週刊FSTAGE
リレーエッセイ「私とFSTAGE」
リレーエッセイ「私とFSTAGE」vol.51
手塚 優 03.05.2000


萬歳 野郎さん、ずるずるさん、たま下駄さんと「しあ名」組の後に、自分がたすき受け取るのは少々場違いな気もするのですが、せっかくの機会なので、この場をお借りして、自分の FSTAGE 暦とその馴初めなど振り返らせて頂くことにしました。

その前に、前回のたまさん("たま下駄"さんと呼ぶより、舞踊の会議室のこのハンドルの方が自分には自然なのでこう書かせて頂きます)に過分なご紹介のお言葉を頂き、恐縮なので、自己紹介しときますと、観劇ジャンルとしては、小劇場が主な守備範囲です。少し大きな劇場や商業演劇やミュージカル、歌舞伎などにも出かけますが、小劇場に比べると割合は少ないです。最近は、昔FSTAGEにあった舞踊の会議室のおかげで、コンテンポラリーダンスやバレエなどにも足を運ぶようになりました。たまさんとも、そこでお知り合いになることができたわけで、FSTAGEのおかげで随分観るものの幅が広がりました。そういうことで、観ないジャンルを書いた方が早いかもしれないので、それを並べてみることにすると、まず落語や寄席には行きません。現在のFSTAGEでも、唯一、「しあ名」の会議室だけは覗いてなくて、まだ自分にとっては未知の世界です。(そういうの一つくらい残しておきたいですよね。)それから、今はFDENTOUとして独立している伝統芸能も歌舞伎以外の能狂言や文楽は未体験です。また、FMUSICALのジャンルでも、オペラやコンサートは全然行かないし、FKAGEKI の宝塚歌劇団もほとんど知りません。FDANCEでは、もっぱら舞台を観る方の会議室に参加していて、自分で踊ったりはしません。並べてみると、実は自分のまだ知らない世界がたくさんあることがよくわかる。けど、すごいのは、今、挙げさせて頂いた FSTAGE, FDENTOU, FMUSICAL, FKAGEKI, FDANCE というこれらのフォーラムが自分が FSTAGE に入会した'93〜'94年頃は、まだFTHEATERとして、一つのフォーラムにまとまって存在してたことです。もちろんそれ以前からのFTHEATERの歴史もあって、そんな話は自分にはできませんが、(この後、リレーを引き受けて下さる方々が追々して下さることでしょう) ただ、ちょうどFTHEATERがどんどん拡大、発展していくさまを同時体験できたことは、幸せだったと思います。

前置きが長くなってしまった。自分のNifty入会は'93年10月。パソコン通信もそれが初めてでしたが、職場で利用していたインターネットのニュースグループの中の fj.rec.play で一年半くらい前から、仕事の合間に観劇の感想のようなものを書いてて、自分の拙い感想や観劇の情報をネットワークを介して、不特定の人に読んでもらって、それについてフォローしてもらうというインタラクティブな通信の世界の魅力が分かってきて、(そのころの記事はこちら) FSTAGEにもNifty入会とほぼ同時に参加しました。ただ、まだDOSのパソコンを使用していた自分にとっては air craft という優れたNifty巡回フリーソフトが入手できたことも、通信生活を継続してFSTAGEのよさをあじわうことができた大きな要因の一つです。それまでは、先のfj.rec.playや、いまはなき週刊レター劇評誌「初日通信」ぐらいしか、リアルタイムな舞台情報入手の手段がなかったのですが、FSTAGEのおかげでその情報量が飛躍的に増大しました。また、過去の会議室のログが残っているライブラリなんかも、まだ観ぬ劇団やもう観られない過去の舞台の記録が残された宝の山に当時の自分には思えました。(Niftyがライブラリのログアーカイブに検索機能付ければ、もっともっと有用になると思うのにな。)一寸小丸さんの労作の観劇レビューインデックスも随分と重宝させて頂きました。(小丸さんといえば、'93年12月の神楽坂ディプラッツ の東京ぴゅー公演はFSTAGE入会直後でしたが観ましたよ。)

FSTAGEの会議室「ちょっとマチネそこソワレ」で初めて感想書いたのは'93年12月12日現・にんじんボーンの宮本勝行さんのTEAM僕らの調査局の時代の作品で下北沢・駅前劇場 で観た「続・小津のまほうつかい」。(来年2月に三鷹市芸術文化センターで再演予定、実現したらオフやりたいなぁ)当時のインターネットのニュースでは、原則実名投稿だったので、特にNiftyでもハンドルは決めずにその時以来、今に至っています。その後も、初発言のすぐ翌々日には高円寺明石スタジオでのラオラオピクニック公演の感想を書くなど(田子裕史って役者さん好きだったのに。今はどうしてるんだろ?)、FSTAGEでは、自分の勝手な感想を、好きなときに書かせてもらっています。

それから、初めてFSTAGEのオフ観劇会に参加させて頂いたのは、入会翌年の94年3月でした。演目は加藤健一事務所の『パパ・アイ・ラブ・ユー』。比較的少人数で本多劇場での観劇後に下北沢の呑み屋でお話して、初めてなのにとても居心地よく時間を過ごさせて頂いて、今思うと、その時の参加者の方々は、劇団「猫のお尻」の東京公演チラシを作成された某さんはじめ当時でもとても"濃い"方々ばかりだったようで、とてもラッキーでした。今は、その時のみなさん、今では必ずしも当時ほどお芝居をご覧になられてないようなので、少し寂しいですが、でも自分が今ではもう数え切れないほど、オフに参加させてもらうようになったそのきっかけがその時の体験でしたので、今あらためて、この場で感謝したいと思います。

というわけで、次回はその時のパパ・オフ参加者のお一人、福井 英文さんです。福井さんこそ本当に「シアターフォーラムのほとんどのジャンルを制覇」されているという表現にふさわしい真の観劇猛者だと思います。もちろん誉め言葉ですよ。僕は尊敬しています。

手塚 優(PXF00472@nifty.ne.jp)


  リレーエッセイ、次は福井 英文さんです。
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