福岡に来て2年半、九州7県で行ってなかった県(ほとんど、車で通過したことはあるんですけどね)のひとつ、熊本県に、30日の日曜日、行って来ました! あと残るは、佐賀県だけですね。佐賀は何もないといわれているので(佐賀の人がいうんですからね)、佐賀競馬にでも行って来ますかねぇ……いや、他にどこかいいとこあります?
さて、日曜日の熊本行きは、前々からいっていたように、熊本県の真ん中ぐらいの宮崎県との県境近く(地名をいってもわからないと思うので……位置的には九州のほぼ真ん中辺りですね)にある山都町というところの清和文楽邑に文楽を観に、そして、熊本市内の打越町というところにある片岡演劇道場というところに大衆演劇を観に行く、総勢8名のツアーでした。福岡演劇のひろばの薙野さんの呼びかけで集まった、オフ会ではよく会っているサンチャイルドさん(カタカナで書くと外人みたい)と石田輝子さん、そして、この日が初対面の永田洋子さん(あ、連合赤軍とはまったく関係ありません、て当たり前ですね)と薙野さんと私、それに、たまたま文楽と大衆演劇の話をしたら「行きたい!」といった代アニ2年生のYとKの2名、あと、熊本で合流した劇団0相の、というより、最近、サルカンバという屋号で制作活動を始めた松岡優子さんの8人。車2台(熊本では3台)のツアーでした。もちろん、私は行きも帰りも助手席。すいませ〜ん。
その日は、まさに秋晴れという晴天に恵まれ、朝7時半に待ち合わせをした天神を出発。九州自動車道を南下して熊本市を越え、御船ICで下りて松岡さんと合流し、一路、清和村へ。ところが、途中、PAでちょっとのんびりしてしまったのと、1台が下りるICを間違えたのと、薙野さんの携帯のバッテリー切れで連絡が取れなくなったりとハプニング続出で、これはもう、文楽の開演時間に間に合わないぞ、と一度は覚悟したものの、演劇の神様は我々を見捨てず、なんとギリギリセーフで10時半の開演時間に間に合い、最初の説明からしっかり清和文楽を楽しむことが出来ました。この日の、というより2ヶ月毎に変わる演目、9・10月は、『壺坂霊験記』。歌舞伎でも有名な作品です。
文楽、いわゆる人形浄瑠璃を生で観るのは何年ぶりでしょうか。大昔に観た覚えがあるんですけど、忘れました。人形が意外に大きくて、舞台は意外に小さかったという記憶があったんですが、久しぶりに観ても、そんな感じでしたね。おもしろかったのは、人形遣いの人たち(主遣い、左遣い、足遣いと、3人で操ります)が、みんな清和村の人たちだということ。江戸時代末期から、農作業の合間に習って覚え、それが受け継がれてきたそうです。人形を操っている黒子(本物は主遣いの人は顔を見せますが、ここでは3人とも黒子でした)の時はわかりませんでしたが、公演が終わっていろいろ説明をしてくれる“ふれあいコーナー”に出てきた時、本当に農作業で日に焼けた農家のおばちゃんたちなので、驚きながらも思わず笑ってしまいました。いやぁ、素晴らしい〜! 声優科の学生たちにも大いに勉強になる浄瑠璃語りの太夫や、三味線弾きも、清和出身の人がいるそうです。この時の太夫は若い人でしたが、語る時の口の形や表情が豊かで(もちろん声も)、いろいろ勉強になりました。文楽の上演時間は40分ぐらい。その後、“千畳座敷”という、次から次へと背景の絵が変わる、からくり舞台を見せてくれます。そして、人形や演目の説明をしてくれる“ふれあいコーナー”では、実際に人形を操らせてもくれるんです。私もやってみましたが、なかなか奥が深そうで、本格的にやり出したら、はまってしまうでしょうね。そうそう、陰から人をそそのかして操る意味の「差し金」という言葉は、この人形の左手を操る金具の名前から来ているそうです。
