週刊FSTAGE
リレーエッセイ「私とFSTAGE」
リレーエッセイ「私とFSTAGE」vol.45
Pooh 01.23.2000


何で私に振るかなぁ。この企画、基本的にアクティブの方々を繋いでいくのかと思ってたよ。私、アクティブじゃないよ。そりゃあ、RTはほぼ皆勤賞だけど、一部限定的な会員さん以外には「Pooh?誰?」って事になっちゃうと思うんだけどなぁ。ま、いいか。

「私とFSTAGE」へお立ち寄りの皆様、はじめまして。
暫しの間、私の戯言へのおつきあい、よろしくお願いします。
もっとも私の場合、FSTAGEを語るにはパソコン購入時まで遡らなくてはならないのですが。

●先ずは、パソコン

その頃、私は停滞していた。結構長い間ダラ〜っと生活していたら、「いい加減、何かしなくちゃ」というちょっとした気力と、少しだけ贅沢できそうな程度の小遣いが溜まった。

何をしよう?

色々な選択肢を比較検討の末、仕事関係の資格を取ることにした。この際だからきちんと教室に通って勉強し直すことにする。ちなみに仕事はDTPなので実技試験にはパソコンが必要なことも承知していたが、会社の昼休みを利用するつもりでいた。
パソコンは欲しくなかった。特に家でやりたいことも無いし、流行のInter netにも惹かれなかった。
これが97年の春頃のこと。

ところが数カ月後、試験日程が発表されると実技課題の作成期間と会社の盆休みが見事に重なっていることが判明。そこで泣く泣く「欲しくもないMac」を購入。で、私のパソコン歴が始まった。

けれども試験が終わると私の「欲しくもないMac」は案の定、高価なオブジェになった。しかも大きくて邪魔。もったいない。打開策として安物モデムを取り付け、IDを取得したのが97年秋だったと思う。

しばらく間Inter netと通信と、お試し期間を続けてみたけれど、なかなか積極的に活用するには至らない。
E-mail、Net surfingと、流行に乗ってみても、面白いは面白いのだが、どれも何だかいま一つ。いくつかの消去法を経て、次はフォーラムで遊んでみることにしたのは、もう、97年も終わる頃。

●やっとFSTAGEへ

フォーラム選びは迷わなかった。
私の楽しい時間の使い方として、本を読むこと、映画を見ること、それから芝居を観ることに優先順位が付くのだが、目指したのはこの3番目。本と映画には既に素敵に濃厚な仲間がいるが、演劇を観る友人は少ないというのが第1の理由。それから、「濃厚な人達」の「濃密な集まり」がどんなものかを既に知っている私には、一歩退いたところにいられる方がお気楽に長く楽しめそうだと思ったのが第2の理由。

FSTAGEに辿り着くとハンドルも決めずに即入会。様子を窺うと97年度ベストテンで話題が盛り上がっていた頃なので、98年の年明けてすぐだと思う。どうにも勝手が分からず、とりあえず未読発言をダウンロードしてリズムが掴めてから出直すことにした。

結局、そのままFSTAGEに戻ってくることも無いまま数ヶ月が過ぎた。それまでTheater Guide程度しか演劇情報の無い生活だったので、いきなりの情報の氾濫に捨拾選択すら面倒になってしまったのだ。
ところが、そうなると、私のパソコンは再び「高価なオブジェ」に逆戻り。頃は98年5月、話題の「ローリング・ストーン」も終わったばかり。「今なら話題についていけるかも」と思い、今度はRTを試してみることにする。

RT初参加。
これはかなりドキドキものだった。だって、芝居が好きで好きで堪らない人達がパソコン使ってまで語り合おうとしている場に紛れ込もうとしているわけでしょう?ついて行けるかどうか、やっぱり不安。とりあえずはROMで様子見のつもりで入室。このときハンドルも決めた。CRTの上にClassic Poohのぬいぐるみを置いていたので何も考えずにそこから採った。

覗いてみたRTは、皆さん熱くなって各々の演劇論を白熱させているなんて言うことは無く、その時の話題は芝居とマンガと酒等々、普通の楽しげな雑談だった。
が、少しホッとして油断したら次の瞬間ギョッとすることになる。いきなり呼びかけられたのだ。前回登場のなるみさんに。本当に焦ったなぁ。

「ここって、様子見のROMって御法度〜!?」

焦りはしたけど、逃げ出したら再びパソコンが埃を被るようになるのは目に見えていたので恐る恐る挨拶を返した。

これが私の実質的FSTAGE入会になった。

●そして、RT専門会員に

RTは私の性に合っていた。
会議室が一つの話題についてじっくり掘り下げて文章で吟味するなら、RTは反射で言葉を返していく場。平素は平和にキャッチボールや円陣パスを楽しんでいるのだけど、いきなり場外に飛ばし始めても、新たな話題を3つも4つも放り込んでみてもOK。中には走りながら手榴弾をパスして、そのまま走り去ってしまう人もいる。

生来の筆無精でE-mailすら面倒で、会議室に書き込むために文章を組み立てるのも気が進まず、かといってInter netの受信の重さにイライラする私が、お気楽にパソコンで遊べる方法をやっと見つけた!

かくして、私はRTの常連組入り。My MacはRT専用機に落ち着いて現在に至る。

●FSTAGEって...

RTで仲良くなればパソコンの向こうで打鍵している生身の本人に会ってみたくなる。
次の観劇で同じ劇場に居合わせることが分かれば挨拶くらいしたくなる。
次に顔を合わせた時には更なるFSTAGERを紹介されることもある。
お茶して話が弾んで...てな具合に繰り返せば、一人で観に行った筈なのに、何故か劇場内には友達がいっぱいで、終演後にはお茶とおしゃべりが付いてくる。

芝居を観るには座席に、通信するにはパソコンの前に、独りで座って成立する極めて個人的な趣味を組み合わせたら、生身の友達が増えていく。私にとってFSTAGEはそういう不思議な空間だ。

私に限ったことではなく、先に「私とFSTAGE」に登場した方々にも「オフ」の魅力を取り上げている記述が多いようだ。
パソコン通信という手段そのものにハマるより、それらを取り払ったところに魅力を感じる人が多いのは、やはりFSTAGEが、血の通った人間が動き、言葉を発し、時には唄い踊ることで成立する「舞台」を対象にしているからかなぁと考えている。

以上で、私のFSTAGE歴のみならず、通信歴まで語り終えてしまったようなものです。演劇への思い入れの記述がどこにも見あたらないですね(^_^;)。とんだお耳汚しでした。(<だから、作文は嫌いなんだってば!)

あー、それにしても、このリレーを次にどこに繋げよう。あの人もこの人も、知ってる人ってもう殆ど登場しちゃってる...。あと、頼めそうなのは...と、まぁいいか。RTに行って誰か捕獲して来よう!

ではまた、どこかの劇場で。  Pooh


  リレーエッセイ、次はzumaさんです。
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