先週は、雪も降らず(まだ寒いことに変わりはありませんが)、授業と放課後の「見えない芝居」の稽古で、一週間を特に何事もなく過ごしました。そして、土曜日には、夜、またまた天神の天然温泉・ゆの華に行って疲れを癒してきました。いやぁ、いいですよ、あそこは! 会員になると650円で何時間でもいられるし(食事や休憩をするところと風呂を何度も出入り出来るので、飲んで一休みしてからまた温泉に入れる!)、何種類かのジェットバスはもちろん、露天風呂もあるし、スーパー銭湯よりちょっと高いかもしれないけど、サウナも自由だし、なんといっても、本物の温泉(嘗めるとしょっぱい)でしっかり温まるし、肌はすべすべになるし(男でも気持ちいいもんは気持ちいい!)、完全に福岡での私のお気に入りの場所のひとつになりました。天神で芝居を観た後に行くとか、夏になれば、稽古の後に行って涼みながら帰って来るとか、これからさらに行く機会が増えそうです。
日曜日には、せっかく今の時期と夏だけ開催している小倉競馬に行かない手はないと、前から約束していた、学院でやはり競馬が好きな春日先生という若い先生と一緒に小倉競馬場に行って参りました。というわけで、今週は競馬のお話なので興味のない方、すみません。でも、ちょっとしたハプニングというか、ドンデン返しがあり……いやぁ、競馬はやっぱりおもしろいですよ。劇的です!
さて、春日先生のカッコイイ愛車で朝の7時半に福岡を出て、小倉競馬場に着いたのは9時ちょい過ぎ。駐車場に車を停めて場内に入ると、もうパドック(馬の下見場)には第1レースの馬が出ていました。この時期、競馬は小倉と京都と、そして東京での開催が始まったんですが、この日のメインレースは京都でG3の京都牝馬ステークス、東京ではやはりG3の東京新聞杯が行われます。小倉は何も重賞レースがないので、比較的空いていましたね。重賞レースがある時は駐車場もすごく混むらしいです。
で、さっそく第1レースからしっかりパドックを見て馬券を買いましたが、やはりいいですね、パドックで馬を生でしっかり見れるというのは。私はまぁ、競馬歴は長く、馬を見る目もそれなりにあると思うんですが、どうしてもテレビだと映像の関係で馬を後ろから見れないし(私の馬の見方のひとつは、後ろから腰と歩様を見るんです)、肌の色艶もわかりにくいので、いまいち馬の調子が掴めません。ましてやラジオだと、解説者の見方を信じるしかなくなるわけで、本当に自分が選んだという感じがしないんですよね。で、結局、競馬新聞を見て予想するしかなくなるわけなんですけど、パドックを見ると、新聞には書いていないことがわかり、「予想」じゃなく、「確信」で馬券を買うことが出来るわけです。ですから、私はパドックを見て馬券を買う時は、新聞の予想はまるっきり無視します。
第1レース、パドックを見ていいなと思った比較的人気薄の馬は結局4着。ワイド(選んだ馬が1〜3着までに順位は関係なく2頭入ればいい)で買っていたんですが、だめでした。でも、他に選んでいた馬たちもみんな上位に来ていて、今日の小倉とは相性良さそうだなという感じがしました。で、前日の土曜日も小倉は荒れている(高い配当のレースが多いこと)こともあり、春日先生に「今日の目標は万馬券を取ること!」と宣言してしまいました。春日先生は「好きな岡部騎手(東京競馬で騎乗)からの馬券が取れればいい」といっていました。ちなみに春日先生は、小倉だけでなく、京都と東京、全開催場の全レースを3点ずつ買うそうです。つまり、3競馬場×12レースで36点。実際には、それにプラスアルファで買っていました。
さて、第2レース、狙った(いいなと思った)15番人気の穴馬が3着に入り、1、2着になった馬も買っていたので、いきなりワイドのボックスで3点的中しました。つまり、パーフェクトってやつです。ただ、それなら三連複(1、2、3着の馬を順位は関係なく当てる)でも取れていたわけで、当然、配当は三連複が9.030円と、もうすぐで万馬券という金額で、ワイド全部では4.720円とガクンと落ちた配当になっていました。しかしまぁ、「パーフェクトだし、幸先いいわい!」と思っていたのですが、ぬぁんと、その後、ワイドで買っていれば取れたものを、欲を出して三連複を買ったもんだからだめだったり、狙った穴馬は来たのに、人気馬を外したがために取れなかったりと、第8レースまで5連敗(第4レースは買わなかったので)! 第9レースでようやく少し取り返したものの、かなり負けが込んできて、身体も懐も寒くなって熱燗を飲んだりしちゃいました。
そうそう、昼は、前に来た時に食べた(2003年8月第4週)みやじのだんご汁ならぬ、新名物という「とん丼」なるものを食べました。これは520円でボリュームもあり、スープ付きで結構おいしかったです。これにはビールが合いましたね。
