先週は、梅雨に入ったというのに暑い日が続き、福岡では今年最高気温になったり、一日のうちの最小湿度が1950年の観測開始以来最低の10%を記録したらしいですが(それがどういうことなのかはよくわかりませんが、とにかくカラカラということです)、金曜日の夜には、久しぶりに学院の先生方ともつ鍋を食べに行きました。今週末から体験入学だ、アトフォーラム(九州各地への出向説明会)だと、いろいろ忙しくなるので、団結を固めようってことなんですけどね。いやぁ、いいことです。
行ったのは、『こじ郎』という割と有名な店らしいのですが、ここでも出て来ましたよ、例のホビロン小須田氏と驚いた、洗面器のような鍋が! もつ鍋にはあの鍋なんですね。韓国からわざわざプルコギ用やサムギョプサル用の重い鍋を買って帰るほど鍋好き(いや、鍋そのものじゃなくて鍋料理、って当たり前か)の私としては、このもつ鍋用の鍋もいつか買わにゃあならんばい! で、先週も書いた通り、このところ質素な生活が続いていた身としては(まぁ、金もないけど時間もなかったんですけど)、久しぶりに飲み放題メニューということで、ビールだ、焼酎だ、梅サワーだとガンガンいってしまいました、ハッハッハッ。いやぁ、帰りの酔っ払い運転、あ、自転車ですけどね、まるで覚えてません。翌朝、気がついたら、まるで漫画のように、服が玄関からベッドまで順番に点々と脱ぎ捨ててありました。よく家に着いたと思いますが、若い頃からどれだけヘベレケになっても、帰巣本能だけはしっかりしてましたからねぇ。
で、翌日は午後から(たっぷり寝たので、酒はすっかり抜けてました)、これまた久しぶりの観劇。前にも書いた、韓国公演もしたという福岡の劇団、SAKURA前戦の公演『永遠』です。SAKURA前戦は、卒業生が入団したりしたこともあって、前から学院と交流があり、学院にもよく宣伝に来て、私も劇団員の人と何回か話をしたことはあったんですが、公演を観るのは今回が初めてでした。とにかく、福岡での動員はすごいということはよく聞いていたんですが、演劇関係者からあまり評判は聞いてなかったので、なぜだろうとは思っていたんですが、観に行ってわかりました。要するに、アマチュア演劇で動員が多いというアレですよ。つまり、知り合い関係の動員によって成り立っているというやつですね。もちろん、新聞やマスコミにも露出はしているから、フリーの客も何人かはいるかと思いますが、評判を聞いて、とか口コミの客とかは、ほとんどいないんじゃないでしょうか(いたら、ごめんなさいです)。
いや、別にそれはそれでいいとは思いますよ。神奈川もそういうアマチュア劇団多かった、いや、今も多いですしね。もちろん、内容も(なんか無理矢理な感じがして、私は好きじゃないんですが)、それはそれで感動する人もいるわけですから(結構、泣いていた人もいたようです)、そういうやり方をしているのはいいと思います。しかし、私はやはり、こういう劇はダメなんですよ。何がって、前にも書いたかもしれませんが、私が、いわゆる高校演劇を嫌いなのは、明らかに指導者がいけないと思うんですが、みんながみんな同じような、お芝居してますよ、というような演技をするのが許せないわけです。まぁ、細かくいえば、日常のリアリティのかけらもないようなところで(いや、舞台には舞台上のリアリティが成立していればいいんですけど、それとはまったく異なる、“らしく”みせようとしているのに、全然“らしく”ない世界で※詳しく説明し出すと長くなるのではしょります)、みんなの声のトーンが同じだったり、台詞をしゃべるリズムが一定だったりするわけで、「おいおい、人間ってみんな違うだろ!」「そんな気持ちの時に、そんなに声張り上げるか?」「外人だって(って別に外人蔑視ではありませんが)、そんなオーバーアクションしないぞ!」と、突っ込みどころ満載なのが高校演劇で、今回のSAKURA前戦の芝居もそんな感じだったわけです。あ、もちろん、すべての高校演劇がダメといってるんじゃありませんよ。よかったのもたくさんあります(ホントは私、高校演劇教えたいのかもしれません。あ、今も似たようなことやってるか……いや、プロを育てなきゃいけないんだから、全然違います)。
しかし、どうも九州の劇団の土壌となっている高校演劇はそういうのが多いのかな、と思い始めてる今日この頃なんです。以前観た熊本の劇団きららも、決して悪くはなかったんですが、演技の質がみんな同じだったし、去年ちょっと観た、福岡地区の高校演劇の発表会も、いわゆる“お芝居してますよ芝居”(昔の新劇もそんな感じでしたねぇ)がほとんどだったし(中には私好みの個性的な子もいたんですが異端っていう感じでした※いたんと異端の掛詞、わかって! しかし、私は絶対的に優等生より異端児が好きですねぇ……私も異端児だったからかもしれませんが)、去年、学院祭でやった学生の公演のアンケートには、高校演劇をやっているという子に「こういうのが演劇だとは思いません。演劇を馬鹿にしないで下さい!」と書かれちゃったし(笑)。いや、きっと演劇ってすごいものなんだって高校演劇で教わってきたんだと思いますよ! 皮肉でも何でもありますけど……いやホント、演劇は違う意味ですごいんですけどね。
というわけで、まぁ、細かいことをここでいってもしょうがないんで(って、結構いってますが)、いずれSAKURA前戦の人たちにはまた会うと思うので(劇を批評することと交流とは別ですからねぇ)、いろいろ訊いてみたいと思います。しかし、無駄なシーンが多かったなぁ。つまらないギャグや意味のない踊りなんかはしょって(この乾坤にもいえることかもしれませんが……すみません)、ストーリーを整理して構成し直せば、わからないことはないんだけどなぁ。泣いていた子に、「どうして泣けたの?」って尋ねても、どうもストーリーの本質をわかっていたわけじゃないようで、「あるシーンで泣けたというのと、作品自体で感動したというのは違うんだよ」と話したりしたんですけどね。まぁ、あとは役者の演技ですね。台詞を噛むとか、滑舌が悪いとか、誰に対して台詞をいっているのかいう以前の。最終的にはすべて演出家の責任なんでしょうけど。
う〜ん、まだまだ福岡の劇団の公演、いろいろ観に行きたいんですけど、なんか怖くなってきました……この感じ、15年ぐらい前、下北沢から神奈川に引っ越した後、いくつかのアマチュア劇団を観始めた頃の印象(あまりのクオリティの低さ、特に創造性のなさに驚いてしまいました)に似ているんですが、その後、神奈川はかなり変わってきましたからねぇ。いや、どんどん観に行きますよ! そして、いいたいことはいって、わからないことはどんどん訊いて! そうそう、来週、久しぶりに福岡演劇のひろばのオフ会があり、最初のうち、私がメインで話をすることになっているんですが(何を話すか、まだ決めてません)、前回とは違う人たちも多く来るようなんで、新たにいろんな交流が出来るといいなぁ、と思ってます。福岡の演劇、というより、今、そして、これからの劇団の状況についても、いろいろ訊いてみたいと思います! 報告は、再来週かな。
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(2004.6.8)