2003年10月第3週

 いやぁ、福岡は盛り上がってます! 日本シリーズね。ダイエーホークスがとりあえず2連勝したのはうれしいんですが(最終的にはいっぱい試合を観たいので第7戦までやってくれることを望んでます)、実は福岡には阪神ファンも多くて、その人たちも一緒になっていい感じで盛り上がってるんですね。といっても、テレビのニュースで観ただけなんですけど。残念ながら、土曜日も日曜日もドームにも飲み屋にも行けませんでした。土曜日は家で試合開始ギリギリまで6劇団の台本の整理やら香盤表作りをしてて、結局テレビ観戦。いやぁ、いい試合でしたねぇ。こういうシーソーゲームこそ、野球の醍醐味ですね。私はどっちも好きなんで、試合として、一体どうなるんだろう、おもしろいなぁって思いながら観てました。まぁ、当事者や関係者にとっては胃が痛い展開だったでしょうけど。芝居でこういうのって出来ないですかね。シーソープレイ、あるいはシーソー演劇。ネットで検索しても出て来ませんね。しかし、どういう芝居にしたらいいんだろ。どんでん返しの連続みたいのはありますけどね。まぁ、展開がどんどん変わればいいんでしょうけど……。

 日曜日は、例によって学院の体験入学で、テレビさえ観ることが出来ませんでした。これも違った意味ですごい試合だったみたいですね。13−0って、そんなに差のついた日本シリーズの試合ってあるのかな? 観たかったなぁ……。さぁ、火曜日からは甲子園ですね。残業しないで早く家帰って観なくっちゃ!

 ところで、先週お知らせした『外郎交響曲[ういろうシンフォニー]』、とりあえずのお披露目は終わりました。まぁ、忙しくて時間がなくなってしまったこともあって稽古不足だった割には、なかなかうまくいって(出演してもらったのは二年生なので、当然みんな、一年以上前からしっかり身体に叩き込んでいるものなので)、評判もよかったですねぇ。代々木アニメーション学院の体験入学というのは、中学生や高校生も含め、いろんな世代の入学希望者や学院に興味のある人が来るんですが、声優タレント科は当然、学校の演劇部などで活動してる人も多いわけです。ですから、参加者に「外郎売り、知っている人?」と尋ねたら、8割ぐらいの人が手を挙げました。そういう人たちだからこそ、外郎売りのおもしろさをわかってくれたのかもしれませんが、「感動しました!」とか「自分もやってみたいと思った」というようなアンケートが多かったですね。外郎売りで、なぜ感動かというとですね、「拙者親方と申すは〜」というあの台詞を、暑い夏や寒風吹き荒ぶ冬という状況設定の中で語ったり、ヤクザの外郎売りやら、ブリッコアイドルの外郎売りやら、怪しい外人の外郎売りやら、宝塚歌劇の外郎売りやらでやったり、競馬中継風とかお経風とか、いろいろな設定を作って語っていくわけです。ちなみに、3回繰り返すので、全部で20分ぐらいになります。そして、最後には、みんながひとりずつ加わっていきながら出演者全員(この時は13人でした)で合唱していくのですが、あの早口の台詞が、みんなの息が揃って盛り上がって語られていく様は、確かに感動もんですね。私も「カッコイイ!」と思っちゃいましたもん。いつもは比較的おとなしい参加者たちからも大拍手が起こりました。というわけで、調子に乗って、この『外郎交響曲[ういろうシンフォニー]』は、さらに練り上げながら、これからも発表していくことが決定しました!

 次回は、11月16日(日)にやります。といっても福岡だけですが、もし近くにお住みの方は、ぜひ観にいらして下さいな。まぁそのうち、月光舎の公開ワークショップでも、やりましょうかねぇ。

 さて、前述し、先週もちょっと触れた6劇団のことですが、あと10日あまりで公演ということで、稽古も佳境に入ってきました! 演目は、劇団かげろうが『トレイン』、劇団KISEKIが『絆という名の奇跡』、激団うみくらげが『忘れ櫻』、劇団なんでやねん。が『正しい「不幸」の作り方』、劇団YAKIN−AKEが『未練』、劇団威風堂々が『新撰組異見』と、6作品とも、感動作あり、コメディあり、時代劇ありと個性溢れる作品ばかりで、なかなかおもしろくて楽しいです。これは、11月1日(土)・2日(日)に代々木アニメーション学院・福岡校の学院祭で行われる〈演戯戦★2003〉で発表される一年生の舞台なんですが、9月の授業の中で学生たちに約30分(200字詰め原稿用紙50枚程度)の演劇用台本を書かせ(もちろん一回の授業の中だけでなく、宿題として出しましたが)、その中で学生たち自身がいいと思った作品を選ばせ、自分がどの作品に関わりたいかということも選ばせて上演することにしたものなので、あらかじめ決めた作品を上演するのと違い、学生たちの気合の入り方も並々ならぬものがあります。まぁ、私自身もおもしろいことをやりたいと思って企画したことなんですが、ここに至るまで大変、いや、まだ本番が終わるまで大変なことは続くと思いますが。こちらも、ぜひお近くの方は観にいらして下さい!

 基本的に学生たちがみんなで作っていっているものを生かしているのですが、監修ということで、ちゃんと小松杏里ティストも入っていると思いますよ、フフフ……いやぁ、やっぱり舞台は楽しいですねぇ。何が楽しいって、出会いですよ、出会い! 作品との出会い、人との出会い……意外な出会いが劇的さを生む、ってことですね。また、報告します。

 ううっ、競馬のこと(スティルインラブ、メジロラモーヌ以来17年ぶりの牝馬三冠!)、書けなかった……

(2003.10.20)
(つづく)


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