岡部、引退! いきなり競馬の話で(っていっても、わからない人はわからないと思いますが)、すいません。岡部幸雄という、通算2943勝という前人未到の勝ち鞍を上げた競馬の名ジョッキーが、先週の木曜日、引退を発表したんです。56歳でした。先週のこのニュースは、私のような長年の競馬ファンにとっては、実に寂しい、そして、ひとつの時代が終わったなぁと感じさせてくれる歴史的なニュースだったんです。岡部の初騎乗は1967年ですからね。私が10歳の時ですよ。無論、知りません。それから38年間、馬に乗り続けてきたわけです。岡部といえば84年から85年にかけてのシンボリルドルフとのコンビがあまりにも有名ですが(無敗の3冠馬で、その後7冠となりました。私も史上最強の名馬だと思っています)、私が岡部を大好きな理由のひとつというのは、この年からもわかるように、岡部が本当の強さを発揮してきたのは30代後半になってきてからだということなんです。つまり、天才・武豊のように若いうちから力の違いを見せつけたというのではなく(もちろん、それはそれですごいことなんですが)、年を取る毎に力を発揮してきたんです。初めてリーディングジョッキー(その年の勝ち鞍第1位)になったのも騎手生活20年目の39歳の時ですからね。ちなみに武豊は2年目の20歳の時にすでに初のリーディングジョッキーになっています(すご過ぎ!)。
ルドルフとのコンビの後、40代50代になっても、岡部はさらなる活躍をし、記憶に残る名馬たちとのコンビで競馬の重賞路線を盛り上げてくれました。88年にはオグリキャップとのコンビで有馬記念を制し(この2年後に武豊がオグリの引退レースの有馬で劇的勝利を収めたのも因縁といえば因縁ですが)、90年代に入ると、ヤエノムテキの天皇賞・秋やレオダーバンの菊花賞が鮮明に記憶に残っています。そして、92年にはルドルフの子、トウカイテイオーで見事ジャパンCを勝ち、その後もビワハヤヒデやジェニュイン、バブルガムフェロー、タイキシャトルといった私の好きな馬たちとのコンビで活躍してくれました。もうひとつ、岡部を好きな理由は、彼が早くから海外の競馬に目を向けていたということです。今でこそ、日本の馬や騎手も海外によく行くようになりましたが、その先駆者が彼でした。80年代から海外のレースに出場し、92年にイギリスのエプソム競馬場で日本人の騎手として初勝利を挙げたのも彼でした。98年にはタイキシャトルで念願の海外GT初勝利を達成しました。50歳の時ですよ。う〜ん、すごいなぁ。競馬の騎手たちみんなから尊敬されている理由もわかりますよね。そして、彼の引退会見を涙しながら見ていて、さらに好きになったのは、「38年間、第一線で活躍できた秘訣は?」と訊かれて、彼が答えた理由。「特に心掛けていたということはなく、自然に構えていたことでしょうかね」。やはり、自然体でいるってことが一番いいんですよね。岡部はまさにそんな感じがします。私もそうありたいもんです。あ、年取ってから活躍するってことや海外に目を向けるってこともね。
今後は、しばらくのんびりしたいという岡部。ぜひシンボリ牧場にいるルドルフには会いに行ってほしいですね。そうそう、今度の日曜日、20日には中山競馬場で岡部引退のいろいろなイベントが行われるそうで、神奈川にいたら絶対行ってるのに、福岡ですから残念ながら行けません。で、福岡での競馬仲間、若いながらも岡部命(彼は岡部騎乗のレースは必ず岡部絡みの馬券も買うんです)の春日先生と共に小倉競馬場に行き、大きなスクリーンに向かって「オカベ〜!」と涙しながら叫んで来ようかと思っています。その日は、ただのミーハー競馬ファンになる覚悟です。あぁ、熊本の日本劇作家大会はそんなわけで行けません。って、ホントは別にそういう理由じゃなくて、翌日、用事があり、熊本までの日帰りでイベントを見てくるのはやはり難しいと思うので、残念ながら諦めました。小倉はまぁ近いですし、夕方には終わりますからね。多分、春日先生と岡部について小倉で飲み語り合うので、遅くなるとは思いますが。
さて、先週の金曜日には、12月の忘年会以来久しぶりに福岡演劇のひろばのオフ会がありました。今回は、今泉にあるTATTOOというおしゃれな店の3階にあるテラスで行われたんですが、20数名が入れるこの空間は、ほんとにテラスの自由な空間で、歩き回って話は出来るし、メインテーブル以外の別の小さなテーブルで話をすることも出来るし、20数人のグループで借りると、とてもいいんじゃないかな、と思える素敵な場所でした。照明も豆球ばかりで、おしゃれな雰囲気でした。ただ、この夜は雨で風も強くて寒く、周りが透明のビニールで覆われていて、床にストーブが置いてありました。まぁ、それでも悪くなかったんですが、一番いいのは夏でしょうね。気持ちいいと思いますよ。暖かくなったら、ぜひまた来たいです。このオフ会は、いろいろな人と芝居の話が出来るのももちろん楽しいんですが、毎回違うお店で開かれるので、今度はどんなところなんだろうという楽しみもあって、ついつい参加しちゃうんです。あ、もちろん行きたくて行ってるんですけどね。まぁ、そういった楽しみもあるんで、話も楽しく盛り上がるというわけです。やはり、雰囲気作りは大切です。そういえば、毎回、いい店だって書いてますね。いや、ホント、薙野さんには福岡の演劇関係の広がりだけでなく、福岡のいいお店をたくさん教えてもらって感謝してます。ひとりじゃ、なかなかいろんなところに行けませんからね。
今回の参加者は、毎度おなじみの人や久しぶりに会えたという人もいたんですが、比較的、年齢層が高かったような気がしました。若い人が少ないと、どうしても若い人たちは気後れしてしまい、元気な年寄りたちに(失礼! 私もその仲間だと思いますが)、押され気味になってしまうので(そうじゃない人もいましたが……L嬢、君のことだよ)、若い人たちにもどんどん参加してもらいたいですね。交流は大事です。そういえば、またまた話に夢中になって写真を撮り忘れてしまいましたが、いろいろ楽しい情報も聞くことが出来たので、折に触れ、紹介していきます。そうそう、先週、話に触れた劇団0相の松岡優子さんもちょっと遅れて来たんですが、お互い話している席が離れていて、しかも、その夜のうちに熊本に戻るとかで早めに帰ってしまい、ほとんど話が出来ませんでした。残念っ! 熊本の劇作家大会では、彼女は『美しきものの伝説』のリーディング公演を担当しているそうです。『美しきものの伝説』、懐かしいなぁ。2年半前に青年座の公演観ましたね。しかし、あの長い作品をリーディングで聞くのってどうなんだろ? 『豚とオートバイ』のリーディングで圧倒された渡辺美佐子さんも出ることだし、聞いてみたい気もするけど、残念ながら行けません。聞いた人の感想、聞きたいなぁ。
で、土日は、週明けの月曜日に行われる卒業式の準備で学校に行って音楽を編集したりしてました。そして、月曜日。涙と笑いの素晴らしい卒業式、そして、その後は、私が担任だった2年心クラスの打ち上げの会が開かれ、私も呼ばれて行って来ました。打ち上げは当然盛り上がり、楽しいお酒を飲ませてもらったんですが、その後、ちょっと大変なことがありまして……ま、その辺りはまた来週!
【今週は写真はありません】
(2005.3.16)