2005年2月第2週

 まずは、先々週の話から。

 土曜日には、今年初めての小倉競馬場行き。いや、小倉競馬場に行ったというだけでなく、今年初めての競馬でもあったわけで、なんやかやと1月は土日が忙しかったり、いろいろあって競馬をやる気分になってなかったってことですね。IPATの銀行口座にも資金らしい資金が入っていませんでしたし。

 で、今年初めての競馬でしたが、結果は……ダメでした。いや、「たら・れば」をいえば、惜しいのはいっぱいあったんですよぉ。最近買うのはもっぱら三連複や三連単なんですが、ちゃんと穴馬を選んで1着2着は当てているのに、もう一頭が4着だったのが2回も! しかも、クビ差や半馬身差! これが取れてれば、2万や4万馬券だったのにぃ、ってやつとか。まぁ、狙いはよかったんですけど、その3着に来た馬の馬券まで広げて買う余裕(つまり資金ですけどね)がなかったってことなんですよ。悔しい〜。万馬券は20点や30点買っても、当たれば損はしないわけですからね。度胸が必要ですよね、やっぱり。でも、いいんです。馬券は取れませんでしたが(買った12レース中、2回ほどは当たりましたが、ほとんど儲からない配当でした)、例によって学院の先生方との小倉競馬ツアーだったし(今回は初参加の2人を含めて7人でした)、吉野家の牛丼も食べられたし。って、先週の11日には一日だけの販売があったんですよね。競馬場で食べられなかった人にとっては1年ぶりの牛丼だったわけで、福岡でもすごい行列だったようですが、私はわざわざ食べには行きませんでした。別に、それほど懐かしい味ってわけでもないですしね。ま、競馬場で食べるのも、話のネタですし。そういえば、競馬場の牛丼は大盛(と、けんちん汁)しかなくて650円なんですが、わざわざ近くのコンビニで玉子を買ってきていて、かけて食べている人がいましたよ。ツウですね。きっと何回も来てるんでしょう。私もきっと、今度競馬場に行く時は多分玉子を持って行くと思いますが、ハハハ。

 さて、土曜日の小倉競馬場行きは、往復、車で送ってもらったんですが、翌日も小倉に行くことになっていて、実は、競馬で儲かったら門司港辺りか関門海峡を渡った山口県の温泉にでも泊まって、そのまま小倉に行こうかなぁ、なんて思ってたんですが(そういう考えがいけなかったんでしょうねぇ)、見事、計画は御破算になり、福岡に戻って来たわけで、翌日再び、特急の2枚切符を買って小倉に向かいました。そして、初めての北九州芸術劇場の大ホールへ! そうなんですよ。何回か行っている北九州芸術劇場ですが、大ホールは初めてだったんです。いやぁ、素敵なところですねぇ。私が座ったのは2階席(それでも9.000円のS席です)で、3階席にも上がって見てみましたが、そんなに高い感じがしないので、なかなか観やすいです。1階席も斜面になっているので、観やすいようですね。

 北九州芸術劇場、初めての大ホールでの演目はもちろん、『ロミオとジュリエット』。蜷川幸雄演出、藤原竜也・鈴木杏主演の舞台です。実は、蜷川演出の『ロミオとジュリエット』は、これまでに2回観てるんです。といっても、大昔なんですけどね。1本目は、すでに伝説と化している1974年5月の日生劇場での公演。私は17歳、高校2年の時でした。いやぁ、衝撃的でしたねぇ。もちろん、その前に新劇の舞台も何回か観に行っているし(シェイクスピアもありました)、日生劇場にも四季を観に行ったりしてたんですけど、本心ではずっと「おもしろくないなぁ」と思っていたのが、蜷川『ロミジュリ』を観て、「カッコイイ!」と思いましたからねぇ。そうなんですよ、なぜアングラやアバンギャルドを好きになったかというと、「カッコイイ!」と思ったからなんです! 唐も寺山もつかもキッドも、カッコよかったですもん! 今も基準はそこかもしれませんね。ただ「おもしろい!」じゃなくて、「カッコイイ!」。もちろん、「カッコイイ!」と思えるものの価値観はそれぞれ違うと思いますが、頭で理解する前に、スーッと身体に入ってくるカッコよさってやつです。理屈じゃありません。とにかく、この2年後に入った大学で演劇舎螳螂を結成するわけですが、高校時代から、唐、寺山と共に、蜷川、あと安部公房や、その後、黒テントね、そういったアバンギャルドの影響を受けていたわけです。この蜷川演出初演の『ロミジュリ』の、中野良子と市川染五郎(現・松本幸四郎)の二人が美しく絡み合っている表紙のパンフレットは、今、手元にはないんですが、神奈川の実家には大事に保管してあり、時々、見返しています。2本目の蜷川『ロミジュリ』は、やはり日生劇場で、本田博太郎と藤真利子による公演。これは初演から5年目の79年ですね。とにかく74年の蜷川『ロミジュリ』を観てから10年ぐらいは、ずっ〜と蜷川演出作品は観に行ってましたから。

