福岡演劇事情

(15) 2000.01.31 「地域限定!ギンギラ太陽's」

 「ギンギラ太陽’s」の公演を観てきました。夏の公演に続いて2度目です。福岡に戻ってきた当初から、情報誌の「演劇」のページにこの名前が載っていたのを見たことがありました。会場は「福岡ドーム内スポーツバー」????? それって、本当に演劇なの?どうやら福岡市内のデパートやら、名所のかぶりものをかぶるらしい。それって、コント????

 果たしてその実体は、かぶりものをかぶって建物、モノ、交通機関などに扮した役者達が、まさにそのものになりきって展開する、れっきとした「演劇」です。夏の天神・西鉄ホール進出も大成功。今回も、週末のチケットは売り切れという人気ぶりです。

 今回のテーマは「航空戦争」。スカイマークエアラインの参入によって、大騒ぎの福岡空港、大手3社の飛行機、安さで勝負していた高速バスはかた号、トンネル事故も重なってへろへろの新幹線達、福岡に負けじと頑張る九州内の各空港、J2落ち寸前アビスパ福岡練習場、ホークスまぐれ優勝に浮かれる福岡ドーム、米軍基地内の喫茶店からスタートし、福岡空港を発着する飛行機の機内食を請け負ったロイヤルホスト、長崎ちゃんぽんリンガーハット、果ては飛びたくても飛べなかったH2ロケットまで、続々登場するキャラ達のやりとりは、抱腹絶倒です。それに、今はぼろぼろ格納庫が残るのみの雁の巣飛行場、旧陸軍大刀洗飛行場、YSー11、97型飛行機。

 大爆笑しながら、大泣きしました。それぞれのモノの歴史とおもいに、いつも泣かされてしまうのです。しかし、こんな風に思い入れたっぷりに泣き笑うことができるのも、私が福岡に住み、この地に思い入れがあるからこそ。他の地域の人にはわからないかもしれません。最後のご挨拶で、大塚ムネトさんはいつものように「僕たちはこれからも福岡の人だけにわかるネタでやり続けます」とおっしゃいました。

 私はこれからも福岡を愛するのもとして、ギンギラ太陽’sを応援し続けたいなと思います。


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