2002年12月第1週

 いやぁ、雪ですねぇ。東京の12月上旬の初雪は15年ぶりらしいですが、雪国の人の苦労を知らない身としては、雪を見るとやっぱりウキウキしてしまいますね。私は先日ソウルに行った時に今年の初雪を見たんですが、向こうの人も楽しんでましたね。雪には人の心を和ませる何かがあるんでしょうねぇ。そうそう、『エンジェル・スノー』という素敵な、これまた泣ける韓国映画があるので観て下さい。もうビデオも出ています。

 さて、夕べの初雪は渋谷での打ち上げの最中に迎えました。役者・小松杏里として出演していた、P.E.C.T.の『Winter Rose』が昨日で無事、といっても3日間だけの公演でしたが、千秋楽を迎えたんです。楽日はマチネ公演が予約だけで入りきれなくなり、前日、急遽追加公演が決まりました。で、2時からの公演が終わった後、すぐに準備をして4時半からまた公演をしたんですが、久しぶりでしたね、突然の追加公演は。今年10年目を迎えた月光舎ではなかったと思います。覚えているのは90年に江ノ島の天文館の開場一周年記念として行われた『月の兎』の千秋楽。やはり客が入りきれなくなって、その時は当日の公演直前に決まったんですが、オペ室の関係で照明さんと音響さんには伝えられなくて、本番終了後「すみません。すぐに追加公演やります」と無茶苦茶言ったのを覚えています。照明さんなんかすでにオペ室のコードばらしてましたもんね。まぁ、知り合いだったから出来たようなもんですけど。

 P.E.C.T.の『Winter Rose』の会場は天王洲アイルにあるスフィアメックスというところでしたが、会場自体はいいところだし、12月1日にりんかい線が開通して新宿や渋谷からも直接行けるようになったのはいいんですが、これがまたよく遅れる電車なんですよ。初日には電車の遅れのため開演を15分延ばしたし、私も時間通りまともに行けたのは一回ぐらいでした。しかも、りんかい線はJRではないんでJRからそのまま乗って来れても駅で精算しなくちゃならないんですが、精算機が一台しかなくて、降りる時には長蛇の列で出るまでにも時間がかかる。駅を出てからもスフィアメックスっやアートスフィアまでは意外に遠いし、道はわかりにくいし、劇場までの案内をしっかりすべきですね。りんかい線はパスネットは使えるんで、帰りにはパスネットで入場したら渋谷駅で慣れてないのか精算を間違えて、井の頭線の窓口では喧嘩になるわ、またJRの窓口に行って精算し直してもらうわで散々でした。開通前にそういうことはキチンと対応出来るようにしといてもらいたいですね。出来るなら、りんかい線なんか二度と使いたくないと思いましたもん。いやぁ、かなり腹立ってますね、りんかい線には。

 芝居の方は、結構いい出来だったと思います。3日間でも、初日に観た客が口コミで広めてくれて楽日の客が増えたんですが、最近のP.E.C.T.の中でも出色の出来なんじゃないでしょうか。代表作のひとつになるでしょうね。もちろん、ここに至るまでにいろいろあったと思いますが、出演者も、元P.E.C.T.のメンバーや私も含め、P.E.C.T.のことをよく知っている人間が多かったことが、中嶋が伝えたい部分をうまく表現出来たんじゃないかと思います。その逆に、そういうメンバーが出たことによって、中嶋が表現したい世界が広がったということもあると思いますが。

 主役の網希彦とユッケの二役をやった瀧川英次は、デビューは月光舎なんですよ。93年の『莫』に出た時はまだ16歳でした。『莫』や、その後の『眠れぬ夜のアリス』では地方公演にも一緒に行って、その後、P.E.C.T.に入って何年か前に辞めて、今はフリーでやってます。韓国の若手人気ナンバーワンの男優ウォン・ビンにちょっと似ていて、まだ若いし、これからどんどん伸びていってほしいですね。

 この『Winter Rose』に関しては、中嶋とも話してちょっと計画していることがあるんですが、それはいずれまたはっきりしてきたら報告します。

 ひとまず、役者・小松杏里の時間は終わったので、また本業の方に戻りたいと思います。それにしても今の時期、韓国行きの安さといったら・・・やっぱり1月も行って来ようかな。

(12.10.2002)
(つづく)


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