2005年12月第1週

 2年生の舞台発表会『ピカイア2005』がようやく終わりました。金・土の3回公演で、540人もの人が観てくれて、なんとか観せられるものにもなってくれたので、とりあえず良しとしておきましょう。ま、いろいろあるんですけどね。ここでいってもしょうがないし、一応、授業の一環なので反省会もありますから、問題点はそこで学生たちに直接いうとして、観に来てくれたお客さんたちには感謝感謝、です。学院の先生方もほとんど観に来てくれたし、今年の卒業生や、体験入学によく来る、入学を希望している子たちもたくさん来てくれました。薙野さんはじめ福岡演劇のひろばの方々も何人か観に来てくれました。ありがとうございます。佐賀からわざわざ観に来てくれた東内さんことオレアゴさんには、厳しいアンケートをいただきましたが、ま、そういう観方もあるということで、いいんじゃないでしょうか。

 気になったのは、この作品は40以上もの短いエピソードが次から次へと続いていく構成になっているんですが、どうも、ひとつひとつのエピソードをショートコントのように受け止めた観客が多かったんじゃないかということです。別にショートコントのつもりで書いたわけじゃないんですけどねぇ(笑)。学生たちがやるとコントに見えちゃうっていうのもあるんでしょうけど。とにかく今の若い子たちは、シリアスな芝居がなかなか出来なくて、何でもお笑いの方に持っていこうとしちゃうんですよ。まじめな台詞になると、突然芝居臭くなっちゃうか、軽いままかどっちか。なんででしょう? 多分、普段、しっかりした会話をしてないんじゃないかと思いますよ。コミュニケーション不足というか、コミュニケーションをとるのも苦手みたいだし。だから、内輪受けみたいなところで安心しちゃったりもするんです。まぁ、プロの表現者を目指す以上、内輪受けで楽しんでいるようなレベルの表現だけはさせないように指導してきましたが。

 いずれにしても、私の作品はよくメッセージ色が強いっていわれるんですが、いつも、決してひとつのテーマに絞って書いているわけじゃなく、それこそいろんな思いを込めて書いているので、そこから何を感じたかは、観た人によって違うだろうし(当然、人はみな人生経験や、それに基づいた人生観が違うわけですから)、観た人が答えを考えてくれればいいって思っています。この『ピカイア』での「印象に残ったエピソードは?」というアンケートにしても、答えは多種多様でしたからね。まぁ、来年2年生になる1年生たちがたくさん観に来てくれて、その多くの学生たちが、この作品の奥深さを感じてくれたのがうれしかったですね。台本読解の授業をしっかりやってきたのが功を奏したかな、って感じで、来年は期待出来そうです。 というわけで、これから2年生は来年3月の卒業に向けて、進路を決めていく授業や進路先の説明会が多くなり、私はまた来年度に向けて1年生の授業にも入ることになりそうです。何しろ、学院祭の後、この2ヶ月ぐらいは2年生の舞台発表会の授業(稽古)ばかりでしたからね。年内の授業はあと3週間!

 さて、先週お休みしていた分も含め、報告しておかないといけないことがいろいろあります。

 まずは、11月23日(水)に博多リバレインの地下2階カフェアートリエで行われた九州演劇人サミットの話。まぁ、すでにいろんなところでその様子については書かれているので、簡単に感想だけ。

 話の内容に関しては、第1回ということもあって、いろいろ試行錯誤しながら盛りだくさんにしようとしていた分(いや、それでいいと思うんですけどね)、サミットとしての焦点がはっきりしなかったような気はします。つまり、これといったテーマについてサミットで答えを出すようなことはなかった、と。それぞれのパネラーに対する質問は、当然、周りにいる観客、いや、傍聴者も興味があったことだと思うし、それはそれであってもいいと思うんですけど、彼ら(サミットのパネリストたち)が何かについて、例えば、九州の演劇を盛り上げていくためにはどうしたらいいか、というようなことについて、具体的に話し合うのかな、それで、それについての宣言とかもあるのかな、とも思っていたので、「ん、これって何だったんだろう?」というところもありました。まぁ、それぞれの立場からのいろんな意見交換があり、そういった話を次につなげていければいいとは思うんですが、ギンギラの大塚さんが「演劇の天下はひとつじゃないので、それぞれの天下を目指せばいい」といっていたように、演劇人ていうのは、一人一人がお山の大将的なところがあるので(あ、悪い意味じゃなくて、現実問題としてですよ)、なかなかまとまるのが難しいというところもあるように思います。現に、劇作家協会や演出者協会が出来る時も大変でしたからね。誰かが旗を振らないといけないし。そうそう、第2回は長崎でやるという宣言(?)は出たと思うので、その時にでも、何らかの具体的な組織作りに向けて話が進んでいけばいいのかな、とも思います。

