リレーエッセイ「私とFSTAGE」 vol.1 じんぼまさのり 03.24.1999 |
そもそも私がパソコン通信 NIFTY SERVE に入会したのは1990年の4月のことでした。目的は F1情報。セナ・プロ対決などが騒がれていたF1の情報が最も充実していたのがニフティサーブだったのです。で、4月10日に初めてアクセスし、しばらくして偶然シアターフォーラムを発見したのでした。5月2日に初めて発言してますね。どんなことを書いたのかは覚えてません。 当時はそんなにいっぱい芝居見てたわけじゃありません。けっこー仕事が忙しかったし。けど、一気に観劇数が増えましたね。なんてったって、当時はおぎさんやARIさんやなかしさんやオオタコさんといった辛口批評家が言いたいことを言ってまして、私としてはかなり衝撃を受けました。当時の観劇数ですが、90年5月は5本、6月19本、7月9本、8月15本、9月27本、10月34本、11月36本、12月27本・・・異常ですね。 (特に9月6日から10月11日までの連続36日観劇とか) で、なぜこんなに増えたのか、原因があるんです。辛口レビューが自由に書けた、というシアターフォーラムの自由な雰囲気もありますが、それよりももっともっと大きな「事件」が当時起きたのです。その事件が、パソコン通信の計り知れない可能性と面白さを私に強烈に印象付けたのです。 その事件は90年の夏にシアターフォーラムを舞台にして行われました。簡単に言うと、シスオペさんの方針に異を唱えた人がいたんですね。で、大論争になったわけです。今なら私もパソコン通信がケンカメディアであることを知ってますから驚きません。もっともっと口汚い罵り合いをその後いろんなとこで見ましたので免疫ができました。けど、当時は私、なんも知らなかったんです。で、1日に100個ぐらいの発言が飛び交い、憶測とコトバ尻を捉えて展開して行く議論に、ほんとコーフンしました。ディスプレイに向かって一喜一憂している自分がいるんです。字面から怒りや憤りや悲嘆が伝わってくるんですもの。それが、普段示唆に富んだ観劇レポートを書いている方 (顔なんか知らないし性別もわからない) が、熱くなって発言しているんです。泣きが入っている方もいる。ほーんと面白かったんです (当事者がまだいらっしゃいますので、「面白い」とか言うと語弊がありますが) 。 で、私は当時新参者でしたので、直接的には議論に加われなかったんで、なんか、フォーラムを前向きに発展させていくことはできないだろうか、と思って、とにかく観劇レポートを書くしかねーだろ、と考え、観劇と全レポートを自分に課したのでしたとさ。 まあ、これが始まりだったわけです。ネットワークは、薄れ行くコミュニケーションを補完するメディアです。コミュニケーションをつまらないものにしてしまった前の世代のおやじたちの策略に対し、私たちの世代が出した回答です。隣にいる人間はコミュニケートする相手じゃなくて、競争相手であり、自分だけがマジメに働けばいい、という価値観を作ったおやじたちは早いとこ死んで欲しい。私たちは、ようやくもう一度コミュニケーションを作り直す道具を手に入れたわけです。そのことを私はシアターフォーラムで教えてもらいました。フォーラムは変化していきますけど、インターネットの普及で、もう一段高いコミュニケーションの可能性が出てきました。ほんと楽しみです。 (ネットで始まって、ちゅーしちゃったのは☆人、エッチまでいったのは・・・ナイショ!) |
リレーエッセイ、次はからさわさんです。 |
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