先週、「福岡はすっかり暖かくなりました」と書いたら、さっそく次の日に福岡で全国初の桜の開花宣言が出て(沖縄はとっくに咲いていましたが、全国という基準に入らないのかなと思っていたら、開花宣言というのは、桜のソメイヨシノを基準にして、標本木というのも決まっているらしいですね。ちなみに沖縄の早咲きの桜はヒカンザクラという種類だそうです。「悲観」ではなく「緋寒」ね)、さらに翌日には東京でも観測史上過去2番目の早さで開花宣言されましたが、福岡も東京もなんかまた寒くなってきたりして、まったく「春に三日の晴れなし」とはよくいったものだと思いますね。心地よい暖かさが安定するのはいつ頃になるのでしょうか。
ところで、福岡に来てからあまり症状が出なくなった花粉症ですが(去年もまったくそのことに触れてませんね)、今年は全国的に花粉の飛散が観測史上最小になるとか。去年の冷夏で花芽の生育が悪かったことが影響しているらしいです。ホピロン食堂の小須田氏やうちの中1の次男もそうなんですが、花粉症で悩んでいる人には朗報ですね。ただ、一方で花粉症必需品のマスクやティッシュの売上が落ち込んでいるとかで、いろいろ影響もあるようです。その小須田氏が出演する転球劇場の舞台『ケ・イ・ジ』が4月17・18日に福岡の西鉄ホールにも来ます。1月の『止まれない12人』の時には、一緒に飲みに行けなかったので、今度はぜひ行きたいですね! まぁ、小須田氏もおいしいもんいろいろ食べてるだろうから、変わったものでも……福岡は花粉も気にならない(?)と思うし。
さて、先週末、楽しみにしていた“福岡演劇のひろば”のオフ会というのに行って来ました。いやぁ、なんか福岡に来てそろそろ一年、ようやく地元のいろいろな演劇関係者と突っ込んだ話が出来た感じがしてほんとに楽しかったです。しかも飲み会の場所が大名にある大好きな沖縄料理の店。泡盛をグイグイやりながら、海ぶどうにゴーヤチャンプルー、フーチャンプルーやソーキの煮付などをおいしくいただきました。ま、食べ物の話はともかく、集まったのは最終的に16人で、初対面同士の人も多かったのですが、なかなか盛り上がりました。
福岡で古くから一番演劇を観ているだろうとみんなからもいわれている主宰の薙野信喜さんは、“福岡演劇の今”というサイトで、なかなか手厳しい演劇評、いや、「感想」(感想だからこそ何でも書けるということです)を書いているのですが、本人はいたって温和な、芝居好きのおっちゃんといった感じの方で(失礼!)、みんなが集まって楽しく話が出来るのも、薙野さんの人徳のおかげだと納得出来ました。その日は他に、演劇バトルE−1グランプリ九州大会実行委員会事務局の糸山裕子さん、北九州芸術劇場の戯曲講座に参加し、1月に小劇場でリーディングとして上演された『君のこえ〜解放曲〜』の作者・宮園瑠衣子さん、“オレアゴ”というサイトで佐賀の演劇について情報発信している東内拓理さん、福岡で劇衆南組という劇団を主宰している南新地さんと女優の大島るびさん、R&Sバレエ・アティチュードというスタジオでクラシックバレエを教えているダンサーの大内田早穂さんと田中理恵さん、そして、週刊StagePowerの掲示板でもおなじみのSUN CHILDさんらが来てました。
他にもたくさんいたんですが、私は学院のオープンキャンパスが終わってから駈け付けたため、ちょっと遅れ、みなさんの自己紹介を聞けなかったので、直接、話が出来た人以外はどういう人が来ていたのかはわかりませんが、演劇好きの人たちばかりだというのはわかりましたね。演劇の話の前には、福岡にある内浜落語会というところから来てくれた粗忽家勘々さん、勘珍さんという二人の若手の噺家の人に、落語の話や韓国で落語の公演をした話などをしてもらいながら、飲みつつ語り合いました。私も小学校六年生の時に書いた作文の“将来なりたいもの”が「天文学者・学校の先生・落語家」というぐらいで、昔から落語は好きなもんで(明治大学に入った時も、落研か映研に入ろうと思ってましたから。もし落研に入っていたら、三宅裕司、立川志の輔、渡辺正行、小宮孝泰氏らの後輩になってました!)、福岡には寄席小屋がなくて寂しいという話や、月光舎での韓国公演の観客の反応の話などもしました。学院にもぜひ来てもらいたいという話もしましたし、これから、福岡の落語界との交流も持てそうで楽しみです。
演劇に関する話では、野外劇をしている南組の南さんと、アングラや今の若い人たちの演劇の話で盛り上がったり(まぁ、アングラを知っている同世代ですからね)、女優の大島るびさんが「声優になりたいと思っていた」という話(でも、どこで習っていいかわからなかったそうで、これは代アニも宣伝不足だなぁと、つい学院の職員の立場になってしまったりしました。東内さんもアニメおたくだったそうです)、また、大内田さんや勘々さんとは、クラシックバレエが古典落語で、彼女もやっているコンテンポラリーダンスが新作落語だという話をしたりしました。
また、北九州と福岡の演劇状況の違いについても話したんですが、やはりそれぞれの土地の気質によるものがあるらしく、同じ関西でも京都と大阪がまったく違うように、同じ福岡でも、北九州は京都で、福岡は大阪だというようなことを聞きました。北九州は、かつては福岡より栄えていたというプライドが残っているということなんですね。なんとなくわかるような気がしました。そして、久留米もまったく違うそうです。久留米出身の人の話によれば、久留米の人たちには独特の雰囲気があり、家族や仲間を大事にするけど、その裏ではしっかりしていて、ユダヤ商人のようだとのことです。まだ久留米には行ったことがないので、そのうちトンコツラーメン発祥の地といわれている久留米にもぜひ行ってみたいと思いました。
そういえば、北九州の人は、何でもないこと、どうでもいいようなことをすぐ怒るという話も聞きました。別に悪口ではありませんが、福岡を中心にいろいろなところから来る学生たちに接していると、なるほどと納得出来る部分もありました。とにかく、演劇に関することだけでなく、地元の人たちと飲みながらいろいろぶっちゃけた話が出来て楽しかったし、すごく勉強になりましたね。学生たちに、「人と出会うことで人間は成長するんだよ」といっていながら、福岡に来て、なかなか新しい出会いがなかったんですが(学生たちは別として)、これをきっかけに、私もさらに成長していきたいと思います。福岡の演劇界にも協力出来ることはどんどん協力していきたいですね。
というわけで、右往左往の福岡での一年が過ぎ、4月からは新たな気持ちで取り組んでいこうと思ってるんですが(乾坤一滴のサブタイトルや写真も変えます)、その最後に、今週末には一年半ぶりに韓国に行って来ます! 行くのはソウルだけですが、8回目の訪韓になるのかな。もう、すごく楽しみです! 月曜日に帰って来るので、来週、報告は出来ると思いますが、演劇も映画も何本も観るハードスケジュールなので、どうなりますことやら!
※“福岡演劇のひろば”のオフ会は、残念ながらオフ会なので写真は撮れなかった、というわけじゃなくて、話に夢中になってて、みんなの写真を撮るのを忘れてしまったので、今週も写真はありません。すみません。
(2004.3.22)