このページは、週刊StagePowerで好評連載中の「小松杏里の乾坤一滴」の特別増刊ページです。『アジア征服実施中!』の小松杏里氏が日本とアジア(主に韓国)を飛び回る中、まずは「乾坤一滴」で何度も紹介してきた韓国の映画を熱く語ります。とりあえずレンタル屋に走るなり、映画館に行くなりして見てみましょう。そして、何か言いたいことが生まれた人は、「さらに詳しく(ネタバレあり)」を読んで(読まなくても)、メールか掲示板で発言しましょう。ご意見は「さらに詳しく」に掲載させていただき、杏里さんにコメントしてもらいます。私もなんか言います。 |
小松杏里の「韓国映画セレクション」 (最新更新:2006.5.15 6作品追加!) | |
★4半 | |
『子猫をお願い』★★★★☆ 監督・脚本:チョン・ジェウン 出演:ペ・ドゥナ、イ・ヨンウォン、オク・チヨン | |
『リンダ リンダ リンダ』で、完全に他の日本の若い女優たちを食っていた(まぁ、年齢的にもキャリア的にも当然なんですが)、私にとって“記念日”もあるほど大好きな(詳しくは乾坤一滴の2004年8月第3週を!)、ペ・ドゥナの魅力を知ってもらうために、ぜひ観てもらいたい3本の映画(あと2本は『吠え犬』と『復讐者』)のうちのひとつ! 韓国の高校を出た女の子たちのナイーブな心情が、女性監督チョン・ジェウン(短編映画が、またいいんだ! 福岡で会いました!)によって見事に描かれています。もちろん、ドゥナだけじゃなく他の女の子たちもいい! 特にオク・チヨン! ドゥナのホントのお母ちゃん(女優です)も母親役で出演しています。
(2001年韓国公開 2004年日本公開) | |
★4 | |
『気まぐれな唇』★★★★ 監督・脚本:ホン・サンス 出演:キム・サンギョン、チュ・サンミ、イェ・ジウォン | |
韓国の映画監督は、キム・ギドクやパク・チャヌクも好きですが、ホン・サンスも大好きなんですよねぇ。この作品で4作目なんですが、前3作もみんな観ていて、みんな★★★★以上です。いずれ紹介します。それぞれ、いろんな映画祭に出品されてたり、いろんな賞も取っていて、韓国映画界の中では国際派の監督なんですが、描かれているのは、みんな、韓国のごく日常の何でもない話なんです。で、そこに、男と女の性がリアルに描かれているんです。といっても、決して興奮するようなエッチな描き方じゃありません。生々しくて、なんかドキドキしちゃうんですけどね。この作品の原題は『生活の発見』。最初、ソウルの小さな映画館で、観客は2、3人という環境の中で楽しみながら観ました。『殺人の追憶』のキム・サンギョンがいい味出してます!
(2003年韓国公開 2004年日本公開) | |
『ハッピーエンド』★★★★ 監督・脚本:チョン・ジウ 出演:チョン・ドヨン、チェ・ミンシク、チュ・ジンモ | |
映画が始まってすぐにあるチョン・ドヨンとチュ・ジンモの激しい絡みのシーンが話題になった割には、あまりヒットもしなかったし、あまり評価もされていないようですが、私[わたし]的には大好きな映画のひとつです。なんたって、チョン・ドヨンとチェ・ミンシクという演技派同士のぶつかり合いが凄いです! もちろん冒頭の絡みも、ここまでやるかチョン・ドヨン! と、惚れ直してしまいましたが! この彼女が無垢な小学生役もやっちゃうんですから(『我が心のオルガン』)、驚きます。監督デビュー作でこれほどの作品を作った(演技派の二人をうまく使った!)チョン・ジウ監督の次回作が早く観たいですね。そういや、ヨン様が映画の中に映るテレビドラマに出て来ます(『愛の群像』)。
(1999年韓国公開 2004年日本公開) | |
『僕の彼女を紹介します』★★★★ 監督・脚本:カク・チェヨン 出演:チョン・ジヒョン、チャン・ヒョク、チャ・テヒョン | |
今さらという感じですが、「僕の2004年ベストテン別格作品を紹介します」(笑)! 実際、内容的にはそんなにすごい映画じゃないとは思うんですが(それでも★★★★のおもしろさはあります!)、とにかく個人的にね、思い入れが深くて、実はチャン・ヒョクも大好きで、単純にボロボロ泣きながら観てました。チョン・ジヒョンのプロモーション映画だとか、2時間のコマーシャルフィルムだとか、40億円のミュージックビデオだとか、いろいろ韓国の批評家にいわれているようですが、いいんです、そんなことは! 個人的には、『イルマーレ』と違うタイプの一番好きな韓国映画です! まぁ、どっちもチョン・ジヒョンなわけですが(笑)。当然、韓国版のスペシャルDVD(OSTも入って4枚組!)は、私の宝物です!
