょう! 代アニ福岡校の今年の卒業生のIとTも出れるのかなぁ。福岡校時代にギンギラ観て、東京に行ってる連中も観に行くでしょう! そして、大塚さん、前からいってますが、岸田戯曲賞だって夢じゃありませんよ! なんたって、人間じゃない“モノ”にしゃべらせるという、演劇的にも特異な発想なんですから!
さて、先週は、久しぶりに(神奈川から戻ってきても続いてますが)、スゴ〜イ芝居を観て来てしまいました! 『黒蜥蜴』! 江戸川乱歩・原作、三島由紀夫・脚本、美輪明宏・演出という、もう観る前からワクワクドキドキしてしまう舞台です。美輪さんは、もちろん主演ですし、その上、美術・音楽・衣装も! 美輪さんというと、最近の若い子は、テレビのバラエティ番組によく出ている、黄色い髪の妖しい男オバサン(失礼!)か、『ハウルの動く城』の“荒地の魔女”の声という印象が強いと思いますが、私より上の世代は「メケメケ」や「ヨイトマケの唄」だろうし、私にとっては『毛皮のマリー』であり、自伝“紫の履歴書”ですね。それと、一度だけ連れて行ってもらったことのある新宿の美輪さんのお店(名前は忘れました)の豪華絢爛なイメージです。それがもう、そのイメージそのままの舞台で、とにかく不思議な感覚の妖しい、といってアングラでもないし、もちろん新劇でも、宝塚風でも、外国風の舞台でもない、それでいて、歌舞伎的なところがあったり、児童劇風なところがあったり(悪い意味じゃなくてですよ)、レトロな感じや、かと思うと、最近の小劇場のような現代的なところなど、もういろんな要素の詰まった、一言でいうならば、まさに“美輪ワールド”というか“美輪教”といった感じの世界が繰り広げられていく舞台だったんです。
なんか、笑っていいのかどうか迷っちゃうような、つまらないギャグもあったりしたんですが(三島由紀夫の脚本にあるのかなぁ?)、それが受けようが受けまいがお構いなく、堂々と作られている感じで、特に最後の恐怖美術館の場は圧巻でした! 黒蜥蜴の家の広間なんですが、すべて金色に光り輝いているんですから!
で、カーテンコールがまたスゴイんです! 拍手喝采の中、幕が下りたかと思うと、またすぐ幕が上がり、美輪さんがオーバーアクションで観客をヨヨヨと抱きしめるような仕草をしたりするもんだから、観客もさらにヒートアップして、ほとんどスタンディング・オベーション状態! しかしあれは、前の人が立てば、後ろの人は見えないから立ち上がるわけで、どんどん広がっていくのは当然といえば当然なんですが。それにしても、広い福岡サンパレスのほぼ満員の客席の95%は女性で、そのうち8割ぐらいは年配のオバちゃんたちでした。美輪さんは、オバちゃんたちにすごい人気なんですねぇ。2度の休憩を挟んで3時間。たっぷり楽しませてもらいました! そうそう、芝居とは関係ないんですが、再三、開演前のアナウンスで、咳をする場合にはハンカチ等で口を塞いで下さいといったかと思うと、休憩の時には、咳がうるさいと苦情が来ているので、咳の出る希望者には、のど飴を用意しているので声をかけて下さいといって、のど飴を配る配慮。これには思わず並んで座っていたオバさんたちと(私もオジさんですが)、大笑いしてしまいました(アナウンスの声がまた、渋くて台詞みたいなんですよ!)。これって、美輪さんの配慮なのか、主催者の配慮なのか、とにかく驚きましたが、いいことだと思いますよ。私ものど飴をもらって咳を鎮めました。オバちゃんたちって、遠慮なく咳をしますからね。
今回の『黒蜥蜴』は今年の4月からやっていたようですが、美輪さんの『黒蜥蜴』の初演は、なんと37年前なんですね。今回、高嶋政宏(高嶋兄)が演じた明智小五郎は、天知茂でした。木村功が明智を演じた、深作欣二監督の映画版『黒蜥蜴』も観てみたいなぁ。
先週末の土曜日には、私が担任をしている1年生空クラスの交流会があり、久しぶりに(まただ)ボウリングをやって来ました。私を入れて29名の参加で、2ゲームトータルで、優勝者とブービー(ビリから2番目)には、私の本を署名入りであげるよといったのですが、1ゲーム目は私が166でトップ! おいおい、と思っていたら、2ゲームはガクッと疲れが出て101(トホホッ!)でトータル267。一緒のレーンでやっていた、ソフトボールをやっているという体育会系少女のMが、気合入りまくりで大逆転のトータル268で1ピン差で優勝! まぁ、ホッとしました。ボウリングの後は、その場(といっても、レーンの上ではなく、ちょっと後ろの会場ですが)で食事が出来るというお得なコースで飲み会。といっても、ソフトドリンク飲み放題のコースだったので、私は最初の一杯だけ特別に生ビールをいただいて、乾杯! 学生たちは、まるで子供のように(いや、実際子供ですが)、ドリンクバーのドリンクをいろいろ混ぜては、不味さを競い合いながら、楽しそうに一気飲みを強要し合ってました(まぁ、アルコールじゃないので許してましたが)。
さてさて、今週末には、なんとかおいしいお酒が飲めそうです。福岡演劇のひろばのオフ会ですからね。楽しみ楽しみ!
【今週は写真はありません】
(2005.6.21)