2005年8月第5週

 現在、福岡は大型の台風14号の真っ只中でして、これが一週間前だったら、せっかく福岡に来た妻や次男も家に閉じこもりっきりになったわけで、ソフトバンクホークスの野球も観れなくて残念がったでしょうねぇ。しかし、ヤフードームだと台風でも野球やるのかな? いや、交通機関が動かないとやらないでしょうね。

 さて、一週間前の夏休み最後の4日間ですが、おかげさまでいろんなところへ行って来ることが出来ました! それも初体験が結構多い上、みんな当たりばっかりで、夏休みの最初は釜山で食中りして、締めは楽しいことが大当たり! チャンチャン! というわけで、夏休み期間中、いろんなイベントや仕事を頑張ってたことが報われたんじゃないかと思っています……うぅっ(泣)。そういや、釜山で買ってきた、金色の豚に“福”と書かれた携帯ストラップを着けてから、運が良くなっているような気がするんですが……気のせいかな。

 というわけで、一週間前の夏休み最後の4日間、まずは日曜日。去年の11月に長男が福岡に来た時以来の門司港に行って来ました。門司港はお気に入りの場所で、11年前に北九州演劇祭で『眠れぬ夜のアリス』を上演した旧大阪商船ビルも見て来ましたし(ミニコンサートをやっていて、中には入れませんでしたが)、今回は、関門海峡を歩いて渡る(といっても、海の上や関門橋の上じゃないですよ)ことを目的としていたので、関門橋の方に行く時に、当時、月光舎のメンバーで泊まった門司海員会館の横も通って来ました。懐かしかったですねぇ。屋上で体操や発声練習もしましたから。門司港駅周辺では、海峡ドラマシップというところにも初めて行きました。ここには大正時代の街並を再現したレトロ通りというのがあって、なかなか気に入りました。新横浜のラーメン博物館は昭和30年代の街並ですが、ちょっと似た感じはしました。でも、当時の人たちの等身大の人形があったりして、おもしろかったですね。

 そういえば、門司港に着くまで全然気がつかなかったんですが、今、門司港と関門海峡を挟んだ対岸の下関は、NHKの大河ドラマ『義経』の影響で観光ブームになっているらしく、それ目当ての観光客が結構いました。海峡ドラマシップでは、偶然、『義経』で建礼門院徳子を演じている中越典子と平重衡役の細川茂樹(仮面ライダー響鬼!)が来てて、対談も行われていましたが、あまり興味がなかったので(すいません)、ていうか、時間がなかったので、対談は見ないで他のところを見て回りました。例によって(門司港に行くと、なぜか行ってしまう)バナナの叩き売り発祥の地の石碑を見て、桟橋のある広場で、真っ黒に日焼けしたおじさんがやっている猿回し(なんでこんなところで、と思いましたけどね)を観た後、オルゴールミュージアムがある海峡プラザや、旧門司税関の建物を見学し、まるでギャグとしか思えないバナナマンの人形と記念写真を撮り、その時点ですでに結構歩いて疲れていたので、ちょっと距離がある関門橋まで、タクシーで行ってしまいました。

 で、いよいよ関門海峡横断! 関門橋をちょっと過ぎたところにある門司側の関門トンネル人道入口からエレベーターで60m地下へ下り、幅4mというトンネルを歩いて下関側へ向かいました。通行料は自転車やバイクは20円ですが、人は無料。長さ780mの真ん中辺りに福岡県と山口県の県境があり、お約束の記念写真を撮ってしまいました。15分ほど歩いて下関側の地上に出ると、そこは、みもすそ川公園というところで、まさに源平の合戦が行われた壇ノ浦を見渡せる場所。去年の12月に作られたという八艘飛びの源義経と碇を肩に担いでいる平知盛の像があり、その後作られた義経役の滝沢秀明と中越典子の手形もありました。潮の流れが速い壇ノ浦を眺めながら、そこで滅んだ平家の人々に思いを馳せ、再び関門トンネル人道を通って門司側へ戻り、松本清張の小説『時間の習俗』に出てくる和布刈[めかり]神社に行き、その後、もうひとつの、関門橋を見ながらのんびり温泉に入るという目的のため、めかり会館に行きました。ここのラジウム温泉の大浴場から見上げる関門橋は、まさに絶景! で、名物のかま風呂は韓国の汗蒸幕(はんじょんまく)に似ていて、サウナが苦手な私でもとっても気に入ったし、休憩室で生ビールを飲みながら関門海峡に沈む夕日を眺めていると、そのままそこに泊まってしまいたい気分になりました。足も疲れていたし。休憩込みの入浴料は600円ですが、3.800円で宿泊も出来るんです。しかしまぁ、福岡に戻らないといけないんで、7時ちょっと過ぎにめかり会館の前に止まるバスで門司港駅に戻りました。めかり会館には、いつか小倉競馬場に行く時か帰りに行って、のんびり泊まりたいと思います。料理もおいしそうでしたし。

