リレーエッセイ●「私とFSTAGE」vol.66 QP 05.14.2000 | |
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(vol.64 たろうさんからのバトンタッチ) たろうさんからバトンを受け取りました。FSTAGEでは至って目立たないQРです。たろうさんは海外から初登場を期待していたようですが、すみません、既に帰国しています。 テーマは「私とFSTAGE」なのですが、考えてみると私の場合、演劇関係者とはネット以外での付き合いの方が多いんだわ。私自身は関係者ではなく、ただの平凡で善良で常識的な一市民なんですが。 芝居見始めたのは割と遅いです。学生の頃は「夢の遊眠社」時代の野田秀樹や「劇団綺綺」時代の如月小春の全盛期だったんだけど(齢が分かりますね)、その頃はほとんど見てなかったです。 卒業した後、ジァンジァンに行ったりしたのですが、決定的なのは、蘭童セルなどという飲み友達を得たことで、招待券もらって寺山修司の「青ひげ公の城」を見に行ったあたりから遍歴が始まったのでした(企画公演で「月よりももっと」という題に変えられていたけど、たまたまその少し前にジァンジァンで福士恵二/ジュネの「青ひげ」を見たばかりだったので分かった)。当初はそんな有名な人だとは知らず、この名前を出すと小丸さんが羨ましがるのが不思議でした。 そういう個人的な付き合いから始まったので、私の観劇傾向は、あちこち手を出しているようで結構偏っていて、今でも「好きな芝居は?」と聞かれると答えに困っています。 最初のうちは、蘭童さんから譲ってもらった招待券やら、受付で名前を出すと安くなる特典を使って行くことが多かったので、彼女の知り合い関係の劇団が多かったです。東京ボードヴィルショーの「夢なかば」やプロジェクト・ナビの「銀河鉄道の夜」が印象に残っています。やがて自分も行くようになりましたが、これは万有引力のようなベテランが中心でした。 その辺の交友関係には落語関係者やら今をときめく電撃ネットワークの南部虎弾氏もいます。NIFTY で私が入っているフォーラムがそういう関係の所が多いのは、この辺りに起源があるんです。繰り返しますが、私は健全で平凡で善良で常識的な一市民ですよ。 蘭童さんに紹介してもらった劇団に花組芝居があります。最初に行ったのはグローブ座でやった「ロミオとジュリエット」だったかな。今でこそ大人気劇団ですが、当時はまだヘタで、どうしようもなくて、舞台で駄洒落を飛ばして顰蹙を買っていました。でも若い女の子(当時の)には大人気で、マスコミが興味持って良く話題にしていましたね。「花組がヘタだった頃」を知っているというのは私の自慢でもあります。 その花組芝居の人気役者で、今ではお天気お兄さんとしても人気のある木原実氏が企画公演をやったことがありました(「Wボイン」下北沢駅前劇場)。私もパンフを手伝ったのですが、この時集まった中に当時「パノラマ歓喜団」にいた高荷邦彦さんがいます(向うは覚えていないでしょうけど)。その縁で、パノ歓を見に行ったあたりが、私が通信を始めた頃に重なります。 ありゃ、全然 FSTAGE の話にならないぞ。ここまでは前史なので勘弁してね。 で、あとから判明した所では、パノラマ歓喜団のファンやら関係者が通信上には結構いたのでした。オフも企画したのですが、その「最終夏目漱石」を最後にパノ歓は解散してしまったのでした。まあ、この時に座長の仁村仁氏とも知り合ったんですが、彼とは渋谷のオン・エア・ウェストだとか新宿のロフトプラスワンだとか妙な所でばかり出会います。 こんな風に、「ぴあ」を見て正面から行くと言うよりも、個人的な交友関係で見に行くことの多い癖は、FSTAGE に入っても変わらず、結構目立っている割にオフでは見かけないと思われているかもしれません。映画界では有名人だけど演劇ではマイナーなじんのひろあき氏の舞台を結構見ているのもそのせいですね。じんの氏を知っていると言うと映画ファンには羨ましがられるんですが、FSTAGE の人にとっては珍しくないでしょう。 じんの氏と仁村氏、それとこれは別ルートで知った「指輪ホテル」が仁村氏の企画公演「グリムランド」で出会ったと言うのも何か不思議な感じがしました。この時は、私とも懇意にしている元「パノ歓」の女優さんが制作をやっていて、いろいろ情報を教えてくれました。さすがパソコン通信、訳の分からない交友をますます分からなくする役割は着実に果たしてくれています。裏話も聞いたんですが内緒です。 インドネシアには1998年から2年間行っていました。外国行くならその国の芝居を見てやろうと思うべき所なのでしょうが、言葉の壁やら、最初のうちは右も左も分からない状態だったこともあって、地元の芝居を見るようになったのは後半に入ってからでした。バリ島やらジャワの伝統演劇や舞踊は、観光客向けには賑わっているものの、一般客には人気がなく、ジャカルタのワヤン・オラン(ジャワ舞踊)劇場は毎日客が落語で言う「つ離れ」しない状態のようです。現代劇は盛んで創作物の他に欧米の現代の古典とでもいうべきレパートリーが結構上演されています。この辺の話は、一時帰国中に見た野田秀樹の「赤鬼」(タイ人役者による奴)の感想を交えてネットに書きましたので、下のアドレスを参照してください。中で、演劇が盛んな一方で映画は低調だと言う話が出ていますが、演劇は映画と比べて検閲しにくく、ゲリラ的上演がしやすいという事情もあるようです。 ということで、帰ってきたのはこの3月です。何か前史ばかり長いエセーになってしまいましたが、これからはなるべく顔を出すようにしますので、皆様、よろしく。 さて、お次は、たろうさん、私と続けば後に来るのはこの人しかいない、岡山に咲く可憐な(?)おたくの花、HIMさんです。 GHE00300@nifty.com QРでした。
参考サイト「月刊どぅにあ」: |
リレーエッセイ●組、次はHIMさんです。 |
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