福岡に来て、ちょうど一年経ちました。去年の4月に来た時は、その後どうなるかわからなかったんですが、今年は、というか、今年度、来年の3月までは、とりあえず福岡にいることになりそうです。まぁ、仕事先である代々木アニメーション学院・福岡校の声優タレント科も二年制になって、去年の4月に私と一緒に入った学生たちが卒業するまではしっかり見届けてやりたいという思いもありますしね。その後どうなるのかは、正直、全然わかりません。福岡は大好きですし、望まれればいるかもしれませんけど、韓国や福岡でいい舞台に接して、少し演劇の虫も疼き出して来ましたしね。まぁ、いい舞台を作るなら、別に東京でやらなくても、どこでも出来るということもわかってきたし、福岡の演劇界とも交流が広がりそうな気配なので、とりあえず、自然の成り行きに任せましょう。そうそう、韓国公演はいつかまた必ずしますよ。
というわけで、気分も新たに今週から模様替えです。メインの写真は、3月末に韓国に行った時にSTARSHOTで撮ってきたものです。いっときますが、私が好き好んでこういうポーズとったんじゃありませんからね! 撮ったことのある人ならわかると思いますけど、カメラマンの指示通りにしただけですからね! 実は、もっと恥ずかしいポーズ(片足を、膝を曲げて台の上に乗せ、片肘をそこについて、いわゆる考える人みたいな格好をしてカメラ目線でニコッとしたやつ)なんかも撮ったんですけど、それは焼き増ししてもらいませんでした! ちなみに、2ポーズで名刺大ぐらいの写真を10枚ずつ、計20枚焼いてくれて(そんなにもらってもしょうがないんですけどね)、1.300円でした。まぁ、みなさん、韓国に行ったら、話のネタにぜひ撮ることをお薦めします! ソウルでもいろんなところにあります。女の人は、昔のアイドルの写真のようなポーズをさせられますよ。しかし、ここだけの話ですが、今回のは、実は私、結構気に入ってるんです、フフフ。
で、模様替えした上でのタイトルですが、おそらくこれからも右往左往ぶりは相変わらずだと思うので、いわゆる「てんてこまい」や「てんやわんや」の博多弁バージョン「ちんちろまい」編ということで、一年間はお届けする予定です。そういえば、『ちんちろまい』という、博多出身の芸能人が大挙出演して博多でロケした全編博多弁の映画があるらしいですね。私はまだ観てませんが、そのうちビデオを借りて観てみたいと思います。なんか怪作らしいので楽しみですが。
さて、先週末は、2本の舞台を観て来ました。1本は先週も予告したホビロン小須田氏も出演している転球劇場の『ケ・イ・ジ』。転球劇場を観たのは初めてでしたが、ホビロン食堂でも書かれているように、エチュードで作り上げられていったというだけあって、計算されて作られた劇空間というより、ただそこにある世界で、登場人物たちが自然な流れを伴って行動していくことで(一歩間違うとコントになりかねない、日常としてはかなり異様な展開ではありますが)、ひとつの劇世界が生まれるという芝居で、実は私はこういうのも大好きなんですよ。月光舎でも昔、『TKO』という、芝居の中にヒロインをめぐるクイズ合戦(当然、勝敗は成り行きで決まります)なんかも取り入れた、エチュードで作り上げていった作品があり、それには私もロン毛のかつらをかぶり、ヒロインの父親役として髪を振り乱して出演してしまいました。エチュードで作っていくというと、ついつい遊んじゃうんですけど、要はそれをキチンとまとめればいいわけで、『TKO』は、ちゃんとした演劇(?)をよく観てる人にも、かなり評判はよかったです。螳螂時代の『ある晴れた朝、突然に…』とか、月光舎の『TKO』とかは、エチュードで作り上げた、二度とやれない幻の作品ですね。あ、『ある晴れ〜』は月光舎でも再演してしまいました。去年、韓国に持っていこうと思ったのも、これです。韓国での反応、見たかったですけどね。