(2004年韓国公開 2004年日本公開) | |
『力道山』★★★★ 監督・脚本:ソン・ヘソン 出演:ソル・ギョング、中谷美紀、藤竜也、萩原聖人 | |
ソル様以外はほとんど日本の役者で、韓国映画といっていいのかどうかわからないけど、監督は『カラ(日本版DVD題:ホワイトクリスマス)』や『パイラン(日本公開題:ラブレター)』という私も好きな映画のソン・ヘソンだし、やはり韓国の役者じゃないと力道山を演じられないので、韓国映画に間違いありませんね。それにしても、ソル様は凄い! 日本語の台詞はもちろんだけど、身体を鍛えて、プロレスをしっかりやってくれるんだから! 映画よりメイキングを観ていると、余計その凄さがわかります! いろいろあるけど、藤竜也がとってもいい味出してて、いい役者なんだなぁと惚れ直しました! 橋本真也にも涙……日本のプロレスラーたちも頑張ってます!
(2005年韓国公開 2006年日本公開) | |
『301・302』★★★★ 監督:パク・チョルス 脚本:イ・スクグン 出演:パン・ウンジン、ファン・シネ、キム・チュリョン | |
柳美里・原作の『家族シネマ』の監督もしたパク・チョルスは、70年代の終わりから80年代にいい映画をたくさん撮っていて、90年代に入ってもいろんな国の映画祭に出品したりしている名監督です! この作品は、ほとんど二人の出演者とふたつの部屋で繰り広げられるので、舞台でも出来そうな作品ですし、主演のパン・ウンジンは舞台にもたくさん出演している女優です(『豚とオートバイ』にも出ました!)。ファン・シネは、御存知のように、「韓国の女優の中で一番美しい人」とか「韓国を代表する美の代名詞」といわれていて、日本でも『スタイル』というダイエット本が発売されています。最近の韓国映画にはない、不思議な、妖しい映画です。レンタルであったらぜひ観て下さい!
(1995年韓国公開 1997年日本公開) |
★5 | |
『悪い男』★★★★★ 監督・脚本:キム・ギドク 出演:チョ・ジェヒョン、ソ・ウォン | |
久しぶりの★5つ! あくまでも個人的にですが、これまで数多く観て来た韓国映画の中で★5つというのは、『八月のクリスマス』『ペパーミント・キャンディ』『イルマーレ』の3本しかありません! それに続く4本目、そしてもちろん、2004年の私の韓国映画ベスト1です! キム・ギドク作品は、2001年の東京フィルメックス映画祭で初めて『受取人不明』を観てから大好きになり(すぐ本人にサインをもらいました!)、ほとんどの映画を観てるんですが、彼の作品は愛に対して不器用な主人公が登場することが多く、キム・ギドク作品以外でも私はそういう映画が好きなんです(『オアシス』もそうですね)。で、この『悪い男』はその究極の作品です。主役のチョ・ジェヒョンは、いろいろな意味ですごいし、ヒロイン役(?)のソ・ウォンも新人とは思えない素晴らしさです!
