週刊FSTAGE
リレーエッセイ「私とFSTAGE」
リレーエッセイ「私とFSTAGE」vol.29
睦月 10.02.1999


りうさんから引継ぎました睦月です。

レヴューって、うっ (^^;; 最近サボリがちなので、こそばゆいよ〜〜>りう さん

りうさんとはFSTAGEと、ご贔屓の花組芝居桂憲一さんのサイトでうきゃうきゃ遊んでいる仲であります (^^;;

芝居を見始めたのは、ある春休み、タイトルに惹かれてかった1冊の文庫本がきっかけでした。

【ゼンダ城の虜〜苔むす僕らが嬰児の夜〜】野田秀樹 著

コトバとイメージの奔流に幻惑されて、これを現実にする舞台とは…と、はじめてみたのが、代々木の三部作一挙上演。体育館で、2Fサイド席で、スクリーンでしか役者さんの顔がわからないのに (いま思うとなんて悪条件 (^^;;) 舞台からエネルギーが伝わってきました。わけのわからないアタマで、帰り道、いつもの半分の時間で走って家に帰りました。

それが、小劇場とよばれている芝居との出会いでした。

FSTAGEとの出会いは、あたしの芝居好きを知った会社の先輩が、NIFTYにこんな場所があるよ、と教えてくれたのがきっかけです。もらったイントロバックでIDをとり、始業前やお昼休みに、会社で読み始めました。で、読むと自分も書きたくなっちゃう。会社で書き込みしていても時間が足りない…

えい、買っちゃえ、とパソコンを買い込みました。たぶん、その頃のあたしは人間関係が煮詰まっていたのだと思います。学生時代の友人と会社関係の付き合いしかなかったその頃の自分にとって、通信というコミュニケーションは、新鮮でした。ハマったともいいますけど (笑)

FSTAGEがきっかけで、様々な「ひと」と出会うことができ、その中には芝居の創り手の方もいました。

「公演案内を (FSTAGEに) 書くなら、稽古場レポートとかつけてどんな”ひと”がやっているが、わかるものを書いたほうがいいよ」

「じゃ、稽古見にきて、アナタが書いてよ」

と、本読み後から本番1週間目までを週1で見学させて貰いました。

ネオ・ゼネレータ・プロジェクトのプロデュース公演
【砂と星のあいだに】 作:北村想 演出:大杉祐

舞台にひきつめられる筈の砂作りを手伝いながらの見学。芝居ってこんな風に、コトバに血と肉がついていくのか、と観るだけの立場のあたしには驚きでした。

ある感情を見つけ出すために演出家はどんな試みをするのか、役者さんはどう工夫するのか。芝居が出来あがるまで試行錯誤、壁にあたった役者さんや稽古場や飲み屋での感情の軋み、情熱。

もちろん、出来あがる過程がどうであれ、観客にとって、舞台から感じたものが大切だと思います。でも、好きな芝居を創っているひとを、創る過程も含めて、少しでも理解したい気持ちもあります。

あの稽古場レポートがきっかけで観にいってくださった方が、どれほどいたかは知りません。ただ、あたしにとっては、この時の経験や、FSTAGEでの皆さんのコトバで、気づいたこと、考えたことは、自分の感想をコトバにするときの助けになりました。

FSTAGEでは、創り手も観客も、同じ「場」で、話をしています。これは、演劇関係のWEBを見ていても、あまりない特色じゃないでしょうか。様々な立場の、「舞台」に魅力を感じている「ひと」が集まって、会話をしているそこに、あたしは魅力を感じて参加しています。

とにもかくにも、いちどFSTAGEにおいでくださいませ。あなたのコトバをお待ちしております。

次の方は、芝居見物に茶道にと、凝り性なぷらねっとさんにバトンをお渡しします。



リレーエッセイ、次はぷらねっとさんです。
週刊FSTAGE
リレーエッセイ「私とFSTAGE」


back
next