2004年7月第1週

 先週お知らせしたように、6月27日の日曜日に長崎に行ってから、今週末の金曜日まで、13日間まったく休みはありません。授業中や、何か仕事をやってる時はいいんですが(何事も、ついつい燃えてしまうんで)、ひと休みすると、ガクッと疲れが出て来ます。ほんとに年取ると、疲れが蓄積する一方で、なかなか取れないので、現在、かなりバテてますねぇ。ちょっと気を抜くと、頭がボーッとして、物事を深く考えられない状態になってしまいます。こんな自分は嫌だ〜!と思いながらも、どうしようもありません。こんな時に電話が掛かってきても、受け応えも何をいってるかわからない状態だったり、メールも、返信する気力もありません。まぁ、しかし、スタミナドリンクのお世話になりながら、なんとか頑張ってます。平日は、昼間、普通に授業があり、夜もいろいろ残業があり、先週の土曜日には学院のスペシャル体験入学というイベントで、カクレンジャーのイエローことセイカイ役だった河合秀さんをゲストに迎え(彼は水曜日から福岡に特別講義の授業でいらしていて)、水曜の夜には例によって博多駅近くの焼き鳥居酒屋に、ダンスの授業を担当してくれている雅木先生も誘い、声優科の先生ばかりで飲みに行きました。あ、後で学務の先生も来ましたが。いつもの元気な私だったら、朝まででも付き合いたい気分だったんですが、酔いの回りも早く、体力的に限界な感じで、珍しく12時前にはお開きになりました。河合さんや長谷川先生は、他の学院の先生たちと翌日も飲みに行きましたが、長崎のアトフォーラム(進学相談会)の後フォローもあり、体力的にもかなりへばっていた私は、翌日は遠慮しました。ほんとは行きたかったんですけどねぇ。

 で、土曜日の朝早くからのスペシャル体験入学の翌日は、また朝早く、7時半に学院出発で、車で大分のアトフォーラムに向かいました。

 大分には、先週、長崎に行ったのと同じ九州自動車道を南へ下り、鳥栖JCTで左に曲がって大分自動車道を進みます。途中、別府湾と別府温泉を見渡せる見晴らしのいい別府湾PAがあり、そこで休憩し、行きはまだよかったんですが(それでも強風で車のハンドルが取られてましたが)、帰りは霧が出て来て大変でした! ここら辺は、強風も霧も有名らしく、濃霧の中を進む様子は、まるでトワイライトゾーンの世界に入っていくような雰囲気でした。でも、私は、この大分自動車道、そして、大分県がとても気に入ってしまいました! いやぁ、周りの風景、自然が素晴らしいんですよ! その辺りは、耶馬日田英彦山[やばひたひこさん]国定公園なんですが、よく通って見慣れている神奈川の山々とは、まるっきり違います。神奈川の山々はこじんまりしていてやさしい感じですが、大分の山々は、当然といえば当然なんでしょうが、広々としていて荒々しい感じがします。まさに、大自然! そして、「あ、そうか、大分にあったんだ!」とあらためて気がついたのが、高崎山! そう、猿の山です。高崎山だから、群馬県の高崎にあるのかと思い込んでいましたが、別府と大分の間にあったんですねぇ。その山の間を通る高速の上に、幅が50cmぐらいしかないような、猿のための“さる橋”というのが架かっていました。猿のためとはいえ、それだったら初めから高速をそんなところに作らなきゃいいのにと思いましたけどね。

 大分のアトフォーラムは、大分駅の近くのコンパルホールというところでやったのですが、町並みといい、参加した人たちといい、長崎とはまったく違う印象を受けました。大分は、なんでも広〜い感じです。それと、たまたまかもしれませんが、なんかひどく蒸し暑かったですね。でも、とにかく大分は気に入りました! 大自然と温泉、そして今回は食べることが出来ませんでしたが、大分市の先の佐賀関町で捕れる、関あじ・関さば! あと、かぼすのソーダもおいしかったです! 今度は、プライベートでゆっくり来て、帰りの高速を走りながら虚しく見送った、別府や湯布院の温泉に入り、関あじ・関さばを肴に焼酎のかぼす割りとかで一杯やりたいですねぇ。なんでも別府は、温泉が出過ぎて、街の中に捨ててるらしいですよ。もったいない! 別府に住めば、毎日温泉に入れるってことですかね。

