福岡演劇事情

(18) 2000.09.16 「利賀から帰れば、もう秋です」

 気がつけば秋風の吹く季節になってしまいました。いやあ、長いことさぼってしまいました。ゴメンナサイ。だって、仕事をが忙しくって・・・と言い訳しつつ、芝居ファイルをひもといてみれば、えー、この夏は結構芝居を観てますね。「阿修羅城の瞳」を東京と大阪の両方で観たりとか・・・。あれあれ。

 さらに、北九州が誇る飛ぶ劇場を富山県の利賀村まで追っかけて行きました。利賀山房で観る「生態系カズクン」の舞台は、なんだか懐かしい家に帰ってきたように思われました。そのあと西鉄ホールで元祖・囲み舞台のカズクンも観ましたが、また違った印象。嘘ではなく「2度おいしい」作品でした。
 また、利賀といえば、ここで紹介したペーター・ゲスナー氏が、今年の夏に利賀村で行われた「利賀サマー・アーツ・プログラム」の中の事業「JPAF演出家コンクール」で最優秀演出家賞を受賞されたそうです。
 ペーターさんは「演出という仕事」を私に見せてくれる方だと思っているので、それが認められたことは本当に嬉しいです。飛ぶ劇場や、ペーターさんが北九州で活躍されていることを誇りに思いますし、観客として、優れた舞台を地元で観ることができるのは、とても幸せです。

 さて、福岡ではこの秋も話題の公演が目白押し。
 「人間風車」や「リバーダンス」、スーパー歌舞伎「三国志」の福岡公演もあり、劇場通いで大忙しになりそうです。
 その中からいくつかの公演やイベントをご紹介します。

●ユニット ジグソーライス「ピース」
 9/23〜24@甘棠館show劇場

*地元商店街の中にオープンする劇場の柿落とし公演

●あなピグモ捕獲団「真夜中の王国」
 9/23〜24@あじびホール

*私が今最も気に入っている劇団。今回は「アナザーサイド」と銘打って、さて、どんなものをみせてくれるのか楽しみ。

●北九州演劇祭
 9/27〜11/26@北九州市内各地

*おなじみ?演劇祭も今年で8回目。扉座や白石加代子などの招聘劇団の他、飛ぶ劇場をはじめとする地元劇団の公演が市内各地で観られます。【ホームページ】

●クロックアップ・サイリックス「双六三昧」
 11/17〜19@甘棠館show劇場

*ほぼ毎公演、FSTAGEでひっそりとオフが開かれている劇団。このところぐんぐん力をつけている役者の成長ぶりに注目。

●第8回ふくおか県民文化祭県民創作劇場
 9月〜11月@ぽんプラザホール

*19世紀の終わりに書かれた3本の戯曲を、それぞれ地元の3人の演劇人が演出します。

 ここで、「ぽんプラザホール」のご紹介。
 「ぽんプラザホール」は、9月1日にキャナルシティ博多のとなりにオープンした福岡市音楽・演劇練習場祇園分館です。タヌキが出てきそうなネーミングですが、このホールは新設されたポンプ場の4階にあります。音響、照明設備と、可動式の座席を備え、108席、60席、座席のない平土間と、使用目的にあわせ、自由に設定できるそうです。
 開館記念イベントのひとつ、「ギンギラ太陽’S かぶりもの祭り」に行ってみましたが、ブリッジでキャナルシティにつながる2階部分には「下水道PRコーナー」などがある、よくわからない建物です。エレベーターは、おそらくは搬入にも使用されるために、やたらでっかい。今後は、このホールにも通うことになるのかな。

 以上、今回は盛りだくさんでお届けしました。



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