しかし、こういう山間の村に、文楽専門の劇場があるなんて、素晴らしいことですね! 時間がなかったので、ゆっくり劇場の周りを見ることは出来なかったんですが、資料館があったり、物産館があったり、そこで郷土料理を食べることが出来たりと、いい観光地になっていて、団体客も多く訪れるようです。そうそう、ここ清和文楽邑は、九州の道の駅のひとつになっているんです。
文楽を観た後、あわただしく清和文楽邑を出発したんですが、それには訳があり、次の目的地、片岡演劇道場の芝居の開演時間まで、どう考えても間に合わないのではという話になったからです。それでも、なんとか間に合わせようとみんな急いだのですが、そういう時に限って、前に、制限速度でのんびり走っている小型車があったり(いや、法律的にはそれでいいんですけどね)、熊本市内に入ると(熊本城の横も通りました!)車が混んでいたりと、結局、片岡演劇道場に着いたのは、開演時間の1時を30分もオーバーした1時半。すでに第1部の芝居は始まっていて、劇場内はほぼ満員でした。芝居は後ろの方で観ていたのですが、薙野さんがちゃんと予約を入れておいてくれたおかげで、第1部の芝居が終わった後は、前の方の席に座ることが出来ました。入場料は1.000円で、予約をすると1.500円なのですが、時間ギリギリに行きそうになる人とかは、絶対、予約をしておいた方がいいですね。前の方の席で観れるし、たとえ500円高かろうとも、1.500円が「ウソッ!」と思うぐらい(いや、実際、私もみんなも思わず声を出してしまいましたが)、無茶苦茶楽しかったんですから!
行く前は玄海竜二が出るんだろうと思っていたんですが、毎月、上演する劇団は変わり(大衆演劇の劇場は、だいたいそうですね)、10月は劇団正研座というところの公演でした。大衆演劇に詳しくない私としては、その劇団がどの程度の人気なのかは知りませんが、私は、結構気に入ってしまいました。いや、実は、はまってしまったといってもいいぐらいなんです(笑)! 大衆演劇を初めて観た代アニ生の二人も、他の女性陣も、「これは、はまるわねぇ!」といっていました。実際、客席の8割ぐらいは女性客で(団体で来ているおじさんたちもいましたが)、前の方には追っかけらしい女性たちがいて、歌謡ショーの時には、前に出て行って贔屓の役者の着物に万札を挟むんですよ! バブルの頃、万札のレイをかけたりしたというのは有名な話ですが、この不景気でも、万札が飛び交うんですねぇ。実際に見て、驚きました! 2万円挟んでる人もいましたからね!
私が気に入ったのは、ちょっと太目なんですが(こんな風に書いちゃって、ファンに怒られないかなぁ……でも)、流し目を決めるところが無茶苦茶カッコイイ! 浅井春と、帰りにちょっと話をして19歳だと知った、カワイイ〜浅井早世香ちゃん! 座長ももちろん、決めポーズが、笑っちゃうぐらいスゴいし(ちょっと細めにしている目を、決めのポーズの瞬間、パチッと開くんですよ!)、なんか、みんな個性があっておもしろかったなぁ! 子役の子も頑張っててかわいかったです。
というわけで、こりゃもう、絶対また行きますよ、私は! 正研座も良かったけど(いろんな地方の劇場に追っかけで行く人の気持ちがわかります!)、また他の劇団も観てみたいですね。福岡にも博多新劇座という大衆演劇の劇場があり、福岡に来てからずっと行ってみたいと思っているにもかかわらず、まだ行ってないので、近いうちに絶対行こうと思いました。
片岡演劇道場の社長でもある玄海竜二さんは、歌謡ショーには出て来て、一曲踊ってくれました。また、幕間には、直接、玄海さんや役者たちがグッズやおみやげ品の販売をするんです。私もおみやげに玄海竜二と書かれたおせんべいを買いました。びっくりしたのは、歌謡ショーの終わり頃、突然、客席の灯りが着き、長い髪をオールバックにした裏方のような私服のおっちゃんが舞台に出て来て、「すみません、後ろのトイレでおばあちゃんがちょっと倒れちゃったらしくて、今、救急車が来たんですけど、足が悪くて歩けないんで、救急隊を通してあげて下さい」といったんですけど、なんとそれが、玄海竜二さんだったんです。おばあちゃんは、車椅子に乗れるぐらいで大事ではなく、すぐ歌謡ショーも再開されましたが、私は玄海竜二さんの素顔を見てしまったことがラッキーだったのかどうか、しばらく不思議な気持ちでいました。
