さて、いよいよ今週は韓国現代戯曲ドラマリーディングの本番です。私の演出する『無駄骨』は13日の13時から。場所は東高円寺のヴァーシティホール。何度もいいますが、今回は一回だけの上演なので、ぜひお見……いや、お聞き逃しなく! 稽古もスケジュールの関係で少ない割りには順調で、稽古場もとても楽しいです。この前の横浜演劇計画の座談会でも話したんですが、とにかく最近は楽しい稽古場を心掛けてますからね。先日の通しでは、新劇系の演出家はどうなのか知りませんが、私は一番最初の観客になってクスクス笑ってました。いやぁ、おもしろいですよ、ほんと! もちろん、ただおもしろいだけじゃありません。その裏に込められたいろいろなメッセージがドキッとするんですよ。観ている、いや、聞いている分にはただ楽しんで聞いてればいいんですけどね。ラストの衝撃と、終わってからいろいろ考えたくなる余韻が好きなんですよ。静かな演劇もどきの芝居や、つまらない内輪受けのような笑いだけの芝居や、やたら派手なこけおどしの芝居に辟易している方には、絶対オススメです! いつかリーディングではなく舞台で出来たらいいなとも思ってますし、この『無駄骨』組で韓国公演したいなぁなどとも思っています。出演者4人だし、小人数で行けそうだし。それに、私もこういう小人数の室内劇、書いてみようかなとも思いましたね。チャン・ジンの映画も観直し、来日して会えた時にはいろいろ質問もしようと思ってます。そうそう、チャン・ジンが脚本・監督した『殺し屋たちのおしゃべり』という、去年韓国で大ヒットした映画のポスターを使ったタペストリーをこの前韓国で買って来たのですが、それにサインしてもらおうかな……ミーハー過ぎますかねぇ。
しかし、ここんとこ韓国との関係が長く続いてますが、何といってもアジア征服の第一歩ですから、そこから広げていくためにも最初が肝心ということで、まずはじっくり韓国と付き合っていってみたいと思っています。今度は11月8日から一週間ばかり、来年の公演準備のために舞監と一緒にソウルと釜山に行って来ます。さらに時間があれば他の地方都市にも寄ってみたいと思っているのですが……。そういえば、ホビロン大王もソウルに行って来たようですね。ミョンドンハムンミョノクの冷麺は食べたかな。これから韓国に行くという人、メールくれれば、とっておきの情報教えちゃいますよ。ソウルで一番安くDVDやCDを買える場所とか(屋台より安い)、これからの季節はますますおいしいフグの店とか……。
韓国現代戯曲ドラマリーディングが終わったら韓国行きなど、年末に向けて忙しい中、実は12月の6、7、8日と天王洲スフィアメックスで行われる芝居に出ることになりました。もちろん、役者としてですよ! 出るのは、湘南を拠点にして活動しながら、東京でも何回か公演をしている、大昔、遊◎機械/全自動シアターにいた中嶋比呂嗣氏が主宰しているP.E.C.T.という劇団。タイトルは『Winter Rose〜あなたのいない世界で 或いは 冬の大運動会』。別に冬に運動会をやるという話ではないと思いますが、私の役もまだ決まってないので、どんな役になるか楽しみです。恋愛させてほしいといってるんですけどねぇ、却下されそうですが……。中嶋との付き合いは月光舎が出来た頃ですからもう10年になりますが、94年と95年に月光舎で上演した『眠れぬ夜のアリス』に出演し、父親役を怪演してくれました。私もこれまで2回ほどP.E.C.T.に役者として出させてもらいました。そういえば今年は2月の横浜演劇計画の『WASABI』といい、12月のこれといい、役者づいてるなぁ……と本人が思うほどのものじゃありませんが。でも、そうですよ、かつては私も役者として、岸田理生事務所の前の哥以劇場や、流山児★事務所の前の演劇団にも出たことがあるんですから。もちろん螳螂にも出てましたけど。その12月のP.E.C.T.公演の顔合わせが先週の土曜日、茅ヶ崎で行われました。隣りはサザンがコンサートをした茅ヶ崎公園野球場で、ちょっと歩けば海。季節はずれのえぼし岩が曇り空の中に霞んで見えました。12月の話はいずれまた。
(10.07.2002)
(つづく)