 さて、藤原竜也と鈴木杏ちゃんの『ロミジュリ』ですが、もういろんなところに劇評やら感想文が出ているのでなんですが、私もしっかり楽しませてもらいました。一緒に観に行った学院の若い子たちにとっては、私が初めて蜷川『ロミジュリ』を観た時のように、いろいろ衝撃的なところもあったようです。特に、予備知識のなかった子が多かったので、観終わって、「あの顔(舞台装置は、たくさんの世界中の若者たちの顔写真で作られているんです)は何なんですか?」と訊いてくる子が多かったんですが、私は「それを考えたり、調べたりすることが大切なんだよ」と、あえてすぐに答えを教えませんでした。すると、いろいろ、こうだと思うという答えが返って来て(世界中の若者たちに見つめられている中で、若者のドラマが繰り広げられるのはおもしろいとか、客席の自分も見られているようでリアリティを感じたとか)、それがなかなかおもしろかったです。その後に、「あれは、愛のために死んでいった若者たちの遺影なんだって」と教えてあげると、みんな感心して納得してましたが、ほんとは私も予備知識なしに観ればよかったぁと思いました。ダメですね、情報があり過ぎるっていうのは。でも、多分、こうなんだろうというのはわかったと思いますけどね。蜷川演出ですから。

 私が今回いいと思ったのは、ミーハー気分は別として、やはり藤原竜也と鈴木杏という若い二人の演技ですね。周りの役者たちは、もう、いわゆる普通の達者なお芝居をしているわけですが(乳母の梅沢さんも当たり前によかったんですが、私は初演の山谷初男さんの乳母の印象が強過ぎるもんで)、ロミジュリの二人はねぇ、若いパッションで押しまくってる感じで、とにかく表情がよかったです! 最近、大きな劇場に行く時は、競馬観戦も兼ねて買ったオペラグラスを持参しているんですが、じっくり表情も観せてもらいました。藤原竜也は意外に老け顔なのかなと思ったり(でも、美しいですけどね)、ちょっと汗っかきなのかなとも思いましたが(前の晩、飲み過ぎたのかな?)、まぁ、あれだけ動き回ってれば、汗もかきますわな。鈴木杏ちゃんは思ってたよりもポッチャリしてる感じでしたけど(いや、ポッチャリ系も好きだからいいんですけど)、とにかく、かわいかったです! しかしまぁ、ほんとに、この舞台は、この二人のためのものって感じでしたね!

 というわけで、先々週の土日は二日連続の小倉行きでしたけど、先週はまたまた「ようやく」シリーズ第三弾で、やっとこさ『僕の彼女を紹介します』を観て来れました! もう、公開最終週でしたよぉ。何しろ、試写会に行きそびれてから2ヶ月ぶりですからねぇ。公開もちょうど2ヶ月でしたね。まぁ、『僕カノ』については、いずれ乾坤プラスの方で書きましょう。しかし、賛否両論いろいろあるようですが、私は★★★★です! いいんです、チョン・ジヒョンのための映画で! 『猟奇的な彼女』のための映画で! 最後の駅のホームのシーンがすべての映画で!

 すみません、またまた長くなってますが、実はすごく重要なことで、書き忘れてたことがあるんです。いや、先週末の三連休は、学年末の成績表書きと部屋の掃除と洗濯と体験入学でな〜んも出来ませんでしたから、特に書くこともないんですが、え、バレンタインデーのことかって? そういえば、14日はそうでしたね。去年を紐解くと、なんと小松杏里史上最多のチョコレートをもらって喜んだりしてますが(もう年寄りなもんで、許してやって下さいな)、今年は、数こそ去年より少なかったですが(去年、「今年だけだと思うけど」って予想した通りですね。それでも9人からいただきました。ありがとうございます!)、なんかすご〜くうれしいやつをいただいちゃいましてね。量より質ってやつですか。いえ、去年も高級なやつもいただいたりしちゃいましたが、今年はムフフッとうれしくなるやつを……どんなのかって? いえ、内緒です! って、別にもったいぶるようなことじゃないんですけど、実は去年も今年も、もらうのは、私がいつも教えている声優科の学生たちからのがほとんどだったんですけど、今年、なんとコミック科の学生がくれたんですよぉ! まぁ、去年の11月に交流授業というのがあって、私もアニメーター科やコミック科の授業に入ったりしたんですが(ちゃんと、アニメーター志望や漫画家志望の学生たちに演劇のワークショップをやったんですよ)、その時の授業がすごく楽しかったといってくれて、去年の12月の声優科の舞台発表会『聖ミカエラ〜』も観に来てくれた学生なんですけどね。元々、演劇も好きだったらしいんですが、いやぁ、こういうのってうれしいですね! ありがとう、Hさん! 教えてくれた薬院にある佐世保バーガーも食べに行きますよ! って、だから、そういうことじゃなくて、書き忘れてたことっていうのは、実は、このFSTAGEにふさわしい演劇に関する、しかもタイムリーなことなんですぅ! あぁ、でも、また長くなりそうだなぁ……というわけで、その話題は、来週に! あ、別にもったいぶってるわけじゃなくて、今週、金曜日から神奈川に帰るので、その話も、さらに深く報告出来るかもしれないので、ってことです。神奈川に関係あるっていうと……わかるかな? あ、韓国ドラマリーディングもあるし、ガンちゃんの四十九日もあるし、う〜ん、来週もまた長くなりそう、かな。

(2005.2.16)
(つづく)


前週
週刊FSTAGE掲示板