2006年8月第4週

 先週は、夏の高校野球の話だけで終わってしまったが、高校野球が終わっても、まだまだ斎藤フィーバーは続いている。それが、ハンカチだったり、愛読書だったりと、直接、野球と関係のない(こともないけど)ところだから驚きだ! あ、ベッカムカプセルというのもあったな。しかし、ハンカチというよりハンドタオルだよな、あれ。でも、“ハンドタオル王子”だといいにくいから“ハンカチ”にしてるんだろうな。しかし、“王子”ってのも、最近、監禁王子とか、あまりいい印象がないけど……。そのハンドタオル、私もいつも携帯して汗拭きに使っているが、なんだか、青いタオルは使いづらくなっちゃったなぁ、真似してるって思われそうで。いや、誰も思わないか(笑)。

 愛読書は、『野球食』という本らしいが、だったら、『サッカー食』とか『ゴルフ食』とか『相撲食』、あ、これはチャンコか……なんてのも考えられるな! 『演劇食』ってのもいいかも、って、何食えってんだ! 『小劇場食』なら、貧乏食でありそうだけど。他にもそのうち、彼のクールな顔の魅力になっている、黒子(ほくろ)の話題とか、出身地・群馬の太田市の話題なんかもテレビで取り上げられるんだろうな。いや、もうやってるかな。すでに家にも帰れなくなったりして大変みたいだし。彼女ともなかなか会えないだろうな。しかし、アイドルじゃねぇんだから、勘弁してやれよ! アメリカから帰って来たら、また大変だろうな。かわいそうに。

 そうそう、『笑っていいとも!』でやってるような、斎藤のそっくりさんとかも出て来るだろうね。あ、ウチの次男出そうかな、嫌がると思うけど。高校が始まって、担任の先生にも「似てる!」っていわれたらしい。いずれ、物真似するやつも出て来るだろうな。青いハンドタオルはすでにいろいろ使われているけど(笑)。

 なんにしても、元は斎藤のあの素晴らしいピッチングと、爽やかで一途な対応なのだけど、それにしても、マスコミは騒ぎ過ぎだと思う! まぁ要するに、“社会現象”なんていわれているのは、自然に広がるわけじゃなく、マスコミが作り出すものなんだってのが、改めてわかったわけだ。しかし、世の中にはもっと大事な事件もあるだろうに。ヤバイよ、憲法を変えたいなんていってる人が、次の首相になったりすると。誰とはいわないけど。すぐ、戦争だね。ま、バカな若者や甘い親が多い今の世の中のことを考えると、それもいいかもしれないけど。ウチの子供たちも、韓国みたいに兵役に行かせたいよ、まったく。

 だいたい、最近、なんで若者がすぐ人を殺しちゃったりするかというと、死ぬとか、人を殺すってことが、怖くなくなってきてるからだと思うんだ。別に道徳的にどうのこうのっていうより、とにかく、俺が小さい頃は、人を殺すなんてことは、とてつもなく恐ろしいことだと感じてたもんなぁ。死ぬってことも怖かったし。それが、テレビや映画やゲームの中で、どんどん人が死んだり、殺したりするのが普通になってきて、要するに、擬似とはいえ、死ってものに麻痺してきたんだな。死ぬってことが、そんなに怖いと思わなくなってきたわけだ。だから、自殺も増えてるし。家庭は核家族化してきて年寄りと接する機会が減ってきた上に、その年寄りも長生きするようになって(ま、それはいいんだけど)、身近に死を感じなくなってきた。だから、人が死ぬってことに対しての哀しみの感情が理解出来なくなってきたりしてるわけだ。学院の授業でやってる喜怒哀楽の感情表現のエチュードでも、泣いたり怒ったりすることが出来ない学生が増えている。メソメソ泣いたり、ムカツクって感じの怒りはあっても、号泣するとか怒りを爆発させるなんてことが出来ない。困ったもんだ。あぁ、ホントに日本はいったいどうなるのだろう?

 ……ちょっと話がズレたが、斎藤の話題を頻繁に取り上げたりするのも、要するに、マスコミも人気商売ってことなんだな。ま、斎藤や田中の進路がどうであれ、本人が決めることだから、温かく見守ってあげましょうや! もちろん、プロに行くことになったら、話は別! 個人的には、斎藤にはソフトバンクかヤクルトに、田中には日ハムか阪神に行ってほしいけど! 大学なんか行くより、工藤や桑田や松坂みたいに、即プロでガンガンやってほしいなぁ! それからメジャーに行けばいいし!

