(16) 2000.02.06 「ペーターさんとうずめ劇場」あれは1996年10月のこと。同僚が「行きつけのスナックのマスターにチケットを売りつけられたから、芝居を観に行こう」と言いました。場所は北九州市八幡東区にある仲宿八幡宮。神社です。演目は斉藤憐作「赤目」。アングラです。神社の神殿をバックに、境内で繰り広げられる芝居は本当におもしろくて、わくわくしました。中休みに、役者さんが売りに来るおにぎりや焼きそばをほおばるのも楽しかった。それがペーター・ゲスナー氏と私の出会いでした。芝居の演出って、こういうものなのかと初めて私に思わせてくれたのもペーターさんでした。 ペーター・ゲスナー。1962年ライプチヒ生まれ。1993年に来日し、1996年4月に北九州市で「うずめ劇場」を旗揚げ。主に演出家として「うずめ劇場」の他、地元劇団の外部演出も手がける。以後、北九州市を拠点として活動。1999年にはうずめ演劇塾を開講し、地元での俳優育成を開始しました。 神社の他、寺の本堂、ホテルのベランダと毎回変わったところでの芝居を見せてくれるペーターさんですが(もちろん、ホールでの公演もなさっています)、今回は北九州市八幡西区のとある病院の敷地内にあるホールで、安部公房の「鞄」「時の崖」「棒になった男」を上演しました。うずめ劇場の役者の他2人の客演を迎え、また、舞台装置・衣装・宣伝美術は北九州市主宰のCenter for Contemporary Art(これはなんなのか不明)に参加のため来日中のケイン・ドウ氏が企画制作を行いました。 会場は、ホールと言っても小さなプライベートホールなので、各日たったの50席。6日間の公演はどの日も予約でいっぱいだったようです。このような公演を楽しめるのは、本当にぜいたくだと思いました。普段は東京や大阪からの来福公演を観ることが多い私ですが、地元にもまだまだいいものが転がっているなあと感じています。 *この文章を書くにあたって、「棒になった男」当日パンフレットを参照しました。
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