2005年11月第1週

 芸術の秋酣[たけなわ]でありまして、先週は3日の文化の日から4日連続で、3本の舞台と映画を1本観て来ました! しかも、1本は小倉まで行ってね。その間に、5日の土曜の昼間は学院の待機当番で、家では12月の2年生の舞台発表会の台本直しとキャスティングをしなくちゃいけなくて、さらに、ず〜っと借りっ放しの韓国ドラマのビデオを集中して見なくちゃいけなくて、とても競馬なんかやってる暇はなくて、ま、それはGTレースもないんでいいんですけど、家の掃除や洗濯もやらなくちゃいけないし(単身赴任ですから)、とにかくいろんなことを同時進行していた、何をやっていたのかよく訳のわからない先週でした。

 まず、3日に観て来たのが、劇団GIGAの『江戸川乱歩〜トリカイ乱レ歩キ』と名付けられた、『踊る一寸法師』と『防空壕』の2本立ての公演。GIGAは御存知のように、演出家の山田恵理香嬢が今年の利賀演出家コンクールで優秀演出家賞を取った劇団で、今回の公演は第14回目の本公演ということだったんですが、演出は2本とも別の人(新人?)でした。場所は中央区の今川にある鳥飼八幡宮(もうすぐ始まる大相撲九州場所の九重部屋がありました!)というところの境内、というより広場で、中野何某とかいう御方の銅像があり、その銅像の下にドロップを吊るしてて、なんか中野何某かも装置の一部になっていて、いいのかしらんとか思ったんですが、心配は杞憂に過ぎませんでした。芝居とまったく関係ありませんでしたから。結構目立ってたんですけどね、中野何某像。つまり、どうせなら使っちゃえばいいじゃん、てことです。なことしたら、貸してくれないですよね。すみません。

 さて、広場というだけあって、もちろん野外劇なんですが、あまり、ここでやった意味ないじゃんという芝居でした。紙を燃やしたりはするんですが、それぐらいなら劇場でも出来るし、石段を利用した舞台と客席との関係も、野外劇である必要性を感じませんでしたねぇ。隣りの大きなマンションから玄関側の灯りが煌々と照らしていて、あそこに誰か現れて叫んだりするのかなと思ったけど、それもないし(住民に文句いわれますね。すみません)、両側の木々の上に誰か登ってゆすったりするのかなと思ったけど、それもないし(木は大切にしなくちゃいけませんね。すみません)、照明も普通だったし………まず、空間的には、空間再生事業劇団、どうしちゃったの? って感じでしたね。う〜ん、ただ野外でやればいいってもんじゃないと思うんですけどねぇ。あ、私が観れなかった、10月15日に大名小学校の校庭でやった、利賀演出家コンクール優秀演出家賞受賞記念凱旋公演『悪魔を呼び出す遍歴学生〜謝肉祭劇集より〜』(フーッ、長い)は良かったらしいですねぇ。観たかったなぁ! まぁ、劇団で、作品によって波があるのはしょうがないことだとは思いますけど、本公演と銘打っている以上は、私の好きなGIGAらしいすごさを観せて欲しかったですね。空間だけじゃなく、芝居の方も、主宰で役者の菊沢将憲氏や、他にも、気に入った役者もいたんですけど、演出が散漫というか中途半端で、集中してグイグイ引っ張っていけばおもしろくなるはずの話なのに、ダラーッとした雰囲気で、乱歩作品が乱れちゃってる感じがして、残念でした。乱歩は私も大好きだし、題材はおもしろいと思ったんですけどねぇ。あ、乱レ歩キだからよかったのかな。

 しかし、GIGAにしろ、先々週の熊本の劇団きららにしろ、これだ! っていうもので勝負していけば、かなりいい線いくと思うんですけどねぇ。きっと、いろんなことやりたいんでしょうねぇ、演劇が好きだから。わかります。昔の螳螂もそうでしたもん。でもそれだと、一部のファンしかついて来ないんですよね。