 で、最近は他にも、坂東眞砂子の子猫殺しとか(いろいろ事情はあると思うが、他の方法を選択すべきだったと、私は思う。別に目くじら立てて攻める気はないけど)、冥王星の問題とか(高取英の芝居で、第二次演劇団でやった『冥王星の使者』というのがあったが、今やったら受けるだろうな!)、いろいろ突っ込みたくなるような話題が多いのだけど、まずは、2006年8月後半のまとめを日記形式で! といっても、全部は無理だな……。

■8月14日(月)

 朝9時出発で、箱根の温泉『箱根の湯』へ日帰りドライブ(もちろん、妻の運転)。野球仲間と買い物に行く予定の次男以外の家族と義母の合計5人。自家源泉で質も良いと評判の『箱根の湯』は、以前から気になっていた温泉で、宿泊施設はないが、休憩所があり、食事や飲み物の持ち込みが自由なので、ウチみたいな大家族には経済的なのだ。朝からおいなりさんとおかずをいっぱい作り(もちろん、妻が)、クーラーボックスにビールやチューハイやジュースを入れ込み、比較的空いていた小田原厚木道路を一路、箱根湯本へ。小田厚の出口でちょっと混んだが、10時過ぎには目的地に到着。まだ早かったので、中も空いていて、休憩所もゆったりした場所が取れた。結局、1回のんびり温泉に浸かって出て、ビールを飲みながら昼食を食べ、ひと眠りして、また入った。

 2回目の時には、富士登山をしてきたという(箱根の山の間違いじゃないかと思うのだけど)、インド人の団体10人ぐらいが突然ドヤドヤと入ってきて、露天風呂は、一瞬、異様な雰囲気に包まれた。私は寝湯に並んで浸かりながら、隣りのインド人〜(戸川純の名曲! 知らねぇだろうなぁ)に一生懸命英語で話し掛けていたのだが、長男は広いバイブラ湯で、日本語で話をしたらしい。日本語は結構達者だったとか。しかし、独特の体臭が漂ってくるし(いや、別にカレーの臭いってわけじゃないけど)、完全な和式の露天風呂にインド人たちがたくさん入っている絵というのは、なかなかシュールだった! そうそう、上から落ちてくる打たせ湯に、股間のイチモツを打たせているインド人がいたり、頭にターバンこそ巻いていなかったが、バスタオルを腰に巻いたまま湯船に入ったインド人がいて、団体の中の日本通らしきリーダーっぽいインド人に注意されていたなぁ(笑)。

 『箱根の湯』を3時ぐらいに出た後、そのまま帰るのもつまらないということで、近くの芦ノ湖畔までドライブした。箱根は2、3年に1回は訪れ、その度に芦ノ湖にも寄るのだが(遊覧船にも乗ったりする)、今回は元箱根に出たので、箱根神社をお参りし、湖畔に立っている大きな鳥居も間近で見た。それは初めて。湖畔は涼しくて気持ちがよかった。どうせなら、どこかの旅館にでも泊まってのんびりしたいとも思ったが、それは次の機会に残しておくことにして(いつになるかわからないが)、5時前には芦ノ湖を離れた。夕方のラッシュで混んでいるかとも思ったが、お盆休みで仕事の車がない分、道は空いていて、スムーズに家に帰れた。

 家に帰ると、車のラジオで聞いていた東京大停電のニュースを見ながら、乾坤の原稿を書き進めたが、心地よい疲れに負けてしまい、翌日送ることにする。

■8月15日(火)

 61回目の終戦記念、いや、敗戦宣言日。ま、いいか。朝から高校野球(もちろん、駒大苫小牧対青森山田戦!)を見つつパソコンに向かうが、おかしい。すぐに消えてしまったり、エラーメッセージが頻繁に出る。というわけで、乾坤の原稿送れず。

 午後から町田に出て、三男のためのバスケットシューズを買う。2万いくらかする皮製のかっこよくて軽いやつがあったが、予算オーバーなので、残念ながら断念。しかし、結構するんだなぁ、バッシュも。昔は、いわゆる普通の、星のマークのコンバースのしかなかったような気がするんだけど、って、何十年前の話だ!

 その後、新宿で長男と待ち合わせ、西口の明治安田生命ホールで、韓国映画『グエムル−漢江の怪物−』の試写会を観る。長男は、韓国映画を映画館(今回は試写会なのでホールだけど)で観るのは初めて、というより、韓国映画はDVDでもほとんど観ていない。『猟奇的な彼女』ぐらいかな。長男は「これって怪獣映画なの?」といっていたが、予備知識として、ポン・ジュノという監督の作品は一筋縄ではいかないおもしろさだということと、私が韓国に芝居を観に行って一緒に写真も撮った、大好きなペ・ドゥナが出てるということと、主演のソン・ガンホはいい役者だということぐらいを教えた。

 いやぁ、楽しい映画だった! 笑って泣けて、驚いて! その繰り返し! ポン・ジュノ、なかなかエンターテインメントしてるじゃん! って感じ。観終わって「おもしろかったぁ!」と喜んだ長男は、ポン・ジュノの他の作品も観たいといったので、「家にみんなDVDあるだろ!」と答え、『殺人の追憶』を観ることを薦める。『グエムル』に関しては、公式サイトでいろいろな感想が書かれ(私もひとこと書いたが)、「すごくつまらない」や「つまらない」という人も結構いるのが、おもしろい! つまり、賛否両論とまではいかないまでも、受け入れられない人には受け入れられない映画なのだ(いろいろな理由があり、それは理解出来てしまう! つまり、そんなことはわかってるんだよ、といいたくなるのだ)。それがどうしてだかは、『グエムル』を観てもらうとして、決して、その、個人的に受け入れられない理由だけで判断してはいけない映画だと思う(ここら辺は、公式サイトの感想を見てもらえばわかると思うが、まぁ、考えが浅いというか、映画ってこうじゃなきゃいけないと思っている、頭の固い人が多いというのがわかった)。

【8月第4週後半へ続く】

(2006.8.30)


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