うぅ、負けてしまったぁ、ソフトバンクホークス! まぁ、ロッテも31年ぶりのリーグ優勝だし、おめでとう! ということで、異様に盛り上がっていた福岡の街は、またしても去年のように、シオシオのパー(知ってますぅ?)状態で、急に静かになってしまうんだろうなぁ……でも、セールはいろいろあるんでしょうね。来年こそは、おととし観逃した福岡ドーム、いや、ヤフードームでの日本シリーズ、観に行きたいなぁ! 相手は、大好きな古田新監督のヤクルトで! 原も地元だし(東海大相模)、好きだけど、今の巨人はなぁ……それはそれとして、今週は、芝居の話題をふたつ!
ひとつは、先週書こうと思ってて忘れた(最近、ちょっとしたもの忘れが多くなってきてるんです。これって『私の頭の中の消しゴム』? じゃないと思いますけど)、ギンギラ太陽’sの東京公演のこと。といっても、公演があったのは先々週で(10月7日〜10日)、私は観に行けてませんっ! うぇ〜ん……いや、行きたかったんですけどねぇ、ホント。だって、パルコですよ! あ、その辺りのことは前に書きましたね。
その公演が終わって、その様子がいろいろなところに書かれていて(福岡演劇のひろばに“東京公演の模様”ということで、たくさんリンクされているので、ぜひ見てみて下さい!)、絶賛の嵐で、もう、うれしいったらありゃしない! だってねぇ、私が福岡に来て観て、初めて大のお気に入りになった劇団ですからねぇ! もちろん、東京でも通用するって話もずっとしてましたし、ホント、良かった良かった! 彼らがこっちに帰って来てから、代アニ・福岡校の今年3月の卒業生で、ギンギラに入って、なんと東京のパルコ劇場公演で舞台デビューした、ラッキーボーイの石丸明裕が学院に報告に来てくれたんですが、もう笑顔でガッチリ握手してしまいました! もう一人の卒業生のギンギラ入団者、田中侑希も同じくパルコ劇場デビューということで、いやぁ、うれしいことです! その経験を生かして、ずっと演劇界で頑張っていってもらいたいですね! 東京公演には、同期の卒業生で東京に行った子たちもいろいろ観に行ったそうで……やっぱり、私も行きたかったなぁ! 大塚さんたちと、はたまた卒業生たちと、渋谷で飲みたかったなぁ! 制作で出演もしている、いや、出演者で制作も兼ねている、かな、の立石さんからも11月の凱旋+福岡西方沖地震による公演中止リベンジ公演(11〜13日:西鉄ホール)のことで電話をもらい、いただいた電話ながら「おめでとうございます!」といわせていただきました。凱旋公演の時には、ぜひまた大塚さんたちとも飲みに行きたいですねぇ!
というわけで、まずひとつは、観れなかったけど、我が事のようにうれしいギンギラの東京初公演のこと! で、もうひとつは、我が演劇鑑賞史に残る、『天保十二年のシェイクスピア』を観れたこと!
先週は、例によって金曜夜の飛行機(珍しく遅れはなし)で神奈川に帰り(実に4ヶ月ぶり!)、土曜の昼間は家で片づけやらなんやらやっていて、夜、渋谷のシアターコクーンに『天保〜』を観に行って、日曜は、昼間、IPATで競馬をやって(先週予想した秋華賞は、武豊のエアメサイアが勝ち、ラインクラフトが2着でしたが、3着はニシノナースコールで、またまたハズレ! もう、次の菊花賞はディープインパクトの3冠を楽しみにしているだけにします!)、夕方、震度3の地震に遭って、夜は例によって家族でスーパー銭湯(今回は久しぶりに相模原の“ざぶん”)に行き、帰って来てソフトバンクVSロッテ戦を観ながら(ここまでは、タイに持ち込んで良かったんだけど……)夕飯を食べ、翌朝、例によって4時起きで6時半羽田発の飛行機で福岡に戻って来たわけで、考えてみたら、特別なことといえば『天保〜』観劇だけだから、まさにそれを観に行くために帰ったようなもんで、となると、往復の飛行機代+『天保〜』のチケット代で、5万近くかかっている計算なんだけど、はっきりいって、全然惜しくなかったです! いや、ホント。まぁ、二度と経験出来ない時間を過ごせたということは、それぐらいの価値があってもいいと思うわけです。もちろん、単に『天保〜』という芝居自体のことだけじゃなく、それに付随したいろいろなことを含めてですけどね。それを全部しっかり書いていくと長くなっちゃうんで、箇条書きにすると、(1)私が初めて蜷川演出の舞台を観たのは、蜷川の商業演劇初演出の『ロミオとジュリエット』で、31年前の17歳の時。で、最近、演劇にのめり込み始めている長男(新感線の『吉原御免状』も観て来た)が、今回、蜷川演出の舞台を生で初めて観たわけですが、年が17歳! 不思議な縁を感じますし、まさか、息子と一緒に蜷川演出の舞台を観に行けるようになるとは思いませんでした。というのも、蜷川さんが現役で頑張ってくれているからですが、(2)として、その蜷川さんの70歳の誕生日の日の公演で、サプライズがいろいろあったこと! 