 この日は、福岡演劇のひろばの薙野さんと一緒になって、帰りは薬院までチャリで二人並んでサイクリングをしてきました。夜でしたけどね。しかし、福岡市の主要なところは、ウチからだとほとんどチャリで行けちゃうので、ホントうれしいです。福岡ドームまでも30分ちょいで行っちゃいますから。

 翌4日はもちろん学校でしたが、夜、行きそびれないようにと(今年は油断してて観逃した作品が多い!)、『私の頭の中の消しゴム』を観て来ました! いやぁ、ソン・イェジン、良かったです! もう、デレェ〜ですね、かわいくて! この作品は『四月の雪』の前なんですが、これから良くなったんですねぇ。いや、テレビの『夏の香り』からでしょうか。だって、『永遠の片想い[原題:恋愛小説]』も『ラブストーリー[原題:クラシック]』も、初めて観た時はそれほどいいと思いませんでしたからね。もちろん、また観直して惚れ直しちゃうんでしょうけど(笑)。いやぁ、ソン・イェジンいいっ! 実は、PCの壁紙も久しぶりに変えてしまいました。ごめんね、ジヒョン。

 『私の頭の中の消しゴム』は、映画的にも好きな映画です。巷[ちまた]では、愛の記憶を失ってゆく悲しいラブストーリー、てな感じで喧伝されていますが、もちろん、そういう状態になってからも、哀しくて切なくてたまらんのですが(うぅぅっ……涙)、二人が出会ってから結婚するまでも、家族のこととか友人たちのこととか過去のこととか、しっかり描かれていて、いいんですよ! 韓国映画はそういうところ、深く描きますからねぇ(あ、全部が全部というわけじゃありませんが)。しかも、映像的にもなかなか凝っていて、美しい! 『イルマーレ』が引きの映像の美しさが印象的だったとすると、これはアップが多くて、しかもそれに耐えられる主役の二人の表情の豊かさと美しさが印象的でしたね。チョン・ウソンはひたすらカッコよすぎだし(もう、大衆演劇のスターの決めポーズを観た時のような、笑っちゃうぐらいのカッコよさ!)、ソン・イェジンのどんどん美しく、かわいくなっていく表情にはデレェ〜となっちゃうし、今年観た韓国映画の中で、一番大好きな映画であることは間違いありませんね、これは! もちろん、ただデレェ〜と観てただけじゃなく、夫婦ってこうじゃなきゃいけないんだ、とも思いましたね。特に子供のいない夫婦は観るといいですね。あ、一緒に観ないで、別々に観た方がいいかも。隣りの相手がチョン・ウソンやソン・イェジンじゃないことに気がつくとガッカリすると思いますから。しかし、壁に貼ってあったメモのハングル、みんな、すぐわかったならなぁ(パンフレットに載っていて、改めて見てわかって、また涙・涙・涙……)。星取表は当然、★★★★☆! もう一回観に行くつもりです!

 GIGAと『私の頭の中の消しゴム』の話だけで長くなっちゃって、まだまだメインエベント的な公演の話があるんですが、それがまた長くなりそうなので、とりあえず、今週はここまでにしといて、続きは来週! といっても、今週末にはギンギラ太陽’sの公演はあるし、いよいよ『親切なクムジャさん』も公開されるのですぐ観に行こうと思ってるし(11月11日の公開前夜に、新宿東急で『復讐者に憐れみを』と『オールド・ボーイ』と『親切なクムジャさん』の“復讐三部作”一挙上映オールナイトがあるとか! 神奈川にいたら絶対行ってたのになぁ……行ける人は行くといいよぉ! ただし、覚悟してね!)、またまた盛り沢山の内容になりそう……競馬も、エリザベス女王杯だ! 予想は……よそう。

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(2005.11.7)
(つづく)


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