週刊FSTAGE
リレーエッセイ「私とFSTAGE」
リレーエッセイ「私とFSTAGE」vol.8
ふとがみ 05.10.1999

 FSTAGE メンバーだと言っても、ふとがみは通称カルカル (首都圏と関西圏を除いた話題のための会議室) にしか生息してないんです。だからあんまり書けることがない。あ。役者してます。札幌で。役者名は松本です。
 まあしかし、なんだか不思議な感じですね。札幌という地で芝居をやってて、全国のいろんなところのお芝居好きを知ることができる。まれな機会があってその一部の人たちとお会いしたことはあるんですけど、おおむねは顔も知らずにそれぞれの地域の話を読ませてもらう。
 どこまで自分のいる場と同じ状況なのか分からないから、具体的なことでお互い口を挟むことは少ないけど、「ああ。それぞれに苦労してがんばってんだなあ」などと思えて、なんか柔らかい連帯感を感じてしまう。

 さて、そんな中でふとがみは「札幌江別近郊演劇情報」と題して自分の地元演劇情報を毎月発信してる。地元の芝居を全国に発信してなんになるのか。そう思いながら続けてきたが、ある日カルカルに関係するある人に言われて分かった。「なんだか札幌ってお芝居が盛んに感じるよね」。
 がんばってんだよーと言いたいのか。おもしろいんだよーと言いたいのか。地元にお芝居好きが増えてほしいとも思ってやってることなんだけど、 FHOKUTO では続かなかったから、やっぱりとにかくお芝居好きな人たちに知らせ続けたいんだと思う。地元からの反応にも支えられて。
 ホントのところ地元民なら情報誌とかでキャッチ済みの情報ばかりのはずだから、どこかやっぱり他の地域に向けて発信しているという気持ちがあるんだと思う。「札幌、捨てたもんじゃないぞー」って。そんでもって、たまたま札幌あたりに来ることがあれば、ついでに見てくれる人が一人でも出てくれればいいな、と。

 と言いながら、去年から「札幌江別近郊演劇情報」はウェブにもしちゃったんだ。ウェブとカルカルの場で明らかに反応が違うのも確か。ウェブだと一カ月ごとの発言ということでもないから、たまに情報誌よりキャッチの早いケースも出てくるし、地元の芝居好きにも大いに立っているみたい。
 だけどね、 FSTAGE と、カルカルと出会わなかったら、ウェブにしたってこんなめんどくさいこと絶対やってない。情報を提供することの意義というか、そんなことに目覚めさせてくれたのは、なんたってカルカルなんだなあ。

 とはいえ、今はその次のことも考えたいと思っている。お芝居好きのための情報提供の次の段階。お芝居のおもしろさを少しでも地元世間に伝えていくこと。そのためにどんなことができるのかも考えていきたいと思うようになってきた。
 きっとそういうことをするのはウェブの方が向いているだろうと思う。だけどそれを指向していくとき、その可能性について考えていくためにも、いろいろよその地域の人たちの様子を気軽に見つめたり聞いたりもできるカルカルって場所が、改めて必要だと思う。
 あ。でもついでに全国各地で地元演劇の情報を発信しているサイトとの相互リンクも希望中。興味ある方はウェブの方ものぞいてみてくださいね (宣伝モード) 。

 うーん。ろくなことが書けませんね。そんなわけでさっさとバトンタッチします。次週は名古屋の方から兼松さんです。

「札幌江別近郊演劇情報」


リレーエッセイ、次は兼松さんです。
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