週刊FSTAGE
リレーエッセイ「私とFSTAGE」
リレーエッセイ「私とFSTAGE」vol.11
こねこ 05.31.1999

 森山さんから軽く二つ返事で、ご指名受けてしまいました、青森在住、身長150.3センチの、こねこでございます。アマチュアで、かれこれ10年ほど役者やってました。年数だけいっちょ前ですが、下手くそです。 (笑)

 さて、 FSTAGE …ということで私のステージ歴?を振り返りますと、幼い頃に歌って踊って「変身!」と飛び下りた押入れのステージに始まり…ピアノの発表会・中学の合唱・・中3の文化祭で演劇部に参加し幕が閉じた瞬間の「どっ!」と聴こえた客の拍手に感動し、高校では演劇部で没頭。副部長まで務めましたが (名ばかり) 、好きな男の子が3年の夏に運動部を引退したので思わず自分も高3の文化祭で引退表明、 (よくわかんねー、)

 やがて卒業して芝居から解放され、せいせいしたのも束の間、オトナシイ私は職場でストレスたまってステージで声を出したくて合唱団に入り2年間…第九にも参加し大きなステージにも立ったけどなんだか物足りなくなって、青森の劇団雪の会というところへ見学希望で行ったら、その場で台詞読ませられちゃって名前と住所聞かれて書いて、役がついちゃってそのまま公演に出ちゃいました。ははは、、

ちなみに雪の会は、伊奈かっぺいさん等がいらっしゃる劇団です。そこで役者をやらせてもらいつつ、東京公演にも参加させていただき CM や TV やラジオのお手伝いも楽しく経験させていただきつつ…他の劇団にも関わりつつ…アナウンス講座や声楽のレッスンにも通いジャズダンス社交ダンスは挫折したけど、 (虚弱なんです、) シナリオの勉強も始めたりして…たまにライブで汗を流し (客席で) そんなこんなで人見知りの私にも次第に顔見知りが増えつつあった数年前のある時、突然降った話に乗って、初めて脚本なるものを3日で書き上げたところ、その話は、すったもんだの末に消滅。しかし、旗揚げの話も沸いて乗せられその気になって脚本また3日で書き上げたら、騒動の後、世の中甘くないと言われて消滅。

 でも災い転じて福?捨てる神あれば拾ってくれる人もいるもんで、世の中広い?シナリオの添削で初めて誉められ、試しに東京の出版社へ送ってみたら、編集長さんから嬉しいお話を頂き、本になりました。

「もうひとつの・・・かぐや姫伝説」こむろいくこ著。

 そんな中、本業の転勤で仕事が変わり、時間的にも気持ち的にも余裕なくなり、芝居は観る側に回り劇団から遠離りました。芝居は、たまに東京まで出かけて観てました。地元じゃ出会えない小劇場の楽しいノリが東京にありました。・・・面白い。ステージの上にいる人達が楽しそうで羨ましい。滅多に笑わない私が、気がついたら笑ってて、よほどじゃないと泣かない私なのに、泣いていた・・笑いも涙も、本来こーゆーモンなんだよな…と気が付いた。頭で考えて笑うんじゃない、涙も笑いも自然に勝手に出てくる…現実を忘れてた。さっきまで悩んでたことも落ち込んでたことも夢を追いかけることに挫折しかけてたことも…全て。

 本をきっかけに、東京のアマチュア作家集団に入れていただき、都市博でのオムニバス公演という話も予定されてましたが、なんと都市博中止だそうな?、、、 拾ってくれる人間あっても捨てる神もいます。残念でした。

 その後まもなく、パソ通を始めて NIF の世界を知り (! ) フォーラムを覗き…会議室で、森山さんを見つけました。メール出したら出版社が一緒でした。世の中狭かった? …同じような人間は同じような場所に来るもんだ? (笑)


 ある日、前に一緒に芝居した子が、音楽やってる人を紹介してくれました。音楽・美術・映像・作家・役者が集まって何かやりたい! できれば青森だけじゃなく…という彼の発展的構想は、私が漠然と頭の中にあったものと一致していました。が、漠然としすぎて数人でミーティングを重ねても進展せず、先の女の子と、フォーラムの掲示版で見かけた男の子 (ネブタ製作もする裏方全般OKの小道具まで作っちゃう舞台監督) と私とで、芝居部門で枝分かれし、ミーティングで同席してた映像カメラマンと、森山さん誘って、アナウンス講座で知り合ったアナウンサーさんと声優さん加えて…さらに募集して紹介に紹介を重ね、助っ人も頼んで、初のプロデュース公演までどーにかこーにか至ったのが、先日の森山さんのお話にありました F.E.P です。

 F.E.P は、 Fantasy Earth Project の略で、劇団ではありません。いろんな場で活動している個々が、ジャンルや枠を越えて参加し、何か一つの形にできたら…と企画して生まれたユニットです。個人や既成の組織の一員としては制限や遠慮等があって出来ないようなこと・挑戦してみたいことを自由にできる場…いい意味での遊びや冒険ができる場が作れたら…更にそれが個々の次へのキッカケやステップにつながってくれたら・・と。

 関わってくれた人は、青森市・三沢市・十和田湖町・千葉・東京…最年少3才・高校生・大学生・社会人・主婦…半分は演劇経験者ですが、半分は観たこともない人。もちろん私は初演出。私以外は全員ほとんど初対面同士。けっこうな人数なのに喧嘩もなく、ノンキで頼りない私に代わって若い皆さんが自主的にテキパキテキパキ…ふつーは「できないよ」と言われることさえアイデア出して楽しみながら、すんなりやってのけちゃう人達ばかり。こんな雰囲気初めて!

