私の4月からのメインの仕事先、新しい学校、ドワンゴ・クリエイティブ・スクールは7日の土曜日に開校式とガイダンスがあり、9日の月曜日から声優科の授業が始まった。実は最初、私はあまりよく知らなかったのだが(それほど、携帯活用人間じゃないもので)、ドワンゴという会社は、若者たちやアニメ好き人間の間ではかなり有名だということで、後で私も知り、そこが学校を作るということで、ここなら教え甲斐があると思い、やらせてもらうことにしたのだ。いや、以前勤めていた学校がやり甲斐がないということではなく(笑)、それぞれの学校や養成所には、それぞれのスタンスがあると思うので、代アニは代アニなりのやり方をやればいいと思うし、私もそれでやってきたから、別に文句はないのだが。経営的な面は別として。まぁ、いろんな意味で「それはそれ、これはこれ」だな。そう、逆境ナインね。
このドワンゴ・クリエイティブ・スクール、略してDCSの特徴は、現場に直結しているということで、ドワンゴグループのバックアップで、いい子がいれば、どんどんいろんな番組にプッシュしていけるのだ。つまり、逆にいえば、私に課せられた使命は、いい人材(もちろん表現者として)を育てて現場に送り出していくということで、ある時期から、後進を育てていくことに生き甲斐を感じ始めている私としては(いや、まだ天命かどうかはわからないが)、ピッタリの環境なわけだ。もちろん、私自身、創作活動を辞めてしまったというわけではなく、逆に今は、私自身もいろいろやる気が起きている。これまでも、何かをきっかけとして、こういう気持ちが起きた時には、必ず次につながるいい結果が生まれてきているので、今はいろんなことがとても楽しみな状態なのだ。この学校のこともそうだが、他にもいろいろある。6月に福岡で行う「演出家のためのワークショップ」もそのひとつなのだが、それは次週にでも詳しく報告しよう(あ、先週、今週報告するって書いたなぁ。すんません)。他にも、今年から来年にかけて、いろんな企画やお手伝いをすることが進行中だ。新しい仕事が始まってこんな忙しい時期に大丈夫なの? と思う人も多いと思うが、私の性格は、忙しい時じゃないといろんなことが考えられないし、出来ないのだ。いや、そういう人って結構いるんじゃないかな。暇な時にいろいろ考えたりすればいいものを、暇になると、ひたすらボーッとしてるだけで暇を持て余したりして。忙しい時に余計忙しくして。一種の現代病なのかもしれない。
ま、それはともかく、DCSには、すでに現場でいろんな仕事はしているけれど、どうも何か足りないとか、もっといろんなことを勉強したいと思って入って来ている子が多く、なかなか意識が高いのだ。つまり、「プロとしてやるということが当たり前」という環境なわけだ。だから、理解力も高く、反応も早い。実際、平均年齢も23歳で、30代の人も何人かいる。いや、声優に年齢は関係ない。実際、アイドルのように扱われている声優さんだって、20代後半の人もざらだし。もちろん、みんながみんな意識が高いというわけではない。中にはまだまだ甘い人もいるし、演技経験のない初心者の人だっている。しかしまぁ、まだ授業は1回しかやってないし(夜間クラスと午後クラスをやっただけで、土曜クラスは今度の土曜が初めて)、何より環境がいいので(設備ももちろんだけど、現場経験のある意識の高い子たちがいるってこと)、これからどんどん変わっていくだろう。いや、変えていかないと。学校の報告はまた。
そういや、先週から競馬も春のクラシックが始まって、第1弾の桜花賞、ここで予想とかは発表しなかったけど、とりあえず取りましたぜ旦那、3連単、12.680円! パチパチパチ! まぁ、ウオッカとダイワスカーレットとアストンマーチャンが別格で強いのはわかってたので、勝負付けの済んだ馬以外から何頭か選んで3着に入れ、3連単をフォーメーションで買ったら、見事、カタマチボタンがハナ差で3着に残って取れたというわけさ! このまま、今週末の皐月賞も当てたいなぁ! とはいっても、時間がなくてまだ検討すらしてないので、来週、結果報告ということで! ただ、4戦無敗とはいえ、フサイチホウオーは、ここでは来ないと思うのと(アンカツは好きだけど)、桜花賞はアストンマーチャンでダメだった、このところ調子の悪い武豊がアドマイヤオーラで勝負してくるだろうというのと、桜花賞で2着に敗れたウオッカの四位が、武豊から乗り替わるニュービギニングで頑張るかもしれないというのが気になる。なんだ、またアンカツ、武、四位の争いか? いやいや、幸四郎も吉田豊も岩田も蛯名も後藤もノリも若い藤岡もいるからねぇ……お、騎手で予想するってのもいいかも!
先週は観劇は1本。中野光座でやっていた劇団ダミアンの『憂鬱機械』。韓国関係友達の(もう、いろいろ説明していると長くなるので、これが一番早いかな)熊谷さんの誘いで観に行った。熊谷さんが『豚とオートバイ』の無断上演問題等の時に知り合った、劇団黒色綺譚カナリア派主宰の赤澤ムック嬢が役者として出ていて、紹介してくれるということもあったのだが、劇団ダミアンに何となくアングラの臭いを感じて、よし観に行こう、というのもあった。結果は、確かにアングラの臭いはあったが、これも一種の「もどき」だったような気がする。いや、決して悪い意味ではなく、今アングラをやっても、こうなっちゃうんだろうなぁって感じ。いや、今は今だからいいんだけど、わたしゃやっぱり、かつてのアングラには、「身体」ではなく「肉体」を感じたんだけど、最近のアングラもどきには、特に若い役者には、「肉体」ってやつを感じないんだよなぁ。みんなカッコイイし、きれい過ぎちゃう。エロスも感じない。去年観た桟敷童子でも、若い役者たちも頑張ってたけど、アングラを感じたのは南谷朝子と朱源実ぐらいだったもんなぁ。いや、別に二人がカッコよくなくて、汚いってことじゃないけど(笑)。要するに、立ち方ね、舞台の。まぁいいや、ここでいってもしょうがないし。
う〜ん、それにしても、アングラ云々は差し引いても、よくわからない芝居だったなぁ。え、なんで? ってのが何回も出て来て、観終わってもいろんな疑問が残ってた。それは、観客の想像に委ねる部分と違って、不親切なわからなさだった気がする。いや別に、親切でわかりやすい芝居である必要は決してないんだけど(私が、そういう単純でわかりやすく、何も考えないで観ていられるような芝居は嫌いだっていうのは、この乾坤を読んでくれてる方は知ってますよねぇ)。で、終演後、熊谷さんたちと中野の居酒屋で飲んでいる席に赤澤ムック嬢が駆けつけてくれて、その辺りを訊くと、まぁ、いろいろシーンをカットしたりなんだりあったそうだ。私が観たのは初日だったけど、その後、変わったのかなぁ。
作品のことはそれぐらいにして、赤澤ムック嬢はなかなかよかった。女優としても色気があるし、話していてもいろいろ深い話が出来そうだし、酒も好きそうだし、札幌出身だし。この日は時間があまりなくて、ゆっくり話が出来なかったので、まぁまたそのうちに。5月に、8月の本公演のプレビュー公演もあるようなので、それも観に行く。それと、プライベートに関することで、意外なところでのつながりがあったことがわかったりして、なかなか楽しかった(笑)。演出家としての、もちろん作家としてもだが、別の顔も早く見てみたい。
今週はここまで。再開早々、遅れてばかりですみません、ホント。
(2007.4.12)