週刊FSTAGE
リレーエッセイ「私とFSTAGE」
リレーエッセイ「私とFSTAGE」vol.36
逸行 11.21.1999


 出来心で大阪まで劇団☆新感線公演『LOST SEVEN』を観に行った際に、みやび猫さんに捕まりリレーすることになった逸行です。よろしくお願いします。

 さて、 FSTAGE に加入して「変わったこと」、これを書くのが自分と FSTAGE の関係を表すのに適しているかもしれません。変わったことと言えば、

其の1.1年の観劇回数が2桁増えた。

 加入前は多くても年間観劇回数は数本のオーダーで収まっていました。しかし、加入した年に1桁増え、その翌年には更に1桁増えていました。情報量の多さに負けて渦に巻き込まれていたとも言えるかもしれません。面白そうな芝居にはとにかく行ってみるという入れ食い状態。ただのアホでした。その内に観るものを選ぶようになり、現在では最盛期の半分まで本数を絞って観ています。これからもっと減ることでしょう。

其の2.複数人数で芝居を観ることもあるようになった。

 自分の周囲に芝居を観る人間がいなかったせいか、いつも一人で劇場に行っていました。しかしオフという形で他の観客の話を聞くと自分との捉え方の違いがあって面白い。どちらが正しいとかの個人的には不毛に思える議論ではなく、「ひょっとしたら、こうじゃないか?」「いや、こうかもしれないぞ?」と発想が広がっていくのは楽しい経験でした。毎回集団で観ようとは思いませんが、たまに参加するととてもいい刺激になります。自分も他の参加者にとっていい刺激になればいいのですが、実現できているようには思えないのが残念です。

其の3.泊りがけで地元以外の芝居を観に行くようになった。

 加入前にはとても考えられないことです。芝居を観るためだけに旅行をするなんて・・・しかし、よく考えてみると温泉旅行も温泉に入るためだけに行くなら変わらないじゃないかと屁理屈をこねて開き直っておりました。これも観劇回数の減少とともに減ってきています。全盛期は大坂行きは年に4回。福岡公演を観た翌日に仙台公演を観るというアホなこともしてました。

 どちらかというと保守的な自分が、なぜこのような行動に出るようになったか?情報に飢えていたということが一点挙げられます。もともと、芝居の世界にずっぽりとはまりこんでいなかったので、雑誌ぴあや劇場に行った時にもらうチラシ、これが入手していた情報の全てでした。この状態を打破するどころか消化不良を起こすくらいの情報が FSTAGE にはあふれていました。知らなかった劇団を知り、知らなかった役者を知る。これは FSTAGE に参加していなければ実現しなかったと思います。

 そして FSTAGE に集まる個性あふれるメンバーの方々。私には師匠と呼ぶ人物が山ほどいますが、皆ある意味で尊敬に値する能力・人格の持ち主です。これらの方々に出会わなければオフもあまり楽しいものではなかったかもしれません。その意味では運がよかったのかもしれませんね。

 あ、一つ書いておかないといけないことを思い出しました。あれは1997年の冬、土日2連続のオフに参加予定だった私は土曜のオフの宴会から帰宅しましたが、翌日の日曜日のオフに出ることはありませんでした。当時は幹事の方々に迷惑をかけてしまいましたが、その時は横断歩道を歩行中に飲酒運転の車にはねられて ICU にかつぎこまれていました。皆さんもソワレ観劇の後は夜遅くなることもありますので、十分お気をつけ下さい。

 さて、上に書いたように観劇回数が増えることは、前売りチケット入手主義の私にとっては休日の予定がどんどん半年以上先まで埋まることになりました。そして段々と観劇そのものが義務化しているような気がして、劇場へ行く意欲が失せてきました。チケットはあるが、劇場に行くのが楽しみではない。そうなってしまったので、これからはじっくりと選んだ舞台だけを観ることになるでしょう。

 しかし、だからと言って FSTAGE を脱会するわけではありません。参加のスタンスが変わるだけです。オフへの参加も減るでしょうし、当然オフの幹事もしなくなるでしょう。しかし、 FSTAGE のメンバーとして多くの情報から取捨選択して観ていくことはこれからも続けていきたいと思います。

 では、バトンを次の関西のSOMAさんに渡したいと思います。

逸行/IKKOU*
(JBC00107)


  リレーエッセイ、次はSOMAさんです。
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