 音楽は、作詞の件でシアターフォーラムに書き込みされていたプロデューサーさんの紹介で、17才の男の子が主題歌&挿入曲、約10曲全てオリジナルで創ってくれました。打ち合せはメールとチャット、あとは2度ほど東京千葉まで往復。

 衣装では東京のスタイリストさんにも御協力いただきました。

 音響は、掲示板みて興味を持ってくれた人が連絡くれて参加!ネットで効果音を取込み本番もパソコン持ち込みで作業してました。ハンコやパンフも作ってくれました。

 映像を絡めたので、数カ所でロケやって、サントラ作って、ビデオも製作。全て初作業で手探りだったけど、苦労までもが楽しめた…こんなに楽しませてもらっちゃっていいのかな? って。それは本の時と同様、アマチュアの特権なのでしょうね?

 出来の方は、制作も演出も未経験の私の力不足で、自分の頭に描いてた1/3くらいしか形に出来ず皆さんには申し訳なく悔しかったけど・・でも、打ち上げで「俺こーゆーのやりたかったんです! また声かけてください! 」って言ってくれた子や、演劇とは無縁だった普通の若い子が、観に来て笑ってくれて、子供が観て笑ってくれて、「また観たい」と楽しんでってくれた顔を目にできたのは、数多くの演劇関係者の酷評を吹き飛ばすほど私にとっては最高に嬉しいプレゼントでした。それらは私が、ずっと求めてた一番の目標でしたから。

 公演した「りとるさんた」は、数年前に旗揚げボツになった脚本を札幌の劇団用にリライトして再びボツになって、シナリオに書き直していたものでした。ボツにされていなかったら実現できなかったことです。最終的に集まったメンバーもそうでした。かつての劇団関係の人達に断わられてなかったら一緒に創れなかった最高のメンバーでした。公演後は、それぞれ拡散いたしまして、各々さらに忙しく活躍されているようです。

 Special Thanks の中には、いろんなキッカケと多くの励ましを頂いた Nifty serve の文字を入れさせてもらいました!

 今年の3月には、 F.E.P の2回めの公演が実現しました。劇団のような決まった組織ではないので、企画が出て参加できる人がいたら、都度結成です。今回もネットを通じて新しい人が加わってくれましたが、時期的にも大雪や仕事で来れない人が私を含めて次々…結局私は役者も兼ねることになり、ビデオ回して自己チェックしつつの稽古でした。


 じっさい仕事しながら芝居も…というと厳しいものがあります。時間が不規則な職場だと定期的な稽古に間に合わず、休暇が取れないので心身ともに無理な部分もでてきます。それが劇団という組織から退いた理由の一つです。劇団の人達も大好きだし、やりたくないわけじゃないけど、余裕がない。恩知らずのワガママと言われ悩んだこともありました。でも限られた少ない時間では、優先順位をつけるしかなく、ましてプロじゃないんだし…1度っきりの自分の人生、やりたいことやれるうちに、やってみなきゃわかんないよね? 何事も。なんて、でもほんとは私は内気で引っ込み思案なんです、、

 3月の公演後の三連休に、ちょっと書いてみたら脚本できちゃって、できてみたらやっぱり形にしてみたいなぁ…と懲りずに思えてしまった私。でも4月の転勤で、ますます余裕がなくなって (土日しか時間ない) 、まだ未定のままです…。

 でも7月には東京で芝居観るので、音楽や映像の人達と久々会おうかな…と。森山さんも御一緒できるといいですね?

 そして前々からの企画で具体化されてませんが、作品展の話もあります。 F.E.P は「なんでもあり!」なので、作品も、他人に迷惑や不快感を与えなければ基本的には何でもありです。 (いちおテーマ的なものはありますが…) 絵・写真・立体作品・文字・ご本人が作品になってもOK。音楽やコントも一人芝居も OK 。ちなみに、ショートものの芝居もやりたいなぁ…なんて・・興味のある方は御一報ください。作品だけなら全国飛べるかな?なんてね。。。

参画者や賛同者が集まりしだい企画を進めたいです。
(なんだか PR になっちゃって、ごめんなさい!)

 >>好事魔多し。でも好事になったのは、魔の時があったから

  悪運が強いのか、今のところ魔は好事に転じてくれてます。人見知りで引っ込み思案な私でも、 NIF のおかげで、さらに世界が広がりつつあります。皆さんどうもありがとう!これからもよろしくね? ☆

というわけで、フォーラムでいつもお世話してくださっている方へまたお世話になりたい…と続き・・なんとか、お願いします。

(こねこ こと、 こむろいくこ)


リレーエッセイ、次はしげはらさんです。
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