先週お知らせした『博多学』(岩中祥史・著/新潮文庫・刊)は、福岡に単身赴任中の私にとっては、かなりおもしろい本で、歴史的なことに関しても、裏情報にしても、こっちの人でも知らないようなことが書いてあるし、あらためて、博多のおもしろさ・楽しさ・奥深さを認識しているところです。おそらくこの本を読んだ人は、絶対、博多に来たくなるでしょうねぇ。それも単に観光じゃなく。
まぁ、考えてみれば、こっちに仕事で来たことのある友人たちは、私が福岡に来ると知ったら、ほとんどうらやましがってましたもんね。サラリーマンにとって、「転勤してみたい都市」の第一位であり、実際に地方勤務をした人の「住みよかった都市」でも第一位という福岡市。その理由として、「人情が厚い」「気候がよい」「物価が安く生活しやすい」などがあるそうなんですが、私としては、何といっても、チャリ(自転車)で行ける距離に、博多駅も福岡空港も繁華街(天神)も映画館(キャナルシティ)も飲み屋街(中州)もおしゃれな店の数々(大名)も釜山まで3時間弱で行ける港も、そして、海もあるということがうれしいですね!
もちろん、私の大好きな食に関して(私は食住衣の順です)、玄界灘で捕れたおいしい魚介類が新鮮で安いということもありますし……何しろ、私は本来、肉好きだったんですが、こっちの居酒屋での肴は魚中心(刺身もうまくて安いんで)になりましたし、スーパーでも魚介類を買うようになりました。ついこの前は、モダマというフカの湯引きなるものを買って家で食べました。いやぁ、うまかったです! それで380円なんですから! 当たり前といえば当たり前なんですが、なんかいろいろ、東京や神奈川のスーパーでは売ってないようなものを売ってるんですよ。おきゅうとも、こっちの人には当たり前なんでしょうけど、私も好きになって、時々買って食べてます。まぁ、酒の肴に関していえば、やはり焼酎にあった肴として、魚介類が増えているのかもしれませんね。あと、これはビールがいいですが、今は全国的に流行っている一口餃子も、福岡が元祖らしいですね。それと、なんと、皿うどんも! ちゃんぼんと同じ長崎だと思ってましたが、皿うどんの発祥の地は福岡らしいです。そこら辺に関しては、元祖を名乗っている店(あるんですよ、これが)に食べに行ってから報告しますね。
さて、『博多学』に関してなんですが、異論、というより、そんな人ばかりじゃないやい、といいたいことがひとつ。サラリーマンがなぜ博多でストレスを感じないかという点に関して、「博多美人という言葉があるように、美人が多く、中洲のクラブやスナックの女性も美しい」などというようなことが書かれているんですが、まぁ、確かにきっぷがよくて個性的な女性が多いとは思いますが(いい意味でですよ)、そういう女性のいるところに飲みに行けない人間はどうなんだ、といいたいんです! まぁ、そういうお店の女性と飲んでストレスを発散する人は多いわけで、それでそういう店も成り立っているわけですから別にいいんですけど、私はダメなんですよねぇ、昔から。バーとかスナックとか、女性がいて一緒に飲む店に行くより、居酒屋がいいですねぇ。それも、若者(だけじゃなくサラリーマンもだけど)がやたら元気でうるさいところは絶対ダメ! おじちゃんとおばちゃんがやってて、安くておいしい肴を出してくれる、小さくて静かな店がいいですねぇ。要するに、下北の古里庵みたいな店ですけどね。そういう店をまだ博多で見つけられていないのが残念です。
なんか結局、飲んだり食ったりの話になってしまうようですが、先週末はまた広島に行って来ました。今回は一泊で、夜中に、前に報告したラーメン横丁に行ってきました。そこで今回は(七福人とかいって七軒あるんで一軒ずつ)、昭和屋台一という店でホルモンラーメンを食べて来ました。別にまずくはなかったんですが、結論からいうと、ホルモンはホルモンで焼いて食べた方がいい、ということですね。特に、釜山のコプチャン! ああ、食べたい!
広島では、他に、出雲そばがおいしい大黒屋という店があって(本場の出雲そばよりおいしいと評判!)、ここに寄ると、あご野焼きという出雲の名産のトビウオのかまぼこで熱燗の日本酒を飲みながら、割子そばを食すという贅沢な(といっても全然高くはない)時間を過ごせます。今回は時間が合わず、寄れませんでしたが。
ところで、広島のH.ARROWには、鳥取から通っている、元・神奈川のARROWにいた谷田という子がいるんですが、その子が最近、地元の放送局で制作したラジオドラマで鳥取弁の方言指導をした時に、大高洋夫さんが出演してて、私の名前をいったら、「小松杏里さんのお兄さんには会ったことがある」といわれたそうな。私には弟はいるけど兄はいないので、う〜ん、と考えた結果、これはおそらく、流山児★事務所の制作もやっているオフィスK21の小松克彦氏のことだなと思いました。彼は昔、螳螂の制作もやってくれていて、当時からよく「兄弟なんですか?」と間違われましたからね。はっきりいっときますけど、まったくの赤の他人です! いや、克ちゃん、別に冷たくいってるわけじゃないけど……まさか、小須田さんはそう思ってなかったよね?
(2003.9.8)