(2001年韓国公開 2004年日本公開)
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『イルマーレ』★★★★★ 監督:イ・ヒョンスン 脚本:ヨ・ジナ 出演:イ・ジョンジェ、チョン・ジヒョン | |
私が一番何回(10回以上)も観ている、個人的に一番お気に入りの韓国映画です。韓国映画というと、『シュリ』とか『JSA』とかの北との民族的な問題を描いていたり、韓国ならではの家族の問題が描かれていたりと思っている人に、ぜひ観て欲しい、韓国映画らしからぬ(?)美しい映画です。原題は『時越愛』。去年、日本でも大ヒットした『猟奇的な彼女』の、私が一番好きな女優チョン・ジヒョンと、この映画ではかっこいいイ・ジョンジェが主演です。音楽も印象的でサントラもお気に入り。
韓国映画とハングル「イルマーレ」 (2000年韓国公開 2001年日本公開)
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チョン・ジヒョン | |
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『八月のクリスマス』★★★★★ 監督:ホ・ジノ 脚本:オ・スンウク、シン・ドンファン、ホ・ジノ 出演:ハン・ソッキュ、シム・ウナ | |
『シュリ』と共に、私を韓国映画鑑賞の旅に誘ってくれた映画であり、シム・ウナという女優に出会わせてくれたことで、韓国の女優たちに大いに興味を持たせてくれた記念碑的な映画です。私が初めてDVDを買った韓国映画でもあります。今、『冬ソナ』をはじめとした韓国のドラマや映画が人気ですが、韓国映画やドラマを好きになった人なら、これは絶対観ておいてもらいたい映画ですね。私の中でも、韓国映画ベストスリー不動の1作です。ヨン様の笑顔より、この映画のハン・ソッキュの笑顔の方が素敵だと思いますよ。
韓国映画とハングル『八月のクリスマス』 (1998年韓国公開 1999年日本公開)
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『ペパーミント・キャンディ』★★★★★ 脚本・監督:イ・チャンドン 出演:ソル・ギョング、ムン・ソリ | |
『イルマーレ』が一番お気に入りの映画なら、一番いいと思う映画(まぁ、ベストワンということでしょうか)が、この『ペパーミント・キャンディ』です。これは、この映画に出会ってから、ずっと変わりません(つまり、その後、これを越える映画に出会ってないってことですね)。『イルマーレ』と同じくらいDVDを何回も観ているんですが、観る度に発見があり、感動があります。ソル・ギョングは韓国で一番好きな男優ですし、この映画には、その後活躍するいい役者がたくさん出ています。とにかく、いろいろ語りたい映画ですね。
(1999年韓国公開 2000年日本公開)
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★4半 | |
『オールド・ボーイ』★★★★☆ 原作:土屋ガロン 監督:パク・チャヌク 出演:チェ・ミンシク、ユ・ジテ、カン・ヘジョン | |
福岡のアジア太平洋映画祭で入場出来なくてチケットの払い戻しをさせられた恨みのあった作品ですが(個人的なことですいません)、観たら当然、そんなことはまったく忘れさせてくれた、すごくて楽しい映画でした! カンヌ映画祭のグランプリを獲得した時、タランティーノが「グレイト!」と絶賛しましたが、まさにそういう映画です。私は大笑いしながら観てました(もちろん、それだけじゃありませんが)。なんたって、チェ・ミンシクがいい! 思いっきり芝居をすることを楽しんでる感じです。ユ・ジテも出演作はほとんど観てますが、今までで一番いいですね。『バタフライ』で気に入ったカン・ヘジョンも、とっても魅力的で、これからさらに楽しみです! 実は、パク・チャヌク監督作品としては、前作の『復讐者に憐れみを』(ソウルと2002年の東京国際映画祭で鑑賞)の方が好きなんですが、それは今年一般公開されたわけで……ということは、今年のベスト1はもう決まってるってことですね。
(2003年韓国公開 2004年日本公開)
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『オアシス』★★★★☆ 監督・脚本:イ・チャンドン 出演:ソル・ギョング、ムン・ソリ | |
実際に観たのは2002年の東京フィルメックスでの上映が最初で、その後、2003年のアジアフォーカス福岡映画祭で再度観ましたが、何度観ても衝撃的な作品です。特に最初の時はまったく予備知識なしで観たもんだから、最初のソル・ギョングの登場では笑っていたのが、次第に身体全体がこわばってきて、気がつくとまったく身動き出来ないまま、ボロボロ涙がこぼれてました(まぁ、こういうのは映画館じゃないと体験出来ないと思いますが)。その涙は、ただ感動したなんていう生易しいもんじゃなくて、すごい映画に出会い、そして、すごい役者たちに出会ったことの喜びの涙だったと思います。とにかく、映画を観ながら、何度叫び出したくなったことか! 一番驚いたのは、長回しのワンカットの中でムン・ソリの表情(と動き)が変わるところ。すごい! まぁ、こういう映画は日本ではおそらく作れないだろうし、最近流行のヤワな純愛映画と違う、究極のラブストーリーだと思いますね。
(2002年韓国公開 2004年日本公開)
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『美術館の隣の動物園』★★★★☆ 監督・脚本:イ・ジョンヒャン 出演:シム・ウナ、イ・ソンジェ | |
チョン・ジヒョンと出会う前は一番好きだった、というより、今でも好きな気持ちに変わりはないんですけど、残念ながら引退してしまったシム・ウナの映画の中で、一番好きな映画がこれです! 女性の監督ならではの女性の描き方に、ぴったりはまっているシム・ウナ。『猟奇的〜』のチョン・ジヒョンの行動とまったく対照的な、シム・ウナ扮するチュニの行動は、ひとつひとつの仕草が、とにかくシム・ウナだから、かわいくてしょうがないという感じです。イ・ソンジェも、これがスクリーンデビュー作とは思えないほど素晴らしい!