 しかしまぁ、60人近い傍聴者と、さらにサミットの後の懇親会(今年の学院の卒業生たちの心クラスの打ち上げ会が行われたのと同じ冷泉町の“花ざかり”という店)にも50人を越える参加者がいて、あちこちでいろんな話が盛り上がったのは素晴らしいことですね。要するに、大事なのはこういうことで、“サミット”なんていう大層な名前がついているから、私なんかもしっかりしたものを期待しちゃったわけで(笑)、いわゆる“サロン”でいいと思うんですよねぇ。こういった演劇人が集まるサロンがあり、出会いがあり、そこからいろんなものが生まれていけば、横のつながりも広がって、自然に九州の演劇界も盛り上がっていくんじゃないでしょうか。でもまぁ、サロンじゃ逆に軽過ぎるって思われるかもしれませんけどね。いずれにしても、こういった催しは、すべての人を満足させるものになるなんてことはないので、主催のFPAPとしては、FPAPなりのひとつの方向性を示すやり方で頑張っていってほしいと思います! しかし、懇親会は楽しかったぁ! 最初からあれでいいじゃん、てダメですね、まじめな部分もないと。いや、別にいいと思うけどなぁ……う〜ん、わからん。

 その日は、懇親会でいろいろ新たな出会いもあり、実はまだ正式発表出来ない話も決まり、気分よく酔いどれた後も、薙野さんはじめ何人かと中洲のふとっぱらに行き、さらに酔いどれてしまいました。やっぱり、演劇の話が出来るのは楽しいなぁ……あ、韓国映画の話もしたいんですけど、最近、なかなか話が出来ません。周りに詳しい人いないしね。

 さて、先々週の26日の土曜日は、学院の体験入学があり、ゲストは松本梨香さんだったんですが、今回は、梨香さんは翌日仙台ということで、大好きなもつ鍋を食べに行くこともなく、帰られてしまいました。すご〜く残念がってました。一緒に来ていた学院長とは、他の学院の先生方共々、久しぶりに“なん伝馬家”に行き、馬刺しを食べました。

 そうそう、先週の火曜日、薙野さんと会うことになって、久しぶりに博多駅筑紫口にある焼き鳥屋の“太一”に行ったんですが、そこでまたまた釜山から船で来たという韓国の4人の若者たちに会い(3月にも韓国の女性たちに会いました)、いろいろ話をしてしまいました。そのうちの一人の女の子は日本語を勉強しているとかで、おそらく私の韓国語よりもうまく日本語を理解出来(いやぁ、日本で韓国語を話そうとすると、なぜかうまく話せないんですよねぇ。韓国にいると比較的スムーズに出て来るんですけど……いや、別にそんなうまいわけじゃないですよ)、薙野さんも彼女を介して、彼らと韓国ミュージカル『ギャンブラー』に出たホ・ジュノの話とかもしました。二人の男の子は釜山の学生で、女の子たちは慶州に住んで働いているということで、私は8月に釜山に行ったと話し、また釜山に行ったら連絡するということや、慶州に行く機会があったら案内してね、などという話もして、またまた短いながらも身近な日韓交流の時間を過ごすことが出来ました。しかし、福岡は韓国からの観光客が多いですよねぇ。私も何回か道を教えたことがありますし。そういえば、なんと驚いたことに、太一には、以前はなかった韓国語のメニューが出来てたんですよ。以前から、韓国人がよく来るとはいっていましたが、ついにメニューも作ったんですね。私も前の時、焼き鳥のメニューを説明するのに苦労しましたから。 実はこの時、薙野さんとは韓国に関係のある話で会っていたので、この韓国の若者たちとの出会いに二人ともびっくり! 韓国との強い縁を感じたひとときでした。その話については、いずれ正式に決まったら発表しますね。ま、楽しみにしていて下さい、って私も楽しみなんですが!

(2005.12.6)
(つづく)


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