 門司港からの帰りには、妻と次男は初めての小倉に寄り、リバーウォークと小倉城を見て、近くの居酒屋でイカの刺身や地元ならではの料理を食べ、帰りもソニック号で福岡に戻りました。いやぁ、よく歩いた一日でした。

 というわけで、翌日の月曜日はのんびり休むことにし、といっても、せっかく福岡に来てるんだからと、またしても温泉に行くことにしました。ホント、温泉や風呂好きの小松家です。といっても、有名な温泉地の旅館とかではなく(そんな金もないし)、前から私も一度行きたいと思っていた、源泉野天風呂の那珂川清滝というところです。その前に、野球をやっている次男の希望で、家の近くにある沖学園(今年の夏の高校野球福岡大会で準決勝までいったんですよね)で、もし野球部の練習をやっていたら見たいということで、寄ってみたら、ちょうどやっていて、受付で話をしたらコーチの先生が出て来てくれて、快く見学を許してくれました。次男はしばらく見ていて「そのうち、甲子園に行けるんじゃない!」といっていましたが、どうなんでしょうか。まぁ、家の近くだし、代アニ福岡校にも卒業生が結構いるんで(全然ジャンルは違いますが)、頑張って欲しいです。

 それから、西鉄大橋の駅前から出ている送迎バスに乗り、行きましたよ、那珂川清滝! いやぁ、もう最高でした! 外には7つの露天風呂と洞窟蒸し風呂があり、中にも4つの風呂と2つのサウナがあるんですが、その風呂のデザインとか色も落ち着くし、いわゆる全体の造りが広過ぎず狭くなくでのんびり出来るし、脱衣場や休憩室やその他諸々も至れり尽せりの感じで……私もいろんな温泉に行ってますが、たちまちお気に入りの温泉の上位に入ってしまいました! 値段との比較も重要だと思うんですが、1回行くとサービス券がもらえて、それを使えば平日で600円、土日でも900円で一日満喫出来るんですから、素晴らしいです! いえ、別に那珂川清滝の回し者じゃありませんよ、私は。その上、バリニーズエステ(私はやりませんでしたが、妻には誕生日プレゼントということでちょっとやらせてあげました……気持ちよくて寝てしまったそうですが)や垢すりもあり、食事も出来るんですが、この食事がまた、おいしいんですよ! 本格的な料理なんです! 生ビールもちゃんと泡がまろやかでしっかりしていて、うまかったなぁ。ここはもう、月に一回はぜひ行きたいですね! 癒しの隠れ家です、って、もう発表しちゃったから隠れ家にはなりませんが。

 結局、ここには夕方まで3時間ほどいて、送迎バスで大橋まで戻り、西鉄で天神に出ました。それからブラブラあっちこっち見ながら歩いてキャナルシティに行き、AMCで私も妻も観たかった映画『リンダリンダリンダ』を、次男もつき合わさせて(実は次男も隠れ映画ファンらしいんですが)、3人で観ました。ま、わざわざ福岡に来て映画っていうのも何なんですが(初日のエレキコミックもそうですが)、観に行く時間がなかなか取れないし、結果としては、みんなで楽しめたんで、よかったです(初日のエレキコミックもそうですが)。不思議な映画でしたけどね、『リンダリンダリンダ』は。詳しくは、乾坤プラスの掲示板で。