すべての出し物が終わったのは3時半ぐらいで、その後、片岡演劇道場の外でみんなで記念写真を撮り、松岡さんとはそこで別れ、福岡組は、後は帰るだけということで、私を含め、見たことがない人が多かった阿蘇山を見て帰ろうということで、阿蘇の外輪の道を通っていくことになりました。
国道57号線を通って大津の道の駅に寄り、山都町で作っている『村城』という地焼酎と出来たてのからし蓮根と、前に長谷川先生から熊本のおみやげでもらって美味しかった太平燕[たいぴーえん]を買い(そこで、熊本産のからいもの“やきいもコロッケ”というのも食べました)、阿蘇外輪山に上がる道を通って、阿蘇山(高岳)の見える展望台に行き、見ましたよ、阿蘇山(高岳)と、その下に広がる盆地を! 少し暗くなっていたんですが、見回しても360度草原だったりして(牧草地だったり、ススキの原だったり)、とにかく雄大な景色でしたねぇ! 展望台は標高1000m以上のところで、気温は9℃(薙野さんの車で外気の温度がわかるんです)。風も激しくて、出していた手が凍えてしまうぐらいの、真冬並の寒さでした(下に降りてきたら15℃になりました)。
それから真っ暗〜な212号線を通って、途中、ライトアップされた樹齢1000年以上という“下城の大いちょう”というのを横目に見て、川沿いにあって、いつか来たいなぁと思った杖立温泉というところを通って、日田に出て、大分自動車道から鳥栖JCを通って福岡に夜の8時過ぎに戻って来ました。
ま、とにかく、行き帰りの車中でも、ドライバーの薙野さんと古〜い演劇の話から最近の福岡の演劇事情の話までたくさん出来たし(福岡演劇のひろばのオフ会では、薙野さんは幹事だし、私は初めての人と話していることが多いので、あまり話せないんですよぉ)、文楽や正研座や阿蘇山を観れたことも、ものすごく楽しくて、一週間分ぐらいの楽しみを味わえた、非常に充実した一日でした!
あ、最後に、その日に行われた天皇賞・秋の話題をちょっと! 勝ったのは、なんと14番人気の牝馬、へヴンリーロマンス。2着に1番人気の牡馬、ゼンノロブロイが入ったものの、3着にも13番人気の牝馬、ダンスインザムードが入り、3連複は141.100円、3連単はな、なんと1.226.130円という大波乱! ところが、この馬券がいとも簡単に取れる、あるサインがあったんです! 実は、競馬の重賞レースの場合、こういうのってよくあるんですが、今回のヒントのキーワードは、当然、初の天皇陛下の観覧もあって、天皇家! 女性の天皇の問題も話題になっている昨今、牝馬が強いだろうっていうのもあったんですが、ズバリだったのが、愛子様の生年月日! 平成13年12月1日のお生まれだそうなんですが、ヘヴンリーロマンスの馬番が1、ゼンノロブロイが13、ダンスインザムードが12と、その数字にピッタリ当てはまるわけです! その数字の組み合わせで買っていれば、14万円の3連複でも、120万円の3連単でも、いとも簡単に取れたわけで……まぁ、これを偶然と思うかどうかはともかくとして、実際に取った人がいるそうですから、恐れ入ります。え、私はもちろん、撃沈でした。武豊のリンカーン(なんと15着!)から買いましたから。う〜ん、サイン馬券、どうなんだろ? しかし、その日の天皇賞、第132回だったんですが、132という数字の組み合わせでもあったわけで……摩訶不思議!
【写真は後ほど(後日)更新します】
(2005.11.1)