いゃあ、韓国の話ばかりしていて大事なこと忘れてました! 今、私、役者やってます、っていうか、もう今週末が本番なんですよぉ。前に少し書いたと思いますが、昔、遊◎機械にいた中嶋浩(現・比呂嗣)が1991年に旗揚げしたP.E.C.T.という劇団にゲスト出演するんです。あ、その話の前にひとつだけ韓国絡みの話を。
先週、その稽古の合間に『ラスト・プレゼント』という韓国映画の試写会に行って来たんですが、これが韓日交流骨髄バンク支援チャリティー特別試写会という、韓国大使館と韓国文化院が主催して行ったものだったんです。映画の前には韓国文化院長のキム・ジョンムン氏と財団法人骨髄移植推進財団理事長の高久史麿氏の挨拶があり、これがなかなか感動的ないい話というか、話し方がとても好感が持てて、人間何でも素直に自分の言葉で話をするのが一番だな、とあらためて思っちゃったりしたわけです。
よくいるじゃないですか、スピーチとかで、カンペ見ながらとか、まぁ見てなくても、どっかから取って来たような、とてもそいつの本心とは思えないような歯の浮くような話をする人が。でも、キム・ジョンムン氏は「僕は映画が大好きで年に100本観る」とか「東京国際映画祭でも11本観た」とか、別に自慢するとかじゃなくて、素直に映画に対する愛情を語ってくれて、「映画による文化交流に今後も力を注いでいきたい」と締めくくってくれた時には大きな拍手が沸き起こりました。まぁ、それはそれで私も映画大好き人間だからいいんですけど、演劇による文化交流にもちょっとでもいいから力を注いで欲しいなぁとも思いましたけどね。
映画自体の方は私も2回目なんですが、これでもかこれでもかと泣かせてくれる映画です。もうすぐ公開されますが、正月唯一の恋愛映画ということで、結構ヒットするんじゃないでしょうか。恋人同士もいいけど、夫婦で観るとまたいいと思いますよ。基本的に夫婦愛の話ですから。これを観て泣かない人は信用出来ない、って昔もありましたよね、そういうの。『砂の器』。まぁ、あれとは全然違いますけど。私は1回目に観た時はちょっとくどいかなと思って観てたんですが、2回目は素直に感情移入させてもらって、もうボロボロ泣いてましたね。1回目観た時とまた泣きどころが違うんですよ。おそらく劇場公開も観に行って、またワンワン泣いてるでしょうね。家では韓国で買ってきたサントラ聴きながら泣いてますし。前の韓国映画星取表に倣えば、★★★☆です。イ・ジョンジェもイ・ヨンエもいいですよぉ。オ・ギファン監督も試写会で挨拶し、上映後にはサイン会もしてましたが、なかなかいい人みたいでした。
てなわけで、ようやく本題の今度の芝居の話です。詳しくはP.E.C.T.のホームページを見てもらえば一番いいんですが、タイトルは『Winter Rose〜あなたのいない世界で 或いは 冬の大運動会』。12月6日(金)〜8日(日)と天王洲スフィアメックスでやってます。海辺の街に、父親の葬儀のために久しぶりに帰ってきた豆腐屋の長男と彼を取り巻く人々の話なんですが、なかなかよく仕上がって来てます。P.E.C.T.は集団創作で作っているようですが、やはり主宰の中嶋の作品に対する思いが結構出来を左右するんじゃないかと思いますね。
前(10月第1週)にも書きましたが、中嶋との付き合いは結構古いんですが、ここ3〜4年の作品は私的にはどうも冷たい感じがして疎遠になっていたんですが、この前の作品辺りから、昔の作品のような人間味というか温かさが感じられてきて、またいいなと思うようになりました(中嶋に何があったのか知りませんが)。今回も、死と生を介して人のいろいろな思いが交錯する話で、キャラクターがそれぞれみんないいんですよ。それをサラリと演じたり、スカパンという私の役のように熱く演じたり、それぞれ違いますが、みんなの言葉の端々にある深い思いが伝わればいいなと思っています。私も久しぶりに歌って踊って跳ねてますし、劇中で恋愛させてほしいといったら、いきなり、妻子があるのに愛人と子供がいて、いきつけのバーのママに一緒に店をやろうという約束までしたスカパン(別に悪だくみをするわけではありません)というあだ名の男の役になってしまいました。うらやましい、いえ、しょーもない男ですけど、みんな一緒に幸せに暮らせることを願っている(ホントかなぁ)愛すべき男でもあるんですよ。
年末も近く、お忙しい時期かとは思いますが、っていうか、こんな間際で予定が立てられないという人も多いかと思いますが、めったに見ることの出来ない小松杏里の迷(酩?)役者ぶりを、ぜひ観にいらして下さいませ!
わぁ、やっぱり今回長くなって、ごめんなさい!
(12.3.2002)