後で息子に聞いたら、その日はいろんな芸能人が来ていたらしく(どこかのサイトに書いてあったらしいです)、私は好きな役者以外は特に興味はないんで、それはいいんですが、二つ後ろの席に作者の井上ひさしさんがいらしていたのは気がつきました。で、終演後、カーテンコールの時に唐沢寿明がマイクを手に、「みなさん、ご存知だと思いますが」と蜷川さんの誕生日を発表して、客席の一番後ろにいた蜷川さんを呼び、7本のローソクが挿してある大きなケーキを前に、役者たちも観客もみんなで「ハッピィーバースディ、トゥーユー!」と歌ったわけです。その後、井上さんが花束を持って登場して蜷川さんに渡し、観劇した感想を「これぞ、まさに演劇! こんなに観客と舞台が一体化しているのを観たのは、私の長い演劇人生の中でも初めてだ。いい悪いは別としてね(笑)」といい、その日に発表された蜷川さんの菊池寛賞受賞を祝い、この後も井上作品を蜷川演出で行うことを予感させるような話をして、客席からは大きな拍手が沸き起こりました。う〜ん、箇条書きにするといってても、長くなりましたね、すいません。しかし、70歳とは思えない元気さですね、蜷川さんは。私なんか、とても70まで演劇に関わっているとは思えません。あ、今もセミリタイアしているようなもんですけどね。でも、完全に辞めたわけじゃありませんから。やりたいですね、いつか。
さて、(3)はもちろん、『天保十二年のシェイクスピア』という芝居を観ることが出来たことです。シアターコクーンの前から9列目の席。役者の顔もはっきり見える、下手側の通路の横で、コクーンでこんないい席で観ることが出来たのは初めてだと思いますよ。まぁこれも、ある方のおかげでして、とても感謝してます! ありがとうございます、Nさん!
上演時間は20分の休憩を入れて4時間。こんな長い芝居も久しぶりです。6月に観た『黒蜥蜴』は3時間でしたからね。しかし、まぁったく飽きませんでした。ていうか、いい芝居を観ている時にいつも思う通り、このままいつまでも終わらないで欲しい、と思いましたから。う〜ん、ホントにいろいろな意味ですごい芝居で、役者ひとりひとりについても書きたいし、蜷川演出についてもいろいろ書きたいんですが、長〜〜〜くなっちゃいそうなので、ひとことだけ! 私は実は、あまり、“お芝居”って呼ばれたり呼んでしまうようなものは好きじゃなくて、“演劇”というものにこだわっていたところがあるんですが、これはまさに、“素晴らしいお芝居”だと思いましたね。つまり、「演劇という概念を越え、芝居というもののおもしろさを教えてくれた作品」とでもいいましょうか。31年前の『ロミジュリ』で、シェイクスピア演劇というものに抱いていた嫌な感じを壊し、シェイクスピア作品のおもしろさを教えてくれた蜷川さんに、今また、“お芝居”というもののおもしろさ、楽しさを教えてもらったような気がしました。何しろ、いわゆる演劇なんていうもんじゃ出来ないような(別に演劇を否定しているわけじゃありませんよ)、オールスターキャストだし、そのみんながみんないいし、スターさんだけじゃなく、端役の出演者まで、みぃ〜んないいんですから! あ、表には出て来ませんが、スタッフもね。それもわかります。とにかく、これだけの出演者で、こんな舞台、今まで観たことありませんよ! 歌もあり殺陣もあり、お祭りとしての芝居(演劇ではなく)が、きっちりと成立しているわけです。これを観た演劇人、特に役者たちは、嫉妬したりうらやましがったりしたでしょうねぇ。なんで、こういう演劇史上に残るような舞台に自分が出ていないんだ、と。井上ひさしさんがいったように、「いい悪いは別として(笑)」、そう、深く掘り下げられていない部分もいくつか感じましたが、そんなところは気にせず、楽しいお芝居として成立していたこの舞台を、私は一生、忘れることはないでしょう! あぁ、思い出すだけで、いろいろいいたくなってくることがたくさんあるぅ! いや、観終わって帰って来て、家の近くの居酒屋で飲みながら、長男ともいろいろ話したんですが(あ、長男は未成年なんで、飯を食いながら、ね)、まだやはり、長男とは踏み込んだ話が出来なくてねぇ。ま、演劇初心者ですから仕方ないんですが。しかし、長男にとっても、おそらく衝撃的な観劇記憶になったと思うので、何年後かに話が出来たらいいですね。
まぁ、そんなこんなで、『天保十二年のシェイクスピア』観劇は、今年の事件のひとつになりましたが、時はまさに芸術の秋、今週末にも(劇団きらら公演)、来週末にも(熊本の清和文楽と片岡演劇道場での玄海竜二公演)、いろいろ観劇予定が入っています! いや、その翌週(飛ぶ劇場公演)も、さらに翌週(ギンギラ太陽’s公演)もです! 学院の授業の方は、2年生の卒業公演(12月2・3日:博多市民センター)の稽古が主で、しばらくは演劇漬けの日々が続きまぁす!
(2005.10.19)