にっぽん伝統芸能館だより

(from FDENTOU)

〜1999年9月〜

<長月の伝統芸能館>1999.9

※ 130年ぶりの音楽教育大変換
平成14年度から義務教育の音楽科で「生徒は最低ひとつの邦楽器を習得しなければならない」と定められたとのこと。義務教育に洋楽を採用した当時の日本では邦楽こそが日常耳にする普通の音楽だったのだろうけど、今となっては邦楽は伝統芸能の仲間に入れられるという事実。そりゃ子供達に教えなけりゃって気にもなります。でも心配なのは教える側がちゃんと対応できるのだろうか?ってこと。洋楽を中心に学んできた音楽教師が大半だろうし、今から邦楽器や付随する唄/謡の稽古を始めたとして間に合うかしら?それに流儀による違いをどうやって乗り越えるのかな? だけど何より心配なのは果して子供達は正座できるか?だったりして。

※ 日舞はどこで観られるの?
日舞に興味を持った。まずは何から始めようか? 参考になる本を捜す...じゃ実際に舞台を観たいとなったら? お稽古していない初心者が情報を手に入れるにはどうしたらいいのでしょう。

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☆ 中西和久ひとり芝居「山椒大夫考」宮津公演
日 時:11月7日 (日) 14:00開演
料 金:前売券 ¥3,000 当日券 ¥3,500 全席自由
会 場:宮津会館 (宮津市島崎/KTR宮津駅徒歩10分)
問 合:中西和久ひとり芝居「山椒大夫考」公演宮津・与謝実行委員会
     宮津市由良1289-1 (由良の里センター内) 電話0772-26-0026
<学習会/説経節「さんせう太夫」を読む会>
  日 時:10月14日 (木) 19:30〜21:00過ぎまで
  場 所:宮津市福祉センター (宮津市鶴賀/KTR宮津駅下車徒歩5分)
  参加費:無料
  講 師:京都府立丹後郷土資料館  伊藤 太氏

「山椒太夫」と言えば安寿と厨子王の姉弟を主人公とする森鴎外の短編小説。この小説が中世の終わりごろに成立した説経節 (せっきょうぶし) の「さんせう太夫」を基に書かれていることを御存知でしたか?

『このひとり芝居は、説経節「さんせう太夫」をベースに、祭文 (さいもん) ・瞽女歌 (ごぜうた) ・文弥節 (ぶんやぶし) 、そして鴎外の小説と、中世から近代に至るまで連綿として民衆の叫びを語り伝えてきたこの伝説をめぐる諸芸能を考証、集大成して、中西和久氏が八面六臂で演ずるもの』だそうな。中西氏は芸能史の研究者としても名高い小沢昭一氏の愛弟子で説経師としてのまたの名*若松中太夫*をお持ち。師の小沢氏も「中世の呪術師の生まれ変わり」と評しているとか。山椒大夫縁の地丹後で上演されるひとり芝居は如何に。


今月の話題一覧

  • 江戸東京博物館歌舞伎公演@東京都江戸東京博物館ホール
  • 九月大歌舞伎@歌舞伎座
  • 九月花形歌舞伎 通し狂言 「小笠原騒動」@南座
  • 納涼御攝勧進帳@国立劇場 小劇場
  • スーパー歌舞伎 「新・三国志」@松竹座
  • 文楽東京9月公演
  • 女流義太夫若手演奏会 第13回「じょぎ」@上野広小路亭
  • 「咲大夫の会」@国立劇場
  • 文楽地方公演
  • 七小町その後
  • 第25回彦根城能@彦根城
  • 薪能@叶匠寿庵
  • サシコミ・ヒラキは面白かった
  • 9月定例公演@国立能楽堂
  • 男のキモノ
  • 子供に邦楽
  • 第二十三回篁宝会@石川県立能楽堂
  • 金剛定期能@金剛能楽堂
  • 日舞デビュー 公演はどこで観る?
  • お稽古再開


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