今年は仕事がかなり忙しくて「NYの日本人俳優」を書く時間があまりなかった。役者としては忙しいことは嬉しいことだ。しかしこれを読んでくれている方たちには少し申し訳ないような気もする。それと今年はNYを離れて仕事をすることが多かったのも理由の一つかもしれない。私としては月一のペースで書く事が出来ればベストだと思っているが、なかなかそう簡単には書けないものだ。そもそも書く事が本業ではないぶん時間もかかる。そう思いつつ「さて今回は何を書こうか」と何かテーマのようなものがないかと悩んでいる。ただただなんでも書き並べるのもどうかと思う。
先日、私はあるシアターカンパニーのワークショップを受けるためロンドンに行った。クラスは朝10時と午後2時と6時。3時間ずつの3クラスのワークショップが5日間3人の劇団員によって指導された。私は10時と6時のクラスを取ったが、その内容とレベルの高さに世界中からこのワークショップを受けにくる意味が実感された。私は以前東京である劇団が主催で、イギリス人の演出家を招いて行われたワークショップに参加したことがあるが、その時の内容はあまりにも計画性のないものだった。
私のエージェントが私に確認もせずあるテレビ局のバラエティートークショウの仕事を入れた。その番組は月曜から金曜の深夜全米に放映され、司会者は次世代のジョニーカーソンと言われているほどアメリカを代表する人気番組。スタジオに各界の有名人や人気バンドをゲストに呼びオーディアンスを収容して昼間に収録される。その番組の中でショートスケッチがあるがその為にニューヨークの役者がしばしば起用される。今回のショートスケッチは、今アメリカで大ブームのリアリティテレビ番組の北朝鮮バージョンということで、東洋人の役者が必要になり私のエージェントに番組から依頼がきて私がブックされた。私の役はゲームショウの司会者。収録当日突然5ページもある英語の台本を渡され、それをハングルでしゃべってくれと言われた。私はハングルはしゃべれない。それならはじめから確認するべきだ。エージェントも何も言わなかった。仕方ないのですべて日本語でやった。私が日本語でインタビューしてカップルがハングルで答えるという、何とも奇妙な北朝鮮バージョンリアリティテレビ。無事収録も終わりスケッチは翌日放映された。放映後知り合いから私にメールが届いた。「面白かった」「日本語とハングルのチグハグが最高」「メチャ笑った」など反響は好かったみたいだった。それから2週間エージェントがまた同じ番組の仕事をもってきた。そのときの私の仕事が気に入られたらしい。今度はでっかいマワシを着けて痩せた相撲取りをやらされた。たとえ金のためとはいえ、なんだか役者のはずがタレントになったようでちょっと自己嫌悪に落ちた。
これが今年最後の「NYの日本人俳優」になるが、なんか今回はなんだかただただ書き並べてしまったようだ。
(つづく)
