2003年7月第3週

 いやぁ、博多駅がまたまた水没しました! 昔、5年ぐらい前に私が福岡に来た時、大雨で博多駅近辺が水没し、駅の近くの地下にある料理屋に閉じ込められた女性が亡くなったという事件がありましたが(その話は何回か書いてますかね)、今回久しぶりに、梅雨前線が活発化した影響で九州が大雨になり、博多駅が水没してしまったんです。その後のニュースによれば、一番大変だったのは熊本の、特に水俣で、死者も多数出たそうですね。

 ところが、私は博多にいたにもかかわらず、何と、その当時、まったく知らぬ存ぜぬだったんです。確かに、夜中、雨と雷がすごいなぁとは思ってたんですがね。

 というのは、実は金曜日の夕方から、私は部屋に閉じこもりっ放しで、カフェイン200mg入りの眠気覚まし飲料を飲みながら、途中ちょっと仮眠をしつつ、日曜日の朝まで二日間徹夜で前に話した韓国映画の原稿を仕上げていたんです。つまり、その間のことは、まったく知らなかったわけで、たまにテラスの外を見ると大雨で、クーラーをつけて窓も締め切ってたもんで、雷もちょっと響くぐらいだったんですが、実際、外では大変なことになってたわけです。そういえばパトカーだか救急車だかのサイレンが鳴り響いてたりしてました。

 日曜日には、例によって学校で体験入学というのがあり、私は、明け方ちょっと仮眠してから、その頃は晴れ渡っていた中、原稿が書き上がったこともあり、爽やかな気分で学校に行ったんですが、な、何と、廊下は泥だらけだし、床に置いてあったコピー用紙類はビチャビチャだし、もちろんカーペットも湿っていて、歩くとグチャッ、グチャッという始末。まさかと思いつつ、隣の席の傀儡庵こと長谷川淳一先生に訊くと、「膝ぐらいまで水没してましたよ」という返答。

 彼の話によれば、彼は金曜日の晩、体験入学の準備で学校に泊まったんですが、夜中の大雨は私と同じように、なんかすごそうだなと思ってたぐらいで(4階にあるスタジオで作業をしてたので、トイレに行く時に音を聞いたぐらいらしい)、作業が終わり、土曜日の明け方5時頃、家に帰ろうと思って4階でエレベーターに乗ろうとしたら、ドアは開いたのはいいけど、中から水のせせらぎのような音が聞こえ、これは変だと思ってエレベーターには乗らず(これが彼を救った!)、階段で降りて行ったところ、一階がすでに膝ぐらいまで水没していたというんですよ。もし、エレベーターに乗って1階まで行ってたら、ドアも開かなくなって完全に閉じ込められていたでしょうね。

 彼は、その時見た、1階の教員室のコピー機が水の中にある風景はかなりシュールだったといってました。結局、彼は膝までつかるのも嫌で(そんなことして駅まで行っても電車も動いてないし)、4階に戻り、水が引くのを待っていたそうで、4階から窓を開けて博多駅方面を見たところ、まさにSF映画のごとく、明け方で人があまりいない博多駅方面のビル群が泥水に浸かっていたそうで、驚いたそうです。最近のゴジラ映画で、渋谷の街が水没するやつがありましたが、まさにあんな感じだったんでしょうね。テレビで住宅地が川の氾濫や水害で水没してる風景を見ることがあり、あれも大変だとは思いますが、都会のビル街が水没してる風景というのは、ちょっとすごいですよね。

 水は割りと早く引いたそうですが、後には泥がこびりつき、学校もその日、何人かの先生方が集まる用事もあって、その先生方で掃除をしたそうです。

 実は私は土曜日、広島に行く予定だったんですが、原稿が上がらずそのまま部屋に缶詰になってしまったんですが、広島に行くために博多駅に行ってたら、もっと早く気づいていたでしょうね。だからといって、どうにもならなかったでしょうが。

 というわけで、先週もその原稿書きとイベントの準備ですべてつぶれたわけですが、21日の海の日は、原稿も上がり、実に久しぶり(一ケ月ぶりぐらい!)の朝からの休みで、部屋の掃除やら洗濯やら資料の整理やらをやらねばと思ってたんですが、二日完徹(これは二日間で一日という感じで、一日空白の日が出来たような感じがしました)の不眠がたたって、夕方近くまで爆睡してしまいました。何時間ぐらい寝たんだろう。前夜、風呂上りに焼酎グイグイやってそのまま片付けもしないでバタングーで……確実に15時間以上は意識不明のまま寝てましたね。そのまま目が覚めてなかったらと思うと怖いけど……で、今週末にはまたまたスペシャル体験というのがあって、前にも話した『ライブ版☆サイバーブレイズ』をベストキャストでやるという決定版、『サイバーブレイズ☆ファイナル』があるんで、その稽古と準備で忙しい日々でしょうね。早く来い来い、夏休みって感じです。でも、あるんですよ、夏休みもいろいろと。

(2003.7.22)
(つづく)


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