先週触れた『キネマ旬報』ベスト10の影響というわけじゃありませんが、このところ、毎週日曜日は半額になる近くのレンタル・ショップで、毎週2〜3本、邦画のDVDを借りて観ています。韓国映画はどうしたかって? もちろん、新しく出たやつは観てますが(しかし、最近はドラマがたくさん置いてありますね)、今、レンタルショップに置いてある韓国映画は大体観ているので(乾坤プラスでお薦め作品をなかなか紹介出来ていなくて、ホントすみません)、今まで観ていなかった「邦画」にターゲットが移ったわけです。特に、観逃していた最近の『キネ旬』ベスト10の作品が多いですね。もちろん、映画好きの私としては、映画は映画館で観るものだと思ってはいるし、時間があればチャリで行けるキャナルシティのAMCのレイトショーを観に行きたいのですが、残業が伸びるとレイトショーの時間にも間に合わず、観たいと思っていた作品もいつのまにか公開が終わっていたりして、どうしても手近なDVDで観てしまうわけです。しかも、今の福岡の部屋のテレビは借り物で小さいんですけどね。
しかしまぁ、最近のDVDは特典映像もついていて、いろいろ楽しいですよね。特に私が好きなのは、メイキングは当然ですが、監督や出演者が映画を観ながらコメントや解説をしている「コメンタリー」ってやつ。先週借りてきた『ジョゼと虎と魚たち』も、1回本編を観てから、コメンタリーがついていたのでそれも観たんですが、いやぁ、おもしろかったです! 作品自体、私は大好きで、笑いながらも感動して観終わったんですが、コメンタリーでは、え、こんなことまでいっちゃっていいの! という裏話を、妻夫木クンと犬童監督、池脇千鶴ちゃんが話してくれるわけで、感動のシーンが、実はこうだったんだと驚かせてくれたり、一回観た画面では気がつかなかったセットとロケの違いや、犬童監督のこだわりがわかったり、池脇千鶴ちゃんが自分の胸(この映画で脱いでいるんですけどね)に対してどういう思いを持っているのかということがわかったりと(ま、それはどうでもいいことといえば、どうでもいいことなんですが)、さらに深く映画を楽しむことが出来ました(いや、実は、映画と直接関係のない楽しいコメントが多かったような気がするんですけどね)。ほんとは、その上でもう一回観ればよかったんですけど、返却期限ギリギリになったので返しちゃいました。
この「コメンタリー」、もちろん、すべてのDVDについてるわけじゃないんですけど、映画を2倍も3倍も楽しめて、いいですよぉ! どこかで誰か、「コメンタリー」付DVDのリストみたいなの作ってないかなぁ。洋画の場合、監督の解説付というのは多いですけどね。楽しいコメンタリーがいいなぁ。そういえば、最近出た『猟奇的な彼女/ディレクターズ・カット特別版 』のDVDには、元々韓国版にはついていた、クァク・ジェヨン監督とチャ・テヒョンのコメンタリーやNG集もついているので、きっとまた買っちゃうんだろうなぁ。ほんとはチョン・ジヒョンのコメントが聞きたかったけど。
さて、先週の金曜日は、もうめでたいという年でもありませんが(って、去年も書いてますね)、私の48歳の誕生日でした(4回目の年男ですね。次の年男は還暦か!)。で、学院の元・螳螂の長谷川先生から映画のお誘いをいただき、元・月光舎の中村先生と三人で、ようやく『カンフーハッスル』を観て来ることが出来ました! 先週の『ハウル』に続いての「ようやく」シリーズ第2弾です。
いやぁ、『カンフーハッスル』、よかったなぁ! 御存知のお方もござりましょうが(外郎売りですね)、私とアジアとの出会いは、今から10年ちょっと前、香港映画にはまったことから始まりまして、香港にも3回ほど行ってまして(月光舎関係総勢28名で行ったこともありました)、もちろん、チャウ・シンチーの映画も日本未公開のものまで観たりして(最近はかなりDVD化されてますね)、一時はかなりはまってました。ですから、『少林サッカー』が大ヒットして、チャウ・シンチーが、それまで香港映画のホの字も知らない人たちに認知された時はものすごくうれしかったし、チャウ・シンチーが日本に来るようになったこともうれしかったんですが(元・螳螂で現・道学先生のかんのひとみはファンクラブにも入っちゃったらしいですから)、チャウ・シンチーの本当のおもしろさは、『少林サッカー』の世界とはちょっと違うぞと感じていたんです(いや、もちろん『少林サッカー』もおもしろいし、大好きですけど!)。つまり、どこかに陰があるというか、暗さや残酷な部分があるのが、チャウ・シンチー本来のマニアックでおもしろい世界なわけです(『食神』しかり、『喜劇王』しかり)。そういった本来のチャウ・シンチー作品の魅力と香港ティストが満載だったのが、『カンフーハッスル』でした。
なんか一般の人には、ちょっと残酷な描写があったりして、あまり受けがよくなかったようですが、そのブラックな世界こそがチャウ・シンチー本来の魅力なんですよ! ちょっとヤバイ世界ね。だから『カンフーハッスル』では、笑っているうちに人が殺されたりするわけで、一瞬ドキッとしますが、いいんです、どうせチャウ・シンチーの映画なんですから! と思って観ればいいわけです。しかし、この大馬鹿映画、やりたいことやってくれますよねぇ! とにかくいろいろなシーンで、おそらくチャウ・シンチーもそうなんだと思いますけど、子供の頃、ほんとにこうなったらいいなぁ、と思っていたことを、どんどんやってくれちゃうんですから! つまり、キャッチにあった「ありえね〜!」ってやつですね。もう、チャウ・シンチーは、ワイヤーとCG使って遊びまくってるって感じです。福岡の映画館は、お客さんたちがシャイなのか、割と静かなんですが、私は最初からひとりで大声出して笑いまくってました。長谷川先生も、「杏里さんの笑い声が、またいい効果になって、より楽しめた」といってくれたんですが、さすがに、みんなチャウ・シンチーの笑いに慣れてきたのか、遠慮なく笑い声をあげている私につられてきたのか、次第にいろんな人の笑い声が場内に響くようになってきました。私は“笑い屋”か、って! 楽しかった『カンフーハッスル』、時間があれば、もう一回、いや何回も観に行きたいぐらいですよ!
『カンフーハッスル』は12時近くに終わり、その後、長谷川先生と近くの居酒屋で誕生日の乾杯をして、まもなく帰りました。というのも、翌日は休みなんですが7時に起きなくちゃいけなかったもので……フフフ、これも「ようやく」シリーズですね。今年になって初めての競馬、小倉競馬場行きだぁ! これについては、翌日も二日連続で小倉に通って観た、藤原竜也+鈴木杏ちゃんの『ロミオとジュリエット』の話と共に、次回、お送りしますね!
【今週は写真はありません】
(2005.2.8)