(1998年韓国公開 2000年日本公開)
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『鯨とり〜コレサニャン』★★★★☆ 監督:ペ・チャンホ 脚本:チェ・イノ 出演:キム・スチョル、イ・ミスク、アン・ソンギ | |
80年代の韓国映画を語る上で欠かせないペ・チャンホ監督作品で、レンタルビデオ屋で置いてあるところもあるかと思います。元祖カメレオン俳優であり、韓国の俳優たちみんなが尊敬しているアン・ソンギソンセンニム(敬意を表してこういいます)の演技がやっぱり素晴らしいし、ヒロイン役の、最近はすっかりベテラン女優として活躍しているイ・ミスク(ヨン様の映画初出演で話題の『スキャンダル』にも出演しています)が、若い頃の中山美穂みたいでムチャクチャかわいいです。
(1984年韓国公開 日本未公開)
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『魚と寝る女』★★★★☆ 監督・脚本:キム・ギドク 出演:ソ・ジュン、キム・ユソク | |
私が、ホン・サンスと並んで韓国で大好きな監督の一人、キム・ギドクを知った初めての映画です。この映画から、独特のキム・ギドクワールドの虜になってしまいました。いろんな意味で「痛い」映画なんですが、それだけではない不思議な世界に導いてくれるキム・ギドクは、正式に映画の勉強をしたわけでも、助監督の経験があるわけでもなく、ただ絵が描くことが好きな青年でした。この映画にも出ているチョ・ジェヒョンとソ・ウォン(この映画ではパク・ソンヒ)が主演しているキム・ギドクの『悪い男』も、すごい映画です。
(2000年韓国公開 2000年日本公開)
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『猟奇的な彼女』★★★★☆ 監督・脚本:クァク・ジョヨン 出演:チョン・ジヒョン、チャ・テヒョン | |
例によって私が大好きなチョン・ジヒョンの名を一躍知らしめた大ヒット作品。公開される約1年前に映画祭で観たんですが、あのチョン・ジヒョンが! とびっくりすると共に、一般公開されたらヒットするだろうなと確信しました。しかし、好き嫌いがはっきりする映画らしく、そんなに中身があるとは思えないという人や、ゲロで笑いを取るのは嫌という人もいます。あなたはどう思いますか? しかし、韓国映画はゲロのシーンが多く、有名女優のゲロシーンばかり集めても(結構ある)おもしろいと思う……って誰が観るんだって!