すみません、『ケ・イ・ジ』から話がずれてしまいましたが、とにかく『ケ・イ・ジ』は、何が「ケ・イ・ジ」なのかよくわかりませんが、小須田氏も「なんかこの劇団の人たちはときどきよくわからないことを言う」と書いている通りの人たちが、そのまま、愛すべきコーポ石原の人たちとして登場している(小須田氏も)という感じですね。いや、決してあの住人たちの中には入りたくありませんけど。ちょっと残念だったのは、素敵なチラシだったんですが、内容がまったくわからず(エチュードで作っていくんだから、どうなるかわからないので当たり前といえば当たり前ですが)、敬遠してしまった人が多かったような気がする点ですね。私も学生たちに知らせるにしても、どういう芝居なのか伝え難かったです。それでも、ウワサに聞いていた転球劇場のことや小須田氏や小椋あずきさんのことを話して、多くの学生たちが観に行ってくれましたが。まぁ、何かを感じて、観に行った人だけが楽しめた(当たり前ですが)、うれしい芝居でした! ファンとして楽しめる劇団が、またひとつ出来ました! 当然、来福した時には、いや、大阪にも観に行こうかな。
そうそう、今回は小須田氏と飲みに行けましたよ! それも、博多といえばこれ、もつ鍋を! 終演後、一緒に観に行った学院の声優科の講師、棚原先生と今年度から学院の講師になった月光舎の中村祥子と、小須田氏とも面識のあるSUN CHILDさんの5人で、天神の近くの春吉というところにある“楽天地”というもつ鍋専門店の西中洲店に行きました。最初、私がお気に入りの“笑楽”という店に行ったんですが、満員で入れず(土曜の夜ですからねぇ)、すぐ近くの“楽天地”に行きました。ところが、ここはなんとガラガラで、一瞬、みんな「えっ?」と思ったのですが、芸能人のサインもたくさん飾ってあったので(別になんの根拠にもなりませんが)、そのまま入ってしまいました。で、また注文を取りに来た店の人が、「もつ鍋8人前でいいですか?」といったのにも、一瞬びっくり! 「いや、5人なんですけど……」まさか、5人の他に誰か3人いるのが、この人には見えるのか……と思ったら、「お一人様一人前では足りないと思いますので」というので、あ、そういうことかと納得。で、8人前だから鍋二つぐらいかな、と思っていたら、またしても鍋が出て来てびっくり! な、なんと、鍋にチョー山盛りですよ、ニラが! しかも、そのニラが崩れ落ちないような、まさに芸術的な積み方! 私と小須田氏は思わず、ヒョエーと驚いてしまいました(写真参照)! 小須田氏は「これが8人前だという根拠はあるのかなぁ」といっておりました。「8人前と7人前を取って、その違いを見てみたい」とも。まぁ、結果的には、もつも野菜(キャベツの甘さが出て、いい味になりました)も締めのチャンポンもおいしかったし、空いてて、というより、結局、他にお客さんが誰も入って来なくてよかったんですが、最初は正直ビビリました。いや、食べてる最中にも、まだ誰も来ないよぉ、と何となく気にして食べてましたが。いや、結構、座敷で広い店なんですよ。それがガラガラ。
ま、そんなこんなでしたが、とにかく、小須田氏と福岡で飲めて楽しかったです! 久しぶりに、いろいろ昔の話やらなんやらしました。封印中の第三舞台の演出家の話もね。そうそう、今週末には、その演出家の舞台『ハルシオン・デイズ』がやはり西鉄ホールに来るんですよ! 多分、観に行けると思います。演出家は来ないでしょうけど、大高氏が来ますね。といっても、大高氏とは、確かそれほど面識ないなぁ。なんせ、大高氏には、昔、螳螂の制作を手伝ってくれていたカッちゃんこと小松克彦(今は流山児★事務所の制作を手伝ってます)と私が兄弟だと思われていたぐらいですからね(前にちょっと書きましたよね)。
すみません、長くなりましたんで、翌日曜日に観た、劇団きららの『ほね屋』については次週ということで。いや、これもなかなか良かったんですよ!
(2004.4.20)