今年三度目の訪韓は一週間。4月に一週間、5月の公演の時に二週間行っていたので、今年は一年のうちの約一カ月は韓国に行っていた計算になるわけで、韓国語も三年前に初めて訪韓した時に比べてだいぶ話せるようになりました。っていうか、初めての時は「アンニョンハセヨ」と「カムサハムニダ」ぐらいしか覚えていかなかったんですけどね。手には『ひとり歩きの韓国語自遊自在』を持って。まさかその後こんなに交流が続くとは思わなかったし。まぁ世の中、何でも出会いですね、出会い。出会いを繋げていく、と。小室哲哉じゃありませんが。
韓国語は、日本で勉強していてもなかなか話す機会がないんで、やはり実際に韓国に行って必要に迫られて話してくるとグーンと上達しますね。日本ではもっぱら韓国映画やビデオを観てネイティヴな発音を聞くように心掛けています。ほんとに発音は難しいですね。日本人の生活習慣の中では発音しないような音がありますから。ンとムの違いやカッやチャッという激音。逆に、韓国人も日本語のツやズは発音しにくいそうです。小松はコマチュになるし、清水はシミジュと聞こえます。もちろん、正確に発音出来る人も多いので、私も早くネイティヴな発音が出来るようになりたいですね。少しは芝居の発声練習が役立っているようですし。
さて、日本人にとっての韓国料理といえば焼き肉とキムチが代表格でしょうけど、もちろんいろんな韓国料理があって、私もやはり7回の訪韓でかなりいろんなものを食べました。これまでの、韓国に行ったら必ず食べたいというお気に入りは、ソウルのチョルチョルポクチプの焼きフグ(フグに対する概念が変わった)、シンソンソルロンタンのソルロンタンとキムチ(チープで24時間営業で便利)、ミョンドンハムンミョノのムルネンミョン[水冷麺](今まで食べた冷麺の中でベスト1)、明洞餃子のカルグクスとキムチ(とにかく汗が出る)と、釜山のイルチョンヤンコプチャンのコプチャン[ホルモン焼き](前々回に紹介したマッシュルームもそうだけど、ホルモン焼きも絶品!)ですが、今回新たに加わったのが、ヌルンパプです。これはどこの店にもあるらしくて(私が食べたのは明洞のノンプネという店でしたが)、韓国人なら誰でも知っている食べ物なんですが、日本人向けのガイドにはほとんど載ってませんね。実はそんなに大した料理じゃなくて、ヌルンジという御飯のおこげにスンニョンというお湯を入れて食べる、あっさりしたお粥といったものでしょうか。といっても、お粥ほどドロドロしてなくて、ほんとにお湯を飲むっていう感じのものです。5月に来た時にもサムゲタンを食べた後に食べた記憶があったのですが、名前を忘れてしまって、今回思い出しました。このヌルンジは屋台でも袋に入って売っているので、たぶん韓国に行ったことのある人なら見た覚えがあるでしょう。それをお湯でふやかしてスープにしただけのものなんですが、とにかくあっさりしていて、しこたま飲んだ後や満腹状態の胃に何とやさしいことか。これからは最後の締めはこのヌルンパプになるでしょうね。ヌルンジの味の飴もおいしいです。
さてさて、逆に、もういいやというものの代表格は、何といってもポンテギですね。街を歩いていて屋台の近くを通りかかると、何ともいえない土臭い匂いが漂ってくることがありますが、これはポンテギを蒸しているんです。何かって? 蚕のさなぎです。私は月光舎の岡村と2回目に韓国に行った時に釜山でビールのつまみに頼んでしまったんですが……食べられませんでした。岡村も。でも、1個は食べましたよ。それ以来、口にしていません。月光舎のとりいは今回缶詰に入って売っているのを買って来て初めて食べたそうですが、案外いけるとかいってましたね。信じられません。あの土か泥を食べてるような食感は永遠に忘れることは出来ないでしょう。興味のある方は、ぜひおみやげにどうぞ。
そして今回、初めて生きたタコ、ナクチを食べました。テーブルに出されてもクネクネ動いているタコの足をゴマ油と調味料につけて食べるんですが、これも決しておいしいといえるようなもんではありませんでしたね。吸盤が口の中に吸いついてきて、まぁ話のネタとしてはおもしろいし、女の子と一緒に行くとキャーキャーいって楽しいでしょうけど、私はパス。まだまだ食べてないおいしそうなもんがいっぱいあるしね。
というわけで、次回の韓国行きは来年の5月の予定。でも、その前に安いチケットが手に入れば、何度でも行きたいなぁ。
(11.25.2002)
(つづく)