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『アタック・ザ・ガスステーション!』★★★★☆ 監督:キム・サンジン 脚本:パク・チョンウ 出演:イ・ソンジェ、ユ・オソン | |
韓国映画を観続ける楽しみのひとつに、若手俳優たちが成長して人気者になっていくのを見届けるというのがあります。つまり、有名になる前から目をつけていたんだ、という自分なりの優越感ですね。この映画では、イ・ソンジェ、ユ・ジテ、ユ・オソンら、その後、主役を張っている若手俳優たちが共演していて、この後の活躍がはっきりわかる、楽しい映画です。キム・スロの出前持ちやパク・ヨンギュの社長など、他の映画でパロディに使われるようなキャラクターも生き生きと描かれている、お気に入り映画のひとつの、佳作です。
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『ナンバー3』★★★★☆ 監督・脚本:ソン・ヌンハン 出演:ハン・ソッキョ、ソン・ガンホ、チェ・ミンシク | |
『八月のクリスマス』や『グリーン・フィッシュ』など、名作も多いハン・ソッキュの映画の中で、実は一番お気に入りなのが、この映画です。一種のおバカ映画でもあるんですけど、それぞれの登場人物が、実に個性的で魅力的に描かれていて、もう笑える笑える! 『シュリ』を観た後にこの映画を観ると唖然とすると思います。ソン・ガンホもチェ・ミンシクもいいし、アン・ソクファン、パク・サンミョン、イ・ミヨンも笑わせてくれます。中でも一番好きなのは、ランボーという詩人役のパク・クァンジョン。まぁ、観てのお楽しみ!
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★4 | |
『春の日は過ぎゆく』★★★★ | |
『八月のクリスマス』以来のホ・ジノ監督作品ということで期待していた分、初めて観た時は、「いやぁ、これは……」と唸ったもんでしたが、素直な気持ちで2回目に観た時、「これはこれで、なかなかいいなぁ」と思えた作品です。イ・ヨンエとユ・ジテという人気スターの共演で、どうしても、そちらに目を奪われがちですが、離婚暦のあるキャリアウーマンと純粋な若い男の恋物語として観ると、監督が巧いということもあると思いますが、男女の微妙な心の変化が、二人の演技力の上手さと相俟って、実に奥深いものになっています。心が痛い映画のひとつです。もちろん、いい意味でね。
韓国映画とハングル「春の日は過ぎゆく」
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『反則王』★★★★ | |
『クワイエット・ファミリー』で、それまで活躍していた演劇界から、韓国映画界に衝撃的デビューをはたしたキム・ジウン監督の第2作であり、今や人気俳優のひとりとして主演作目白押しの、私も大好きなソン・ガンホの初主演作です。私自身プロレス好きということもあり、プロレスを題材としていることで大笑い出来るところもあるんですが、単なるコメディーではない、哀愁漂う奥深い作品です。韓国映画をよく観るようになった人が観ると、「あ、あの人だ!」「この人も出てる!」と、いろいろ楽しくなる映画でもあります。
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『シルミド』★★★★ | |
韓国の人や韓国に興味のある人たちにとっては、涙なくしては観ることの出来ない衝撃的な映画だとは思うんですけど、一緒に観た、ただ、いい映画を観たいと思っていた人に「だから、なんなの?」といわれてしまいました。確かにそういう人もいるかもしれませんね、この映画は。映画を観る時に、特に韓国映画の場合、歴史的な背景や状況を考慮して観るのと、単に娯楽映画として観るのと違いますからね。『シュリ』や『JSA』のようにドラマチックな展開もないし、ストレートな映画ですね、これは。なんたって、実話ですから。
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『ラブストーリー』★★★★ | |
いやぁ、泣ける、泣ける! 何が泣けるって、音楽です。映画を観ていた時は、それほどでもなかったんですが、OSTを聴いていると、メインテーマの旋律が流れてくるだけでボロボロ泣けてきます。これは『冬ソナ』のOSTを聴いている時と同じような現象です。そういえば、この映画も初恋がテーマですね。もちろん映画も、ちょっと長いかなとも思いましたが、いい映画ですよ。DVDが出たら、何回も観ながら、またまた涙することでしょう。ところで、母と娘の恋の話って、月9の『東京湾景』に似てません? あ、逆ですね。てことは……
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『ブラザーフッド』★★★★ | |