レースの方は、午後になると荒れ出して、なんと第7レースでは枠連も、当然、馬連も、ワイドまで万馬券で、馬単(1着馬と2着馬を順番に当てる)が約12万円、三連複が約39万円という配当も飛び出しました。そして、小倉のメインレース、私は点数を絞って三点しか買わなくて、それもだめで、東京新聞杯も好きな田中勝春騎手をはずしてしまったがためにだめでした。そして、京都のメインレースの京都牝馬ステークスは、パドックは見れないながらも、断然一番人気のピースオブワールドははずし、最近力を付けて来たと感じていた8番人気のチアズメッセージから、馬単は来ないだろうが3着までだったら入るかも、と他に6頭を選んで三連複を買いました。でも、パドックも見てなくて自信がないので100円ずつでした。それでも15点になるんですよ。
さて、レースの方は、小倉競馬場のターフビジョンで実況中継されたんですが、なんとチアズメッセージが一番でゴールに飛び込んで来ました! 「やったー!」と思った瞬間、「待てよ、三連複ってことは……」と、ターフビジョンに再び映し出されたゴール前の映像を見ると、1着は確かに6番のチアズメッセージ、で、2着は13番の馬、ここまではいいと……ところが、3着になんと、黄色い帽子の7番の馬が入ってるじゃありませんか! ということは、三連複は6−7−13で……ない! 6頭の中に7番は入ってない! もう、「ウォーッ!」でしたね。春日先生は「でも、チアズメッセージを選んだっていうのはすごいですよ!」となぐさめてくれましたが、考えたら、チアズメッセージから馬単にしていれば、6−13は取れたわけで、なんと18.000いくらかの万馬券のはず! またしても、と悔しかったですねぇ。結局、そのまま最終レースもだめで、ガランとした競馬場を見て、帰りには小倉競馬場の緑の素敵な制服を着ている案内係のきれいなお姉ちゃんと一緒に写真を撮ってもらったりして、春日先生の車で福岡への帰途に着きました。でも、いつも通りの負け具合だし(まぁ、土日遊ぶのに使ったと思えば安いもんです)、いろいろ楽しかったから、特に落ち込んだりはしてませんでした。帰りの車の中で、春日先生は東京のレースで岡部騎手からの馬券が取れたのでよかったということ(とはいえ、春日先生も結局マイナスでした)や、夏の開催の時には大勢で来ようという話などをしました。そして、そろそろ福岡に着くという時、私はその日IPAT馬券道場で買った馬券の結果を調べるために、携帯でその日のレース結果を調べ、あの悔しかった京都牝馬ステークスの配当はいくらだったんだろう(小倉競馬場の場内では詳しく見なかったので)と調べていたら、おやっと、変なことを発見しました。なんと、3着が2番のハッピーパスになっているんです。確か7番のはずだったけどと思いながらよく見ると、確かに2番で、三連複は2−6−13。ぬぁにと、いつもならハズレ馬券は縁起が悪いと捨ててきてしまうはずのハズレ馬券を、その日はなぜか持っていたため、調べ直してみると……ありましたよ、2−6−13! 配当は16.320円! おぉ、万馬券取れてる! その時は、ヤッターッ!というより、なんじゃこりゃ!という感じでしたね。要するに、小倉競馬場のターフビジョンでは、はっきり見えないため、2番が7番に見え、1枠の白い帽子が5枠の黄色い帽子に見えたわけです。
というわけで、その日の宣言通り、万馬券は取れた(取れてた)わけですが、もし、その場でわかっていたら、その後、その分も継ぎ込んで、結局だめで、その分もなくなっていたかと思うと、実に変な気分でした。まぁ、よかったんでしょうね。でも万馬券取ってもマイナスだったっていうのは、馬券の買い方を間違ったということで、それがその日の反省点でした。これが100円ずつじゃなく、500円ずつとか、せめて300円ずつとかだったら、万々歳だったんですけどね。ああ、あと、馬券を捨てなくてよかったってことですね。これからは取っておいて、家に帰ってからもう一度調べようっと。とにかく、今年最初の競馬場行きは、ちょっと寒かったけど、楽しくて不思議な一日でした。
で、その日の夜、NHKのアーカイブススペシャルで寺山(修司)さんが30歳の時に脚本を書いたという『わが心のかもめ』を見たら、すでに競馬が出て来ていて、「彼は馬券ではなく、自分を買っているのだ」という台詞があったのには笑ってしまいました。いや、懐かしいという意味とその日の出来事を思い出してですよ。ビデオを撮り忘れたので、また再放送してくれないかなぁ。20歳の吉永小百合さんもかわいいし、寺山さんのエッセンスが盛り込まれた素敵な作品でした。
そういえば、先週で乾坤100回目だったんですね。で、今回は101回目。またまた長くなってすみません。今週末には一ヶ月ぶりに神奈川に帰ります。誕生日も迎えますし。向こうに行ったら、福岡ではまだ一般公開していない素晴らしい韓国映画(『気まぐれな唇』と『ハッピーエンド』)を観たいんですけどねぇ。どうなりますことやら……東京のみなさんは、ぜひ観に行って下さいな! あ、『オアシス』もね!
(2004.2.3)