 さて、翌30日の火曜日は、妻と次男の福岡最終日。次男にとっての福岡での一番のお楽しみ、ソフトバンクホークスVSロッテの試合です。もちろん、私も福岡ドームならぬヤフードームでのホークスの公式戦の試合を観るのは初めてで(おととしの12月にマスターズ・リーグの試合は観ましたが)、とても楽しみにしてました! なんたって、福岡に住んでたら嫌でも(いや、嫌じゃないですが)、ホークスのファンになっちゃいますからねぇ。昼間は、私はやっておかないといけない仕事をし(乾坤も)、妻と次男はキャナルシティでショッピング。夕方、地下鉄・中洲川端の駅のホームで待ち合わせて、唐人町駅へ。そこから歩いてドームに行き、売店で松中弁当(いろんな選手の名前を冠した弁当があります)と生ビールを買い、前に買っておいた1塁側内野の指定席に向かうと、間もなく試合開始!

 いやぁ、生でプロ野球を観るのは久しぶりですから、選手の紹介からもう盛り上がって興奮してしまいました。川崎が全速力でショートの守備位置に行くのが印象的で(守備が終わってベンチに戻って来る時も!)、妻と二人ですっかり川崎のファンになってしまいました。ちなみに、次男は松中のファン、去年の12月にドームのバックステージツアーにも来た三男は城島のファンで、次男は三男に城島の下敷きのおみやげを買っていってあげてました。知ってる人は知ってると思うんですが、この試合はなかなかいい試合で、7回まで6対1で勝っていたホークスが(6回に3点、7回に2点を入れた攻撃は盛り上がりました!)、8回表に逆転され、その裏には代打大道が同点打、さらに9回裏に川崎が3塁打を打った後、松中が内野安打でホークスのサヨナラ勝ち! ホークスの勝利も当然ですが、川崎の猛打賞や城島や松中の活躍も観れて、5回のビッグリハンドでのイエローウェーブも、7回のジェット風船も、勝利の白星風船も真っ暗になっての花火も楽しめて、大大大満足の野球観戦でした!

 そうそう、花火の後、客が帰り出したら、ドームの屋根が開いたのにはびっくりしました! 外から風が入ってきて、星空が見えて気持ち良かったです。あれは、どういう時に開くんでしょうかねぇ。帰りはすごい人込みのグッズショップで、まるでSMAPのような川崎の大きな団扇を妻に買ってあげました。妻は「御飯を冷やす時に使うわ」なんていいながらも喜んでましたが。その後、これまたすごい数の人の行列に並んで臨時バスで天神まで行き、福岡最後の夜は、お決まりのもつ鍋ということで、以前、小須田氏とも一緒に食べに行ったことのある楽天地”の西中洲店に向かいました。例によって、山のようにニラが積まれているもつ鍋に驚きながらも、妻も次男もおいしいおいしいと食べていました。代アニ福岡校御用達で、妻も次男も前に行ったことのある“笑楽”はどちらかというと上品な味、“楽天地”は庶民的な味で、もつもいろんな種類が入っています。私はどっちも好きですが、妻と次男は“楽天地”の方が気に入ったようです。次男によると、福岡に来て一番楽しかったのはホークスの試合を観れたことで、次がもつ鍋だったそうですから、よほど気に入ったんでしょうね。締めのチャンポンまでおかわりして食べてましたから。

 ということで、妻と次男は翌日の31日、お昼の飛行機で神奈川に帰り、私は二人を見送った後、午後から、翌日から始まる授業の準備のために学院へ行きました。で、9月1日からは学院の授業が始まり、さっそく、10月1日・2日に行われる学院祭で発表する1年生の舞台の稽古が始まりました。私が演出を担当するのは2クラスの3劇団。これから一ヶ月、その稽古に集中です! それについては、また。

(2005.9.7)
(つづく)


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