 それと、例の「やせうま」、食べましたよ! 「やせうま」とは、平安時代に八瀬(やせ)という乳母が、幼君におやつをせがまれるたびに、小麦粉をこねて長く伸ばし、ゆでて、黄な粉をまぶしてあげたところ喜ばれたということで、「八瀬・うま」が欲しいという言葉が、そのまま「やせうま」になったということです。つまり、お菓子のことで、下りの別府湾PA(つまり、行き)のレストランにはあったんですが、帰りに食べればいいやと思っていたら、上りのPAにはなくて、食べることは出来ませんでした。でも、“豊後方言銘菓・やせうま”というお菓子は買ってきて、食べることが出来ました。ただ、そのお菓子と、PAにあった「やせうま」とは、ちょっと違うんですよね。あと、その小麦粉をこねて麺のようにしたやつをだんご汁に入れる“やせうま・だご汁”(だんごではなく、だご)という郷土料理もあるそうです。

 さて、韓国映画に関して、せっかく作っていただいた一滴+ですが、そんなわけで忙しさにかまけて、停滞してて申し訳ありません! しっかり書いている時間はないんですが、韓国映画のDVDはついつい寝る前に観てしまい(観始めると最後まで観たくなり、眠気も覚めてしまうのも韓国映画の特徴ですね)、それが寝不足の原因になっているかもしれませんね。う〜ん、困った。最近観たのは、キム・ギドクの新作『サマリア』、チェ・ジウとアン・ジェウクの『キスしましょうか?』(日本語字幕付き)。そして、ハ・ジウォン主演の3本! 韓国では18禁だった『色即是空』(これも日本語字幕付きで、今週の水曜日、学院で学生たちに観せます)と、日本でも公開されたスリラー映画『ボイス』、そして、もうすぐ福岡アジア映画祭でも上映される『愛しのサガジ』。いやぁ、ハ・ジウォン、いいですよぉ! 最初に観たのは、チャン・ジンも脚本を書いている『リメンバー・ミー』で、その時は、ちょっといいな、ぐらいに思ってたんですが、その後、アン・ソンギソンセンニムと共演した『真実ゲーム』、そして、『友引忌』というタイトルで現在公開されている『悪夢』と観て、すっかりハ・ジウォンの怖い目と興奮すると広がる鼻の穴、そして、はじけ気味のちょっとわざとらしい演技に惚れ込んでしまい(なんか変なことばかりですが、そのすべてがカワイイんです!)、結局、去年公開された『逆転で生きる』以外は全出演作を観てしまいました! 中でも『愛しのサガジ』は最新作で、はじけきってます! 福岡在住の人は、ぜひ今週末の福岡アジア映画祭で観て下さい! 私も2週間ぶりの休みの土曜日に、久々のイ・ソンジェ、キム・ハヌル、『秋の童話』のソン・スンホン共演の韓国初の本格的山岳ラブ・ストーリーといわれている『氷雨』と共に観て来ます。

 そうそう、もうひとつ! もし7月にソウルに行ける人がいたら、ぜひ観てほしい舞台があります! って、ほんとは私も何とか一泊でもいいから行きた〜いと思ってるんですが、なんと、乾坤でも何度も書いている、大好きな女優の一人、ぺ・ドゥナが初めて舞台に出るんです! まぁ、彼女は母親も舞台女優で、前からいつかは舞台もやるだろうとは思っていたんですが、その演出がなんと、乾坤でも何度も(写真も)紹介している友人の劇作・演出家、パク・グニョンなんですよぉ! 3月にソウルに行った時に観た、彼が演出した舞台に、ペ・ドゥナが主演した『吠える犬は噛まない』に出ていたコ・スヒが出演していたんですが、そういった縁もあったんでしょうねぇ。ううっ、行きたい! でも、7月の土日はすでに予定が詰まっていて、無理なんです! 早くわかっていたら、なんとかしたんですけどね。しかも、彼女は、「収入の10%以上は演劇の発展のために使います。子どもの頃から舞台女優の母親を見ながら育ったので、演劇に対する尊敬の気持ちを抱きながら演じています」なんて語っているんですよぉ! ああ、ソウルに行けたらパク・グニョンに紹介してもらって確実に会えるのに! そして、一緒に飲みに行って、いろいろ話も出来るだろうに……ううっ、悔しい!

 そのペ・ドゥナ主演の『子猫をお願い』(これもいい映画です! 監督のチョン・ジェウンの写真は、去年の9月第3週の乾坤でも紹介しましたね)は、まだ福岡では公開されませんが、東京では渋谷のユーロスペースでやっているそうで、ぜひお薦めです! あ、一滴+に詳しく書かなきゃね!

 今週末は日曜の朝から久しぶりに広島に行きます! またまた休みは土曜の一日だけ……

(2004.7.6)
(つづく)


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