原題は『太極旗を翻して』。日本では6月に公開されますが、韓国で史上最高動員記録を更新した(私も貢献しました)映画です。朝鮮戦争を舞台にした兄弟愛の映画で、戦争映画としても、ここまで迫力ある描写の映画はちょっとないと思います。アメリカの愛国心が目立つ戦争映画より、日本人は共感出来る(衝撃を受ける)と思います。音楽もいいし、チャン・ドンゴンもウォンビンも見直しました。この前の訪韓で友人になったパク・キルスがなかなかいい役で出ています。
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『友へ チング』★★★★ | |
韓国で映画を観る場合、当然日本語字幕はなく、台詞もすべてわかるわけじゃないんですが、明らかにいい映画だと、言葉を超越した魅力で引き込まれます。それは役者の力が大きいと思います。この『チング』も、最初はソウルの大きな映画館のガラガラの客席(公開が終わり頃だったので)で観たんですが、男優たちの演技力に圧倒されました。チャン・ドンゴンを見直したのもこの映画です。どうせヤクザ映画だろ、と思って観てない人は、ぜひ観て下さい。いい映画です。※DVDには関西弁吹替えバージョン(古田新太もやってます)が入っていて、一応楽しめます。
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『LISE 嘘』★★★★ | |
賛否両論、というか、ほとんどポルノ扱いされてますが、私は大好きな映画です。中年の芸術家と女子高生のアブノーマルな性関係を描いた作品なんですが、日活ロマンポルノの、特に大好きだった神代辰巳監督作品のような匂いを感じる映画です。長回しもあるし。監督のチャン・ソヌは、とにかく不思議な人で、いろんなジャンルやテーマの映画を撮ってるんですが、そういうところにも魅かれますね。最近の作品はずっと観てるんですが、80年代と90年代前半の作品をなかなか観れないのが残念です。公開時は18禁でした。
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『JSA』★★★★ | |
韓国に行った時に大ヒットしている映画だということで観て、言葉がわからずとも感動し、サントラを買って来て聴いては涙し、日本で公開されて観て、さらに深く感動した、今の韓国だからこそしか作れない名作です。ソン・ガンホ、イ・ビョンホン、シン・ハギュンら、その後追い続ける役者たちが出ています。イ・ヨンエはきれい過ぎちゃって、優等生っぽくて苦手なんですけどね。本物のJSA(共同警備地域)、板門店にはまだ行ったことがないので、いつの日か、南北統一でなくなる前に、ぜひ一度行っておきたいと思ってます。
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★3半 | |
『純愛譜』★★★☆ | |
最初に映画館で観た時、『イルマーレ』と一緒に観たもんで、とにかく『イルマーレ』とまったく違うイ・ジョンジェという役者に驚き、「こんなに情けない役も出来るんだ!」と、すっかりジョンジェの虜になってしまった作品です。日本の松竹との共同制作で、まだ今のような韓流ブームが起きるずっと前に、よくやってくれたと思います。今だったら、もっと注目されたでしょうけど、当時はほとんど話題になりませんでした。大杉漣や余貴美子も出てるし、主役の橘実里がなかなかいいし、個人的にも好きなんですけど、彼女、どうも日本の作品に恵まれませんね。
韓国映画とハングル「純愛譜」
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『箪笥』★★★☆ | |
ブラック・コメディ『クワイエット・ファミリー』や、『反則王』の、大好きな監督の一人、キム・ジウンがホラー映画を撮ったということで、どうなるのかな? と期待して観に行ったんですが、いやぁ、怖かったです! そして、美しかったです! で、とっても哀しかったです! 韓国のホラー映画って、どうしてみんな「哀しい」のでしょう。そこには必ずといっていいほど、人間の持つ性[さが]というか業[ごう]というか、人間の弱さ哀しさが描かれているからなんでしょうね。つまり、一番怖いのは人間ってわけ。いやぁ、ただ怖いだけじゃない、韓国のホラー映画、大好きです!
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『ボイス』★★★☆ | |
私が最近はまっているハ・ジウォン主演のホラー映画です。といっても、この映画の彼女はそれほど魅力的ではありません。むしろ私はこの映画では、ホジョン役の美しいキム・ユミに惚れてしまいました! 去年の公開でそこそこヒットしたようですから観た人も多いと思いますが、単なるホラー映画ではありません。確かに怖〜い目付きの女の子が出て来て驚かしてくれますが、ほんとに怖いのは……ネタバレになるので控えます。映画的にはそれほど評価出来るものではないかもしれませんが、いろいろ深い部分もあって、私は割りと好きな映画です。
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