杏里★最新版 8月30日更新
私は、今年公開された韓国映画ではおそらく上位に入る大好きな映画ではあるが、ちょっといろいろ盛り込み過ぎじゃないかな、というのが、ポン・ジュノファンとしての正直な感想ではある。ポン・ジュノファンとしては、やはり『殺人の追憶』の方がいいと思うだろう。だが、こういう大作映画にも、ポン・ジュノカラーがしっかり、しかもたくさん盛り込まれているのが楽しいし、コ・アソン(怪物にさらわれる娘役)という素晴らしい新人女優に出会えたことがうれしい! さっそく、家のパソコンの壁紙にしてしまった! あの怪物のフィギュアも欲しいと思った! しかし、ホント、お馬鹿な家族で、いいなぁ(笑)。ああいう家族、韓国にはよくいそうだけど。あ、いや、別に馬鹿にしてるわけじゃなくて、最近では失われた、家族本来の姿というか、古き良き家族という感じでいいなぁ、と……ほら、寺内貫太郎一家とか、昔は日本にもよくあった家族ね。というわけで、久しぶりの韓国映画星取り表では、★★★★!
この日は、映画を観た後、長男と西口の居酒屋で食事をして家に帰る。パソコンは相変わらずダメで、翌日リカバリをすることにして、データの整理をして寝る。
■8月16日(水)
朝からパソコンのリカバリを進め、昼飯を食べてから、下北沢の駅前劇場へ。代アニ・福岡校の去年3月の卒業生で、舞台発表会『聖ミカエラ学園漂流記』では海軍少佐・狩野大介役をやった太田鷹史が、主役で出演する舞台、Bambooプロデュースの『100万ドルは誰のもの!?』の観劇。他の日の本番を観に行く予定だったが、観れるかどうか怪しくなり、2時半からの初日の前のゲネプロを観せてもらう。演出の劇団キンダースペースの原田一樹氏のことは古くから知っていたが、会うのは初めて。原田氏に挨拶をすると、氏も「昔、よく拝見してましたよ、螳螂!」と懐かしそうに話してくれた。原田氏は、5年前、美加理や夏木マリさんが出演した三島由紀夫の『サド侯爵夫人』の演出もした。私は観てはいないが。
芝居の方は、1971年に書かれたアメリカの作家、ジャック・シャーキー作のオーソドックスなウェルメイド・コメディ。昔から、ニール・サイモンの映画などもよく観ていて、観る分には好きなジャンルだが、あまり自分で演出したいとは思わない。元々、脚本はしっかり出来ていておもしろいので、劇的に膨らませて見せられる要素があまりないからだ。あと、役者の力に寄るところも大きいと思うし。手堅いオーソドックスな芝居が得意な演出家には向いているのだろうが。太田は、財産を巡る結婚騒動に巻き込まれる恋人カップルを、2枚目的要素を生かしてよくやっていたが、まだ演技にそれほど幅がないので、やはり、脚本のおもしろさに助けられているという感じだ。台詞の声の高低の幅を広げ、演技ももっとリラックスして、いろいろ遊べるようになれば、おもしろくなると思う。まだゲネプロなので、そういう話を太田にして劇場を後にしたから、本番で少しは変わってくれているといいが。個人的には、どうしてもこういうしっかり作られた芝居を観ていると、変に個性的で浮いているような俳優についつい目がいってしまい、本筋とはあまり関係のないボーイ3人組(特にAの井手口晃)を見ては、一人でウケていた。
家に帰り、パソコンのリカバリを確認し、夜、乾坤の原稿をやっと送る。とりあえず、パソコンはスムーズに動いてくれるようになった。
■8月17日(木)・18日(金)
前日で9日間の夏休みも終わり、17日より学院へ出勤。世間はまだお盆休みの人もいるのか、朝の通勤はかなり空いている。もちろん、学生もいないし。学院では2日間とも、終日、9月以降の授業のカリキュラムガイド作りなどの授業準備と19・20日と2日間連続で行われるスペシャル体験入学の準備。
■8月19日(土)・20日(日)
2日連続のスペシャル体験入学。夏はとにかく、こういったイベントが多い。来年入学してくれる可能性のある学生たちが夏休みだからだ。この両日は、横浜校には珍しく、19日は深見梨加さん、20日は中川玲さんという声優さんのゲストが来てくれる。セーラーヴィーナスの(というより、最近は洋画の吹替えでジョディ・フォスターやジュリア・ロバーツやキャサリン・ゼタ・ジョーンズをやっている)深見さんとは、福岡校にいる時にやはり体験入学で何回か会い、飲みにも行ったが、横浜校では飲みには行けず、またいつか機会があったら、と約束をして見送る。
20日の体験入学には、福岡校の今年の卒業生で、現在、青年座の研究所に通っている吉富睦が、夏休みということもあって手伝いに来てくれ、横浜校の在校生や卒業生たちとも交流する。ついでに、体験授業の中で『外郎売り』の口上を披露してもらうが、さすが福岡校の優等生・吉富! その素晴らしさに、参加者はもちろんのこと、在校生たちも驚く! 横浜校の先生方にも紹介し、体験終了後、吉富も交え、桜木町まで歩き、“三陽”で餃子を食べる。吉富も、餃子の美味さと共に、親父さんの話術に驚き(三陽のホームページを開くと聞こえてくる、アレです!)、気に入ったと喜ぶ。結局、翌日、かなりニンニク臭くなるぐらいに餃子やバクダンをしこたまパクつき、“三陽”を出てから、ランドマークタワーや日本丸のある、みなとみらい地区をちょっとブラつく。そこで、大道芸をやっているKajaという大道芸人の芸を観る。これがなかなかおもしろく、話術も巧いし、技術も本物で、すっかり気に入ってしまう! 調べたら、やはりそれなりにやっている人だということがわかる。ぜひまた、どこかで観てみたい。その後、吉富とは横浜で別れ、家に帰る。
家では、早実・駒大苫小牧の決勝15回引き分け戦を振り返りながら、また飲んでしまう。それについては、先週の乾坤に書いたな!
■8月21日(月)
いつも通り、学院に出勤し、終日、スペシャル体験入学の参加者に送る後フォローの手紙書き。もちろん、テレビでは夏の高校野球の決勝戦! とにかく、最後の斎藤と田中の対決には身震いしたし、思いっきり三振した後の、悔いなくやったという田中の笑顔や、クールといわれていた斎藤が、外野席に報告に行く時やクールダウンの時に泣いた顔は、永遠に忘れられないだろう。両校のみんなに拍手を送った後、長く、いろいろ劇的だった夏の高校野球がすべて終わったことを感じ、ちょっと放心状態になる。その日の後のことは覚えていない。
この日から、三男が中学のバスケットボール部の2泊3日の合宿に行く。役員をやっている妻も一緒。
……というわけで、やはり、かなり長くなったので、この続きはまた来週! といっても、23日に初めてお台場に行ったこととか、そこで『僕の、世界の中心は、君だ。』を観たこととか、フジテレビの佐々木恭子アナウンサーに惚れ直したことぐらい……あぁ、やっぱり長くなるな。次男の高校野球の秋季大会の予選も始まったし。
さぁ、今週の金曜日から9月1日だ! 学院の授業も始まる! そうそう、遅ればせながら、ようやく、乾坤一滴プラスの方に、『小松杏里の2005韓国映画ベストテン』がアップされたので見てほしい! そして、観ていない作品は、ぜひ観て、感想も聞かせてほしい! 意外なものも入っていたりすると思うので、レンタルDVDで、どうぞ!
(2006.8.30)
(つづく)