2004.4.9
NYの日本人俳優(21)

Review/評論

役者は、人前で演じReviewされるべきだと私は思うし、またそれは大変重要な事だと考える。私のような貧乏役者がやるOff Off Broadwayの芝居ではCritics(批評家)はなかなか観に来てくれない。この前の芝居「Luna」の場合なんかは、日本語の芝居だったのでアメリカ人の批評家をはじめから期待していなかったが、それでも英語の字幕が出たのでもしかすると、という思いはあった。がReviewは全く無し。私自身「Luna」で演じた『正木教授』に関しては、役づくりにそれなりの思い入れがあったのでReviewされなかったのは残念だ。

Reviewは役者にとって唯一の評価のひとつだと私は考える。その内容が好意的だろうが批判的だろうが、それが役者のその後の何かにつながるべきだと思う。人には好き嫌があるように、ReviewもそれぞれでCriticsによって批評がまったく異なるし、必ずしも彼らが公平とは思えない。

New Yorkの場合はReviewにもそれなりのランクがある。On BroadwayやOff BroadwayはテレビでもReviewされるが、Off Off Broadwayはテレビはもちろん、新聞や雑誌でもなかなかReviewされない。新聞のReviewでもっとも権威と影響があるのはNY Timesだ。Timesは世界中で手に入るので、その影響力は最大だと思う。

私の独断と偏見でNYエリアのCriticsを挙げるとNY Times, Village Voice, Time Out。これらの媒体でReviewされるということは、批評はさておき劇場に来てくれただけでもラッキーだと思う。とくに芝居は上演数の多さに彼らもすべては観きれないようだ。On Broadwayのような話題性のあるものから見ていくだろうからOff Off Broadwayでは限られたものしか観ないだろう。しかしOff Off Broadwayの中にも必ずNY Timesなどの権威あるCriticsが来る劇団がある。その代表的なのがWooster Group, Builders Association, Richard Forman, Citi Company, Bat Theater Companyなどだ。

私は「Luna」の後New Yorkの隣、New JerseyにあるPlaywrights Theater of New Jerseyというリージョナルシアターで仕事をした。アメリカ全土にはリージョナルシアター、いわゆる地方劇場がたくさんある。それらの劇場はシーズンになるとNew Yorkまで役者を探しに来る。New Yorkの役者は常に何かの芝居に関っていたいとか 、いい役を求めて地方の劇場で経験を積む。そういった意味でリージョナルシアターは役者にとって重要な劇場でもあるわけだ。そしてその地方ではそのほとんどの媒体はReviewを書く。よって役者にとってそこで書かれるReviewは重要な意味を持つ。私もこの3月にPlaywrights Theater of New Jerseyでの仕事で六つの媒体からReviewを書かれた。ちなみにその芝居は「Foreign Exchange」という新作。私のようにNew YorkではなかなかReviewされない役者はリージョナルシアターの仕事はある意味で必死だ。

私は来月から2ヶ月程ドイツのベルリンとボンで芝居をやる。ヨーロッパでの仕事はこれで二度目だが前回はオランダだったのでReviewがオランダ語だった。今回はドイツ語でReviewが載るのだろうか。

(つづく)


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